「コース イン ミラクルズ」版 解説
ご訪問いただき、ありがとうございます。
心理学者のヘレン・シャックマンが内なる声を書きとった「A Course in Miracles」(奇跡のコース)ですが、いくつかの版が存在し、それぞれかなり異なっています。
今から学習しようとする人は、迷ってしまうでしょう。
私も大変、迷いました。
自分のために調べたことをシェアします。
※ 極力、複数の資料を参照しましたが、ダブルチェックできていない内容も含んでいます。
順番は、出版順ではなく、もともとの作業の流れの中で、現れてきた順を基にしています(詳しくは解説本文をご覧ください)。
①手書きのノート
② オリジナル・ハンドリトゥン版
③タイプ版(Urtext)
④ Urtext 一般公開版
⑤ HLC版
⑥ FIP 第一版
⑦ FIP 第二版・第三版
日本語版
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1. 手書きのノート
ヘレンが聞き取ったとおりにノートしたもので、速記文字と普通のアルファベット、簡略化した記号で書かれている。1965年から1972年にかけて、テキスト、ワークブック、マニュアルの3つが書きとられた。
※オリジナル・ハンドリトゥン版に見本が載っていた。
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2. オリジナル・
ハンドリトゥン版
手書きのノートを基にして、近年、新たに編集されたもの。コースの講師であるロバート・ペリーとグレッグ・マッキーによって、コースで示されたガイドラインに従って編集された。オリジナルに近いという特徴と、一般向けであるという特徴を併せもつ。2017年頃に販売が開始されたようだ。
Circle of Atonement 刊
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3. タイプ 版(Urtext)
手書きノートをヘレンが同僚のビル・テッドフォードに読んで聞かせ、ビルがタイプしたもの。彼らはこれをUrtextと呼んでいた(ドイツ語で原典という意味)。タイプしたあとに、少し校正が入れられている。声の主は、ビルの書記としての役割は、非常に大切だと言っていた。
ノートから、ヘレン個人に向けたと考えられる内容などが省かれ、約1万語が減っている。また、この時点で第ニ章と第三章の内容が、新たに ( 聞きとって ) 加えられた。
コピーはネットで公開されており、また販売もされているようだ。
※ 読みにくいので、用途としては、研究用の資料だろう。タイプ版が表に出てきたのは2008年頃と思われる。何者かによる「流出」と考えられている。ファクシミリ版、写真版などとも呼ばれているようだ。
※ oracle-for-miracles.com というサイトにあった。
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4. Urtext ウァテクスト
一般公開版
タイプ版を、一般向けに読みやすく打ち直し、レイアウトしたもの。ネットで公開されており、販売もされている。オリジナル・ハンドリトゥン版が出版される前は、最も手書きノートの内容に近いと考えられていた。
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5. HLC版
HLC版の前に、ヘレンが編集を行なった the second draft 、第ニ稿が存在するといわれるが、それが公開されることはなかった。
ヘレンとビルが第ニ稿を編集して、1972年、サポートをしてくれていたヒュー・リン・ケイシー ( エドガー・ケイシーの息子 ) にわたしたものが HLC版。彼らは、これを最終版とするつもりだったのではないかともいわれている。
この段階で、章立てや節が導入された。また、個人への言及が取り除かれ、一般向けに整えられた。特にテキストの最初の第7章くらいまでに、大きな変更が加えられた。約千語が場所を移され、2万3千語が取り除かれた。
Course in Miracles Society 刊
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6. FIP 第一版
心理学者であるケネス・ワプニックがさらなる編集が必要だと主張し、大幅な編集が加えられた。ヘレンは同意している。
この編集により、最初の4章が特に読みにくくなったという意見がある。また、章立てやタイトルの多くも変更された。約5千語が位置を移されたが、これは主にテキストの第1章で行われているという。さらに、1万2千語が取り除かれた。
この版は最初、1975年に少部数、発行され、新たに書きとられた用語解説を加えて、1976年にFIPから出版された。
FIPは著作権を主張する裁判に負けたため、この版以前の版は著作権フリーとなっている。邦訳では、田中百合子版と大内博版がこれに基づいている。
Foundation for Inner Peace 刊
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7. FIP 第ニ版・第三版
第一版に編集を加えたもの。第二版は1992年刊行で、最も多く流通している版であろう。長きにわたる原稿の打ち直しの過程で、抜け落ちてしまった部分や間違ってしまった部分を復元している。主に参照したのはUrtext。また、文章へのナンバリングが導入された。ヘレンもビルもすでに亡くなっていて、ケン(ケネス)が編集した。
現在は、第三版(2007年)が出版されている。
JACIMの翻訳「奇跡講座」はケネス・ワプニック氏の監修を受け、こちら(第二版または第三版)を基にしているという。
Foundation for Inner Peace 刊
参考文献:
A Course in Miracles Based on the orginal handwritten notes of Helen Shucman COMPLETE & ANNOTATED EDITION
StarPeople Vol. 56 ACIMの”今”を探る
ほか
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日本語版
日本語版は、以下の3つの版が知られています。
「奇跡のコース」
第一巻 : テキスト(2014)
第二巻 : ワークブック・教師のためのマニュアル(2015)
〈FIP第一版準拠〉
大内博 訳 ナチュラルスピリット刊
ソフトカバー版・Kindle版
「奇跡講座」
上巻 テキスト
下巻 受講生のためのークブック・教師のためのマニュアル・精神療法・祈りの歌(上下とも2017)
〈FIP第二版または第三版準拠〉
JACIM編・中央アート出版社
ソフトカバー版・Kindle版
「奇跡の道 兄イエズスの教え」
田中百合子 訳〈FIP第一版準拠〉
本文・学習書・教師用手引き
ペーパーバック(オンデマンド)
全二巻セットか全四巻セット
またはKindle版
本文・学習書・教師用手引き
英文付き〈FIP第一版準拠〉
Kindle 版
またはPDF版(詳しくは訳者のサイト参照)
田中百合子さんは、日本で「A Course in Miracles」の翻訳版が出版される前から、インターネット上で訳を提供されていた方です。
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ちなみに、3つの日本語版の翻訳者たちはみな、ケネス・ワプニックさんの教えを受けているということです。
その他、私訳をネットで公開されている方もいらっしゃいます。
また大畑学さんという方が、Kindleで英日対訳版を出されています。
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原書も翻訳も、人によって、合う版が違うと思います。
これまでの広まり方から見て、FIP版と相性のよい方も多いでしょう。
一方で「コース」に挫折した人も、大勢いると思うのです。ひょっとすると、Urtext やオリジナル・ハンドリトゥン版なら読めるかもしれません。
両方とも、最初のほうを読んだ感じでは、どうやら私にも読めそうな気がします。
英語が苦手でも、翻訳アプリ / ソフトを利用すれば、何とかなるのではないでしょうか。
参考のために、私は大内博版も用意しました。
また前述の大畑学さんが、Urtext の対訳テキストも作られていて、こちらも Kindleで購入できます。9章までしかありませんが、オリジナルから変更が多く加えられているのが、7章くらいまでらしいので、10章以降はFIP版を使ってもよいのではないでしょうか。
私の右脳さんのイチオシは、オリジナル・ハンドリトゥン版らしいです w
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いずれにしても、ぼちぼちやっていきますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
※ がんばって目次作りに初挑戦しました。
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