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既読にならない人たち#1

こんにちは〜。
株式会社REGATEの金城です。

今回取り上げる内容は不動産売買仲介をしていれば誰もが経験するかもしれないような人物とのやりとり。

このnoteを毎回読んでもらっているみなさんの期待通りの胸糞人間もしっかりと登場します。

ではレッツゴー♪


◆紹介


夏の暑い日、昔の職場の後輩から着信。

「金城さん。〇〇の戸建て物件を売りたいというお客さんがいるんですがそっちでやってもらえないですか?金城さんの事務所の近くだし得意エリアでしょ?」
「ん?なんで?わざわざうちでやらなくても御社でやればいいでしょ?」
「いや〜、私の仲介レベルではお客さんに迷惑かけちゃうから金城さんのとこでやってもらいたいな〜と思いましてw」

こいつの名前は仲座。超適当なやつ。
ひょうひょうと生きていてその場限りの嘘とかで乗り切っては逃げ切るタイプ。異性関係もだらしなくて転職するたびに社内でトラブルを引き起こしては辞めてきたという経歴がある。
前職で一緒だった時も何かと異性関係でトラブルを起こしてた。。。

ただ、上司に媚びを売る能力だけは一人前。
何やら今の職場でも問題を起こしてはいるものの、そこの社長には気に入ってもらってて悠々自適に生きているらしいと噂は聞いていた。
周りの人間は振り回されているんだろうなと容易に想像がつく。


「う〜ん。まず売主さんと面談させてもらえるかな?金額とか折り合いがつくのか、あと売り出しのスケジュール調整とかも詰めないといけないし」
「あ、それは大丈夫。”ばっちり”こっちで仕切っています。金城さんとこの専任契約書だけ送ってもらえたらこっちでサインもらいますから」

いや、お前のばっちりを信じた人がどれだけ迷惑してきたか見てきてるしw
とにかく適当なことばっかり言ってトラブルは周りの人間に押し付けて知らん顔してきたじゃん。
言っとくけどお前の発言なんて5000%信用できないからなw


「いや、とにかくちゃんと取り次いで紹介してもらえる?会わないとどんな人かもわからないじゃん。うちでやるならそれが絶対条件かな」
「え〜?金城さん相変わらず固いっすね〜。わかりましたよ。じゃ、明後日の10時に〇〇のマックで♪よろしくお願いしますね〜」
「おい。売主さんの都合も聞かずに勝手に時間を決めてもいいのか?」
「大丈夫です!ばっちりです〜」

ツーーー・ツーーー・ツーーー・・・・


ばっちりって・・・嘘つけよこの野郎。
しかも〇〇のマックってお前の家の近くじゃん。
売主さんからもうちからも結構遠いんだけど。。。


ふぅ。。。なんか嫌な感じ。

創業してから
「困っている人がいるならどんな案件でも断らずにやる」
と決めているけどさ。。。





◆殺意


もらった情報を元に査定をするとまあまあの金額になった。
築年数も浅いし、外から見た感じで問題点はあまり見当たらない。
抵当権の金額をみても残債をペイするくらいの売却が可能だろう。

思ったよりもいい案件かも。


約束の日。
少し早めにマックに到着。

一階のカウンターでコーヒーを注文してから二階に上がる。
とりあえず外が見える席に腰掛ける。

10時を過ぎても仲座の姿は現れない。

電話も出ないしラインも既読にならない。

多分この人が売主さんだと思われる人がいて時計をチラチラみては外を見ている。仲座に紹介をされるまではこっちから話をするのもなんだしな。。。。

15分がすぎたくらいに駐車場に仲座の車が停まった。
悠々と降りてきて焦るそぶりがない。マジで○ねよ走れバカ。

すぐに上がってくるかと思ったが若干時間がかかった。

「あ〜〜〜すみません!!事故で渋滞していて〜」

額に汗をうかばせながら売主さんに謝る。
こいつはいつも遅れる時は事故とか何かしら不可抗力が起きたと言い張る。
こいつの周りでは年がら年中事故が起きるし、高確率でその事故渋滞に巻き込まれている。あと、おばあちゃんや親戚が何度も不慮の事故で亡くなっている。3ヶ月に一度は何かしらの法事がある忙しいヤツだ。

