事例紹介~家族4人暮らし、楽しく過ごしていた日々が崩れていくことがある~遺品整理
地震などの災害で「毎日は当たり前にない」ということを感じた方も多いと思います。今回の事例は家族4人暮らし、お母さんの遺品整理。お写真の許可を頂いておりませんので、文章のみのご紹介となります。
【散らかっているので土足で構いません】
住まいは平屋。3部屋、キッチン、浴室、トイレ。ご依頼は不動産屋さんより。「部屋が散らかっているので土足で構いません」と事前に連絡を頂いておりました。書類、新聞、請求書の山、そこにネズミの糞や死骸などで確かに土足でないと入室出来ない状態でした。そして、1部屋には仏壇が。片付けをしていくとお母さんが闘病の末、亡くなられたようで、子ども達とお母さん、家族4人で、沢山の笑顔の写真がありました。
【全部残さず処分してください】
どんな背景があっても、アルバム、写真、現金、鍵、通帳、ハンコ、手紙、財布、請求書、借用書、保険証書など必要と思われるものは取っておくのが私達の仕事です。途中で不動産屋さんが様子を見に来て下さり、取っておいたものを見て頂いたのですが「現金以外全部処分してください」とのことでした。遺品整理士はこんな時とても悲しくなります。思い出の写真を1枚も残さないのは本当に悲しいです。(その背景には様々なことがありますので仕方ないのですが)
【崩れていった日々】
お母さんが長い闘病の末、亡くなり、お父さん一人で子ども達を育てていたこと、お母さんが亡くなるまで様々な治療をして、心も体も限界を迎えていたことが分かりました。子ども達の笑顔の写真はある一定の年齢の写真ばかり。おそらく小学中学年で終わっていました。お道具箱に女の子の字で「毎日楽しいね🎀」という言葉が書かれていました。請求書が散らばり、ネズミの糞で排泄物の臭いがする部屋にいた私は、とても悲しくなり、時折作業の手を止めながら、私達スタッフが写真などを確認して「○○に行ったんだね」「入学式の写真がありました」などみんなで確認しながら処分しました。誰もみることが無くなってしまうのは悲しいですので、私達が最後に見ていきました。
請求書の山が散らかり、隣の部屋は学習机が傾き、洋服の山がネズミにかじられ、排泄物の臭い、空気の入れ換えが無かったため湿気が溜まり、床が抜けそうになり、その隣の部屋は、布団の山。これもネズミにかじられ、中の綿が出ていました。食品も出たまま、腐敗していました。キッチンは油が鍋に入ったまま、中にはゴキ○○。子どもの水筒やおもちゃ、お弁当箱も出て来ました。みんなでピクニックに行っていた時があったのでしょう。浴室はムカデの子どもが歩き、浴槽にはゴキ○○とムカデが何匹も沈み、壁には蜘蛛の巣が何重にも張られていました。ここには昔、家族の笑い声があったのだろうな、写真の4人が笑ってそこにいるような、そんな気持ちになりしばらくお風呂を眺めていました。
最終確認を不動産屋さんにお願いしました。
「よくこんなにきれいに片づけられますね」
「2日でこんなにも無くなるものなんですね」
「きれいにしていただいて有り難いです」
とお声を頂きました。
私達の仕事は、他の方から見たらきれいな仕事ではありません。なぜ出来るのかというと、きれいな状態に戻したい、汚いと思って片づけていないからです。様々な理由により片付けが出来ない方のお役に立ちたいのです。
片づけ、遺品整理、特殊清掃
株式会社Regalo(レガーロ)
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