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小学校の就学相談記録③~学校訪問【当日】編

※記憶を半年ほどさかのぼって書いています。当時のメモをもとにしていますが間違いがあったらすみません。


6月のある日、子供を連れて学区の小学校へ向かう。
校門は頑丈な柵で閉ざされていて、脇のインターホンで

「おはようございます。10時から就学相談をお願いしている〇〇と申します」

と伝え通用口の鍵を開けてもらう。
応接室に案内してもらい、すぐに教頭先生がやって来る。

子供の発達状況を細かく聞かれる

 最初に教頭先生から、もし可能であれば愛護手帳のコピーを取らせてほしいと言われる。とくに断る理由もないので了承する。
次は子供の日常の生活や障害の状態・療育歴などについて聞き取りをされる。自宅で作成したサポートブックを渡し(こういうのがあると非常に助かるんですと喜んでいた)、その内容に沿って質問され答えていくという流れ。思った以上に細かなところまで聞かれたので、サポートブックを作って(過去の記憶を掘り起こして)おいて非常に助かった。

親の要望を聞かれる(うちは支援級希望)

ヒアリングのあと「進学にあたって要望はありますか?」と漠然とした質問をされる。
我が子は「ザ・自閉症」という感じで、会話が一方的・こだわりが強い・ささいな変化や刺激に敏感で神経質…といった特性があり、その他にもいくつかの問題がチラホラ。
「とにかく不安感が強く緊張しやすい子なので、学校では少人数の支援級が本人は安心できると思います。できる限りのサポートを受けて、心穏やかに過ごしてほしいです」
と伝える。また勉強についても、療育センターで過去に受けた発達検査の結果を何枚か見せて、
「発達指数(DQ)は75前後で愛護手帳の上限ぎりぎりですが、年長になってもじゃんけんや鬼ごっこなどのルールが分からなくて園での集団遊びに参加できません。普通の子に交じっての勉強は難しいのではないかと心配しています」
と伝える。

支援級についての説明

「わかりました。では、まずうちの学校の支援級についてご説明しますね」
と教頭先生から説明を受ける。色々聞いたことを以下箇条書き。

編成について
まず、「通常級(普通級)」と並んで「支援級」があり、支援級の中に「知的級」と「情緒級」がある。
知的級は知的障害がある子、情緒級は発達障害がある子が主な対象らしい。
また、普通級の子で軽度の発達不安がある場合は他校に「通級」して(うちの学校には通級の教室がないため、週に何度か授業を抜け出し他校へ親が送迎と付き添いをするそう)個別指導を受けることもできる。
ただしこれは支援級の子は支援級の中で同じことをやるので適用外とのこと。

クラス数と1クラスの人数
支援級は1クラスに8人までの決まりがあり、8人を超えたら2クラスに増やすのだそうだ。
うちの学校は今年度は知的級2クラス、情緒級2クラスの計4クラス。(フェイク入れたけど本当に想像より多かった。最初のイメージでは知的と情緒合同で1クラスくらいかと思っていた。)
そしてそれぞれの1クラスの人数は少な目で我が子にはとても過ごしやすいだろうと感じた。

支援級に入る条件
障害の程度や親の意向のほかに、着替えなどの身支度とトイレが概ね一人でできることが条件となる。我が子はきれいな洋式トイレじゃないとできないので心配していたが、あとで見学したところピカピカに改装されており安堵した。ちなみに箸は壊滅的・鉛筆も正しく持てないが、スプーンとフォークで食べてる子もいるのでそこは問題ないとのこと。鉛筆はおいおい…、という話になった。

「交流級」がある
支援級の子は普通級にも一応籍を置く形になり、交流級と呼ばれる。国語や算数は支援級で個別授業を受け、生活や体育などは交流級で受けるという子が多いらしい。1日のどの程度を交流級で過ごすかは比較的自由に決められるそうだ。

支援級から普通級に転籍もできる
交流級で問題なく過ごせる時間が増え勉強にもついていけるようになれば、学期や学年の変わり目に普通級への転籍も可能になる。過去に実績も複数件あるとのこと。
ただ、もしそれを希望するならば、支援級は学習進度が普通級に比べるとゆっくりなので塾に通うなどして各家庭で勉強のフォローができることを前提に考えてほしい、という話だった。

登下校の付き添いは必須
普通級の子供たちには分団(登校班)があり子供たちだけで集団登校する(下校はバラバラ)。けど支援級の子は基本的に保護者が登下校の付き添いをするルールになっている。高学年の比較的しっかりした女児は登校班の利用を認められることもあるが、低学年~中学年の子は親が毎朝教室まで連れていく仕組みだそう。下校は療育の送迎車が迎えに来ることも多いらしい。

PTAや地区委員について
PTAは免除になるのかなと思ったら免除対象外だった。ただ、全員が役員をする必要はなく、6年間やらないで終わる親のほうが多数とのこと。内容も年々簡素化されているからそこまで大変ということはないです…、と言われたがここは正直歯切れが悪いと感じた(教頭先生ごめんなさい)。地区委員(PTA管轄の町内役員)も免除対象外。ただ、登校班を利用しないという理由で、保護者全員が対象の旗振り当番は免除される。
子供会役員についても聞いてみると、学校とは無関係なので断言できないが、障害が理由で主な行事に参加できないのであれば多分免除になるんじゃないか、という話が聞けた。

知的級から情緒級には移れない

一連の説明を受けている間、私の横の我が子は見知らぬ人(教頭先生)と見知らぬ場所に対する緊張から石のように固まり、青ざめた顔で座っていた。持ってきたトミカで遊ぶ様子もない。
教頭先生は、
「お子さんの状況だとやはり普通級よりも支援級のほうが安心して過ごせると思いますので、支援級希望で進めましょう」
と私の意向を汲んでくれた上で、
「ただ、ここで問題になってくるのが、知的級と情緒級どちらがいいかということなんです」
と続けた。
うちの子は現在ぎりぎりで愛護手帳の対象だけど、今後もし検査の数値が上がって失効してしまった場合、知的級にはいられなくなるらしい(もちろん年齢が上がってほかの子の成長についていけず数値が下がる可能性も高い)。そうすると現在、名古屋市では知的級から情緒級への異動は認められていないため、強制的に普通級に転籍することになるのだそうだ。
一方、情緒級は知的の有無は関係なく、自閉症などの発達障害があれば在籍できるとのこと。
うちの子に普通級は負担が強いだろうと思うので、将来の安全を取って情緒級を希望することにした。

就学相談いきなり完了

「情緒級ですね。学校側としてもその方がいいと感じます。これで就学先はほぼ問題なく決定すると思います。あとはもしこのあともお時間があるなら実際の教室を見学しませんか?」
と言われ、是非見たいですと返事する。

療育センターの説明会では就学相談は複数回に渡って行われますということだったが、我が家は親と学校の意見が合致したからかこの1回で終了したようだ。見学して問題がなければ次は10月の就学時健康診断に来て下さいと言われる。
正式な通知書が届くのは来年の予定だが、もう情緒級で確定の安穏とした空気が漂う。
応接室を出て、我が子が無言で私の手を握りしめる。
 
次回、支援級見学編・就学相談について周囲から直接聞いた話編 に続く。(更新ゆっくりです。)

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