額の汗もここに来る前に一階のトイレで濡らしてきたんだろう。時間がかかったのは多分それだな。
車で移動してきて降りてすぐに店内に入ったやつがこんなに汗をかくはずがないし、何よりも首元とか襟足は一滴も汗をかいていない。

見えすいた演技をしやがってこのバカ。

仲座は売主さんに軽く謝った後に不意にこちらに話を振る

「あ。高津さん!こちら金城さん!私が色々教えてもらってた先輩です!
高津さんのお話をしたら是非任せてほしいっていうのでちょうどいいと思いまして〜」

おい、誰が是非やりたいって言った?相変わらず適当なことばかりベラベラ喋りやがって・・・

とにかく初対面だし第一印象が大事。
笑顔を崩さず話を合わせる。
なんでもやるという創業時の心構えを思い出す。

高津さんに名刺を渡しながら軽く査定の内容を説明する。

ふと仲座はすぐに席を立ち電話をしながら離れていく。
お客さんの前で電話に出る時は一言断れってあれだけ教えたのに・・・


******************

『仲座!お前なんでお客さんと打ち合わせ中に電話鳴らすの?マナーモードにするのが基本だろ?んで百歩譲っても話中は出るなよ!』
『金城さんわかってないですね。電話がたくさん鳴っていると忙しいデキる営業みたいでいいじゃないですか?だから私はお客さんの前ではできるだけ電話は出るようにしているんです。わざとですよわざと。
あとお客さんが目の前にいない時の電話は基本出ませんw意味ないし。
んで着信の折り返しとかもできるだけ夜にやるんすよ!日中は忙しくて電話をする暇もない営業マンを演じるんで♪このプレミア感よくないっすか?
忙しい私がわざわざ業務時間外の夜に折り返しをするっていう感じで恩を着せることができるんですよ♪仲座さんは忙しいのにこんな時間に折り返してくれてありがとう〜って感謝されまくりでいい感じっすよ♪こんど使ってみてください♪』

******************

いま思い出しても胸糞悪くなる営業理論だ。

自慢げに喋っていたできる営業マン演技は今も健在というわけか。。。
これに騙される人が一定数いるから厄介なんだよな。
こいつは営業マンというよりも詐欺師とかの方が向いていると思う。



◆条件


高津さんは出て行った仲座に気をとめるそぶりもない。
「こんなに丁寧な査定をしてもらって助かります。ありがとうございます。」
「いえいえ。ところで今回売却する上でお引っ越しとかの予定は立てていますか?」
「はい。ずっと探しているんですがなかなか見つからなくて・・・犬を飼っていまして・・・」
「あ〜ペット可の物件だと少し探すのも難しくなりますしね」
「はい、仲座さんからも伺っていると思いますが【4匹OK】という物件が見つからないんですよね・・・」


・・・。

はい?犬4匹?
伺っていませんけど?
てか引越し先あるか?

無理・・・
いや頑張れ俺!誓いがあるだろ?どんな案件でもやるんだ。
目の前の高津さんは困っているじゃないか。
うし!気合いだ!

「あと、引越し先はできれば今のところから離れたくなくて、駐車場も三台は欲しいです。去年転職して収入が大幅に減ったので家賃も5万円くらいに抑えたいと伝えています


・・・・・。

犬4匹飼える物件で家賃5万。駐車場三台。。。

「仕事がキツくて何も考えずに転職したらローンが払えなくなりまして・・・えへへ」


えへへじゃねぇし。
何も考えずに転職すんなよ。

てかこんな条件の物件は市内全て探しても見つからんし。


あいつ、高津さんが引越しできないと知って押し付けやがったな。

怒りが込み上げてくる。



おい俺よ!どんな案件でもやるんだろ?忘れるな!

