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”妹さえいればいい。”「前編」

今回は小学館から出版されたライトノベルの”妹さえいればいい”の紹介と感想を書こうと思います。このラノベは全14巻とそこそこ長い分類に入るので、前編(1~7巻)と後編(8~14巻)に分けて書くつもりです。まずこの作品で勘違いしないでほしいのは妹は”いない”ということです。勘違いしないでください。(普通妹がいる前提で話がすすむと思うのが全うであるが…)


読んだきっかけ

読んだきっかけはこの作品のアニメです。高校生のときに友達から進められてみました。私は結構評価を気にするタイプであり、私はアマゾンプライムの評価で当時3.5くらいであったそのアニメを見る気になりませんでした。しかし、評価件数はこの手のアニメにしては多くついていました。それだけ賛否両論がある名作なのかもしれないと思った私は重い腰をあげてみることにしました。すると、コメディとして、物語性として面白いことを発見することができました。その友人には感謝です。その後、続きが気になった私は原作となったライトノベルに手を出すようになりました。

概要

聖地

東京都渋谷(スクランブル交差点等)

主要な登場人物

羽島伊月:妹ものばかりを書く小説家。ひねくれものだが根は素直。自身に妹がいないことを原動力に日々小説を書き続ける(締め切り間際に)。
可児那由多:伊月の小説が元で小説家となる。出版した小説は軒並みベストセラーとなる天才小説家。
不破春斗:容姿に恵まれ、安定した小説をかく職人タイプの小説家。作中では常識人である。
白川京:伊月と同じ大学に通ういやゆる”イマドキ”大学生。ひそかに伊月に好意を寄せている。

あらすじ

妹モノばかり書く小説家、羽島伊月がおくる日常の周辺には個性が強すぎる人物が集まる。そんな楽しく、また葛藤を抱えながらも日々を過ごすなかで繰り広げられる青年達の群像劇。

感想

まず初めに、注意点としてこの作品の挿絵は結構刺激的です。気を付けましょう。(でもR指定されておらず、地元の図書館に蔵書されてたりする…)

この作品は著者自身の人生を書かれているのか、小説家の生活がコメディを交えながら詳細に描かれています。新しい小説の打ち合わせやメディアミックス、レーベル、確定申告等、、一般人には知りえないような小説家の裏事情を知れます。

この小説が面白い理由として、登場人物各々になにか信念があり人間味あふれることです。主人公以外の登場人物である可児那由多がなぜ小説家となったのか、不破春斗が小説家としての葛藤を描いているのか、京の主人公にたいする想いなど、その登場人物の視点で描かれることが多く描写が丁寧で共感しやすく感じました。
特に、主人公、羽島伊月に関しては”妹”以外にも強い信念があります。それは、「物語の主人公になる」こと。一見すると幼稚な夢かもしれませんが、ライバルの春斗や後に入る新人小説家を鼓舞し、勇気づけています。また、読者の心の中に深く突き刺さるような言葉も残していると思います。
物語の内容についてはWikipediaなり実際に本を読んでもらう前提として私の心に残った作中の言葉についてピックアップしていこうと思います。

見ていろ世界。
僕がーーいや、俺が主人公だ。


小説家・羽島伊月はこうして生まれた。

”妹さえいればいい。”三巻:番外編 羽島伊月の誕生

羽島伊月が中学2年生の頃、家政婦の娘である三田洞彩音が家を訪れました。伊月の勧めたライトノベルを彼女に勧め、読んだ感想を交換していくうちに打ち解け、彼は彼女に好意を寄せていきます。しかし、彼は振られ、その挫折を胸に小説を書き続けていく最中にでた言葉です。
この言葉について解説していきます。中学生の羽島伊月は””という一人称を多用していました。ところが、大人になった伊月は””という一人称を使うようになりました。つまり、これは初恋が叶わず、主人公になり切れなかった””が挫折を経て小説家としての””に成長していることが読み取れる文となっています。この単純で短い文がこれからの人生の道筋を変える瞬間であることに気づき、かっこいいなと思いピックアップしました。


おわりに

後編をいずれ書きます。後編では読者が飽きないように以外な展開があります。気になった方はぜひ読んでみるといいと思います。

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