夜明けのブギーポップ
この作品は、ブギーポップの6冊目で、ブギーポップが、
生まれた時の作品です。
伝えたいことが、あるので、引用させていただきます
読んでいない方は、
先に、読んでください
もしも神がこの世に存在するとしたら、それは未来にしかない
霧間誠一 (VSイマジネーター)
P163より
p173
ーー前略。
はじめてお便りします。先生の御本を愛読させていただいている者です。
実は先生に知っていただきたいことがあるのです。
私はもうすぐ死ぬでしょう。殺されるのです。
ーーああ、わかります。
先生はきっと私のことを被害妄想の患者か何かだとお考えになっていること
でしょう。
中略
先生はある本でおっしゃっていましたね。
「 君の孤独は、君の価値でもある。
君がひとりぼっちであればあるほど、
君は多くの人とつながることのできる才能を持っている 」
と。
中略
私は現在の社会の敵になってしまった。
これも予想されたことです。
それで、
最後にあたって先生にお礼を言おうと思ったのです。
もし先生の本を読まなければ、
私はきっと孤独のままで、
変に悟ったような気持ちのまま生きていたでしょう。
P187
これまでは、
なんでそんな優れた者たちが?
とか
思っていたが、
これは逆ではないのか。
中略
これは生存競争なのだ。
だからこそそこには容赦はなく、
新しい者たちはその片鱗を見せただけで殺されていく。
P194
実はすごい大物なのさ。
こう見えても私は社会の敵ナンバーワンなんだよ
P195
完全にうまくいくことなんかこの世にはないさ。
みんな、多かれ少なかれどこかで取り返しのつかない失敗を
しながら、
それでも生きているんだ
中略
しかし、その意志だけは残る
たとえそれがどんなに悪いことにしか見えなくても、
何かをしようとしたこと、
それに向かおうとした真剣な気持ち、
そういうものは必ず他の者たちの中に残る。
その者たちだって結局は途中かもしれない。
だがそのときは、
さらにその次に伝わる。
そしてー
だれにわかる?
その中の誰かは本当に世界の中心にたどりつくかも知れない・・・
p197
おじさんの次には、誰かがいるのかしら。
誰かが続いてくれると信じている?
と訊かれて、しかし男は、
・・・さあね
と苦笑を浮かべた。
本当は、
私は小説の方をよんでもらいたかったんだがね・・・・
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