事例紹介~特殊清掃・遺品整理~
ご覧頂きありがとうございます。
片付けのプロ 株式会社レガーロです。
-*-*-*-*-*-*-*-
今回の記事は特殊清掃について詳しく書いております。
ご注意下さい。
-*-*-*-*-*-*-*-
特殊清掃とは、何らかの理由により自宅で亡くなられた
際に特殊薬剤を使い消毒をし、臭いの元となる物を
安全に処分する作業です。
日曜日のお昼「部屋で家族が亡くなってしまって、、、
対応可能でしょうか、、、」というお電話がありました。
-*-*-*-*-*-*-*-
ご依頼者様は故人様の妹さんでした。
「兄が亡くなったという話しを聞いて
部屋には入っていないのですが、警察の方から
虫が沢山いるというお話は聞いているので・・・」と
とても不安そうなお声でした。
-*-*-*-*-*-*-*-
お部屋で一人で亡くなると検視があり、死亡原因を
断定したりDNA鑑定をするため1~2週間ほど
私たちが作業に入るまで時間が必要になります。
-*-*-*-*-*-*-*-
防護服、防毒マスク、保護めがね、
シューズカバー、手袋をして皮膚を外部に露出せずに
作業開始です。
まずは亡くなられた場所や部屋全体に消毒をしていきます。
大量の吐血の痕があり、苦しまれて亡くなられた
事が伺えます。扇風機羽の上から吐血の痕が残り
立ち上がった状態で居たこと、ベットの部屋に行こうとして
いたこと、隣の部屋に戻ったこと、全て見て取れる現場でした。
また、排泄物も確認できたので
亡くなられて数週間経っていたと思います。
-*-*-*-*-*-*-*-
玄関、トイレ、お風呂、部屋全体に
ハエが死んでいて歩くと潰れてカサカサ・プチプチと音がします。
ポスティングチラシや郵便が散らばり、ごみ袋に
入れていきますが、郵便は1通ずつ見て保管します
(家族に渡すため)
クレジットカードの支払いが速達で数件来ていました。
-*-*-*-*-*-*-*-
トイレの便器は体調が悪かった事が伺える程に
汚れていました。もしかしたら「死んでしまうかも
しれない」と故人様は分かっていたのかもしれません。
-*-*-*-*-*-*-*-
お風呂は浴室よりもシャワーを使用していたように
思います。浴槽の汚れよりも洗い場の方が汚れていました。
排水溝の髪の毛の除去と大量の缶ビール(空き缶)を
処分しました(解体が決まっていたので清掃はなし)
-*-*-*-*-*-*-*-
キッチンには食器がきちんと洗われていて、
箸、スプーン、フォーク、鍋、フライパンなど
並べて置かれていました。
-*-*-*-*-*-*-*-
冷蔵庫には2020年3月で賞味期限が切れている
玉子が1パック、缶ビール23本(350ml)、キムチ、
沢山の保冷剤、賞味期限の切れた調味料やドレッシング、
等が入っていました。
-*-*-*-*-*-*-*-
寝室として使用していた部屋は布団が敷かれたまま
枕元には大量のビールの空き缶、たばこの吸い殻、
同じ銘柄の空きたばこ、コンビニの同じおつまみの空ケース
チップス系のお菓子、そればかりが無造作に大量におかれて
いました。
-*-*-*-*-*-*-*-
亡くなられた部屋はテレビを見たりゆっくりする為に
使用していた部屋のようでした。
テレビの横にはお母さんの遺影写真。
空箱の段ボール、お母さんが使っていたと思われる
布団が端のほうに畳まれていました。
-*-*-*-*-*-*-*-
子どもが居ること、離婚している事、お母さんと
住んでいたこと等が遺品整理をしていると
分かります。
-*-*-*-*-*-*-*-
亡くなられていた場所はお母さんの遺影の前。
ベットではなく、お母さんの遺影の前で、
遺影の方を見て亡くなっていました。
吐血をしながらも遺影の前に行き、何か伝えて
亡くなってしまったのではないかと思うと胸が苦しくなります。
-*-*-*-*-*-*-*-
離婚をしたこと、お母さんが亡くなってしまったこと
仕事が上手くいっていなかったこと、それまでは
几帳面な性格で、自炊をしていたことが伺える
お部屋でした。
この部屋にも沢山の笑顔と笑い声があったのだと
思います。しかし、どこか何かのきっかけでそれが
上手くいかなくなり人生の分岐点が訪れたのだと思います。
-*-*-*-*-*-*-*-
大量の薬、大量の缶ビール、大量のお菓子、
大量のおつまみ(全部同じ商品)大量のたばこ・・・
一人になった部屋で
「もう俺なんてどうなってもいいや」
と思って生活されていたのかもしれません。
きっとそれまでは仕事に生きがいを持ち、
家族やお母さんと笑って過ごしていたのだと思います。
・・・私たちは憶測でしか話せませんが・・・
-*-*-*-*-*-*-*-
解体が決まっていたとはいえ、体液、血液、排泄物が染みた
畳をそのままには出来ず、消毒しながらできる限りきれいに
しましたが、畳を取らない事には脱臭しても意味がありません。
不動産屋さんとお客様が相談した結果、「そのままで良い」
という事でしたので、畳撤去は行ないませんでした。
きれいにしても痕がきれいに消える訳ではありません。
故人に手を合わせ亡くなられた場所にブルーシートを敷かせて
頂きました。
-*-*-*-*-*-*-*-
ご依頼者様の妹さんに最終確認をしてもらった時に
「もっと早く見つけてあげればよかった」と
話していました。
こうなることは誰にも予想出来ませんし、
妹さんが悪いわけでもありません。
お兄さんもこういう最期にしたい!と思って
生きていた訳でもありませんし、
誰にもどうすることもできなかった事だと思います。
-*-*-*-*-*-*-*-
部屋には妹さんが食品を送っていた
送り状が寝室の棚にテープで貼り付けてありました。
妹さんは見つけてあげる事が出来なかったかもしれませんが
日々の生活の中で、お兄さんに光を与えていたと思います。
-*-*-*-*-*-*-*-
片付け、遺品整理、特殊清掃
株式会社Regalo(レガーロ)
福島県郡山市菜根5丁目9-16柳沼ビル2階西
TEL:024-953-6184
メール:ihin.regalo@gmail.com