「106万円の壁」について解説
106万円の壁について、わかりやすく解説します。
収入によって所得税や社会保険への加入義務が発生します。
ここでいう社会保険とは、健康保険および厚生年金保険のことを指します。
106万円の壁とは
106万円の壁とは、社会保険に加入するかどうかの線引きとなる収入のことを指します。
健康保険および厚生年金に加入している労働者が51人以上の企業で働く場合、
週の所定労働時間が20時間以上
所定賃金が月額8.8万円以上
2か月を超える雇用の見込みがある
学生でない
上記の全てに該当する場合、社会保険に加入することになります。
この条件2の「所定賃金が月額8.8万円」の部分が、月8.8万円×12か月≒106万円となり、「106万の壁」と呼ばれます。
2024年度現在、全国平均の最低賃金は1055円なので、
88000円÷1055円=83.412… となり、月84時間程度働くと106万円の壁を越えてしまいます。
なお、前置きとなった「被保険者(健康保険および厚生年金に加入している労働者)が51人以上の企業で働く場合」という部分は、
平成28年10月~ 501人
令和4年10月~ 101人
令和6年10月~ 51人
と、段階的に引き下げられており、いずれは撤廃されることも予想されます。
106万円の壁を超えると、社会保険料(健康保険料と厚生年金保険料)の負担が発生(給与から天引き)されるようになります。
いずれも保険料は会社と折半とはなりますが、106万円を超えなければゼロだった社会保険料が発生することで、収入(時給×労働時間分)に対しての手取り額が減少してしまいます。
そのため、働き控えに繋がっていると問題視されています。
なお、健康保険料は加入する健康保険組合により金額は異なるため、勤め先により異なります。
106万円の壁を超えた場合の具体的な負担額の一例
仮に東京都在住で、月額8.8万円で106万の壁を超えて協会けんぽに加入した場合、月額として
健康保険料 4391円(40歳未満)または5095円(40歳以上)
厚生年金保険料 8052円
合計の12443円(40歳未満)の負担が毎月発生することになります。
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