落ち着け。落ち着いたな。よしよし。。



「こんなに厳しい条件なので無理かと思っていましたが金城さんが力になってくれるというので助かりました。しかも仲介手数料も無料でやってくれるなんて。本当に助かります。」



は?無料?
そんなん誰が言った?


おい俺!!どんな案件でm・・・いや・・・とにかく我慢だ。
我慢我慢・・・



殺意を覚えながらアイツを探す。
ヤツは車に戻ってスマホをいじっている。こっちとは目を合わせようともしない。
電話終わったなら出てこいよバカやろう・・・

「あと、これも仲座さんには言っていますがすでにローンを滞納しています」
「(でしょうね)何ヶ月くらいですか?」
「え〜と。。。半年くらいかな?えへへ」

えへへじゃねえ!!!

半年滞納ってもうリミットじゃん。
保証会社に行ってリスケと任意売却の話もしないといけないか?
時間との勝負じゃん。


引越し先ないし、無料だし、滞納しててリスケの段取り?
やること多いしハードル高すぎん?

無理無理無理!


いやいや!おい俺!落ち着けよ!
創業の時に誓ったろ?どんな・・・


は〜〜〜???創業期の誓い?そんなん知りません!
断ろう!うん。そしてあの野郎マジで殴ろう!

アイツが戻ってきたら断って(殴って)この場を去ろう!




怒りを抑えながら仲座を睨むと車ごと居なくなっている。



え?あれ?
携帯を見るとラインが1通。

「金城さん!次いくんであとはよろしくお願いします〜」

は?おい。マジかお前。

少し固まっているとガサゴソと目の前で高津さんが動く。

「サインはこちらでいいですね?よろしくお願いします」


高津さんは目の前で専任媒介契約書に署名押印している。
あ、まってそれは一応持ってきただけで署名して欲しくな・・・

しかも仲介手数料の欄にしっかりと斜線を入れてるし。
こんなとこだけしっかりしてんのかよwww


ちくしょう。もうこうなったらやるだけやるしかないのか。
なんか断るタイミングを完全に逃した。。。

俺超いい人じゃん・・・



◆売れるのか?


専任を預かりその場は解散。
後日販売用の室内写真を撮る日時を取り付けてマックを離れる。

車を運転しながら頭を回転させる。
滞納が始まっているとなると賃貸の審査にも響くだろう。
というかもうブラックリスト入りしているかもしれない。
まずは融資銀行と保証会社にリスケの段取りか。
犬4匹を飼っているとなると室内の荒れ方は想像以上かもな。

何よりも問題は売れる物件だけど売主の引越し先が見つからないというとこだよな。
つまり買った人は高津さんが犬4匹OKの物件を見つけるまで入居できない。
この条件で売れるか?室内の状態にもよるけど住みながらの売却しか選択肢ないし。。。
犬が4匹もいる居住中の物件を見て買う人いるのか?
通常の物件よりもかなり手間かかるぞ・・・

これで手数料無料?
ちくしょう。
あの野郎。マジぶっこ○ろす。
面倒なのを知って押し付けてきやがった。

すぐに電話をするが出ない。
「連絡ください」のラインも既読スルー。



夜10時をすぎてから仲座から着信。
「あ〜金城さん!折り返し遅くなってすみません〜忙しくて!高津さんの件よろしくお願いします!あ、紹介料とか今回は要らないので!じゃ!」

ツーーー・ツーーー・ツーーー・・・


紹介料?ふざけんなよ。
あと、俺にまでデキる営業マン仕草をしやがって・・・
マジで次あったら/+-++-/;j:;];]/[@[と思う。

この時、私は高いコンクリートの塀の中に入る覚悟が決まった。


そんなこんなで次回に続く。

次回予告
高津さんの引越しはできるのか?
塀の中の生活は快適?
ミスターポポ嘘つかない?

の3本です!

では〜

次回:既読にならない人たち#2


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株式会社REGATE 金城貴士
沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!