Separate Peaceの揺れ
新作「Separate Peace」が発表されてからおよそ3ヶ月。秋から年末にかけて、レコードレーベル(ピュアハート)の通販と新居昭乃さんのツアーライブのみでの販売に限られていましたが、今月一般販売(TowerやDisk Unionなど)が開始。それに合わせて、メモを残しておこうと思います。
「Separate Peace」は、初めて発表されるという意味で「新作」ですが、(購入された方はすでにご存知のように)実際作ったのは、もう20年以上前のことです。この作品において細かく書くつもりは(今のところ)ないですが、一つだけ少し今までと異なるのは、発表するつもりはなかった、ということです。「ちょっと別物」という意味で、Peaceというより、Separate Pieceだったのかもしれませんね。
絵や物語や歌って、大抵、意図的に作るものだと思われがちですが、なんか知らないけれど作ってしまう時って必ず来ます(いつか来るかわからないのが肝かもしれません)。
私の好きなアーティストって、どこか不器用なところがあるせいか、狙って作ってみては大きく外れたり、周りに対して無関心だとしか思えないようなぶっきらぼうさで暴走したりする傾向があるみたいです。名前をあげるとエンドレスになるので、ここでは控えておきますが、こういう作品って、やっぱりいつもどこか揺れているんですね、作り手の心が。そんな動きが無意識なレベルで音楽に染み込んでいるせいか、聴き手の心も揺さぶられる。解決がつかないからこそ付きまとう迷宮入り事件のように、どこか残る。
「Separate Peace」が果たしてそこまで残るかどうかはともかく、作っていた当時、様々な形で自分の中に静かな揺れが起きていたことは確かです。
Silent Wave
静かでも大きい揺れってありますよね。「Separate Peace」の曲を作り始めたのが、9.11の翌年だったということも決して偶然ではなく、アメリカ西海岸から東海岸に引越したのもちょうど同じ時期でした。元々、ニューヨーク生まれの自分にとって西から東へという動きには、移るというより戻るニュアンスが強かったです。不安の象徴ではなく、振り子のように揺れ、当てになるリズム。そんな揺れを通して新たな(今や20年前の話ですが)グルーヴが編み出されたのではないかと、思います。
bandcamp(購入方法/言語設定など)に関して:
https://note.com/regal_quince536/n/n66cded5e5500