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船井電機の破産について

つい先日破産した船井電機は、現在報道されている情報を見ると悲惨な状態になってしまったようです。

読売新聞の記事によると、船井電機は身ぐるみ全て剥がされ、従業員は一斉解雇されたようです。スキームは読売新聞の記事によると次の通りです。

ITの技術関連の本を出版している資本金1億円未満の中小企業である、秀和システムホールディングスが、りそな銀行の協力を得て、大企業の船井電機にLBO(レバレッジバイアウト)を行ったようです。

LBOは簡単に言うと「人の金で買い物する」という、常識的には詐欺のように思える手法ですがビジネスの世界では現在合法のようです。

今回は、りそな銀行が秀和システムホールディングスに船井電機の買収費用を融資しましたが、融資の回収は融資を受けた秀和システムホールディングスではなく、りそな銀行は買収された船井電機から融資費用を回収しています。

つまり秀和システムホールディングスは、船井電機の財布で船井電機を買収したことになります

勝手に人の財布で買い物するようなものなので、このような手法が合法であることが不思議です。

秀和システムホールディングスに買収された船井電機のその後

読売新聞の記事にある通り、船井電機は秀和システムホールディングスに買収されてから、どこかに300億円もの資金が流出した上、借金まで作らされて、従業員2000人を道連れに破産しました。

まるで映画やドラマさながらの状況が、公然と行われたことに対しては正直驚きを覚えます。

まとめ

まだ情報が全て明らかにはなっていませんが現在報道されている内容より、今回の件はりそな銀行が秀和システムホールディングスに協力しなければ、資金力のない中小企業の秀和システムホールディングスが大企業の船井電機を買収することも、船井電機の従業員2000人が給料も払われず路頭に迷うことは無かったと思います。

りそな銀行は、2003年に公的資金注入(国民の税金)によって生き長らえた会社です。
全容をどこまで把握していたのかは分かりませんが、個人的には融資先や融資目的についてはもう少し慎重になるべきだったと思います。

最後に

今となってはたらればですが、船井電機の経営層は、企業防衛すべきだったと思います。

LBOされた経緯はまだ詳細は分かりませんが、資金が潤沢にあったのだから、船井電機は秀和システムホールディングスとりそな銀行にLBOされる前に、自社株を買うなりなんなりして防衛すべきだったと思います。

そうすれば、給与未払いの上一斉解雇そして破産とういう船井電機の従業員や船井電機の取引先にとって最悪の事態になることは避けられたのではないかと思います。

最後に、船井電機の資金が300億円流出した件についてはどこに流出してしまったのかが解明され、資金流出に仮に不正があった場合は適切な対応が行われることを期待します。


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