概念データモデルの対象となるデータは何か?
データモデリングの案件を幾つも経験してきましたが、データモデリングを行う際に何をモデリング対象にするかで議論になることがしばしばあります。
あるプロジェクトでは、『人』はモデリング対象から除外すべきだという主張があったり
別のプロジェクトでは、『場所』をモデリング対象とするかどうかで、議論が紛糾したり
またあるプロジェクトは、業務上の『ノウハウ』等の目に見えないものをモデリング対象とするかどうかで、意見が割れたり、
収集が付かなくなることがあります。
モデリング対象のデータ
私の経験上、結論から言うとモデリング対象のデータはビジネス活動のすべてのデータがモデリング対象になります。
『人』だろうが、『場所』だろうが、『ノウハウ』だろうがビジネス活動にかかわるのであれば全てが対象となります。
こう説明すると、『業務で使っている鉛筆や消しゴムも対象になるのか?』と疑問に持たれるかもしれません。
この時必要になる視点が、鳥の視点です。簡単に言うと俯瞰してみる事です。
ビジネス活動の本質は
原材料を仕入れて
加工して
販売する
上の図で、
□印は、「モノ」で、業務活動で利用するお金や、設備、材料、そして人的リソース全般を指します。
〇印は「こと」で、人や設備が行う業務活動全般を指します。
この「もの」と「こと」を鳥の目から細分化していき、業務全体が把握できるれべるまでをまずはデータモデリングの対象とします。
その為、最初に話をした「鉛筆」や「消しゴム」については、鉛筆や消しゴムを製造販売しているメーカーであれば、業務全体を把握するために重要なデータの為対象になりますが、それ以外の業態では重要なデータではない為、モデリング対象外となります。
データモデリングの階層構造
データモデリングには、以下の階層構造がありまして、
概念データモデル:業務上主要な「モノ」「コト」について整理を行う
論理モデル:業務上のシステム化範囲に対して、業務視点でデータの整理を行う
物理モデル:業務上のシステム化対象範囲に対して、システム視点でデータの整理を行う
これまで説明してきた、鳥の目で業務全体が把握できるレベルのデータモデリングは、『概念データモデリング』に該当します。
まとめ
今回は、何をデータモデリング対象とするか?で、一番取っ掛かりの概念データモデルの対象となるデータについて説明しました。
次回は、具体例を踏まえて、概念データモデルの整理方法について説明したいと考えています。