イヤホンを取り、屁と向き合え。(10月8日の日記)
他人と比べて屁が出やすい体質だと思う。
腸が活発に動いているのか、ご飯を食べる時に空気を一緒に飲み込みすぎているのか、代謝がいいのか…。理由はどうであれしょっちゅう屁をこくのに変わりはない。
屁をこくときは何時だって、真剣だ。音が出ないように全身の神経を下腹部に集中させ、尻の片割れを少し浮かせ、肛門に悟らせないようにガスを出す。いつもこうやって屁と戦ってきた。
しかし最近になって革命が起きた。イヤホンの登場である。
これが何を意味するのかと言うと、「もし屁をこく際に音が出たとしても、こいた本人は本人はその音に気づかない。」ということである。要するに「こき逃げ」ができるようになったのだ。もう屁の音で一喜一憂する必要などない。そう思っていた。
今日、帰り道で急に屁をこきたくなった。そこは駅のホームで、人もほとんどいなかった。私がここで屁をこいたとして、誰が迷惑を被るだろうか。もし、音が出たとしても私はイヤホンを付けているため、恥ずかしい気持ちをしなくても良い。私は下腹部に力を入れ始めた。
それと同時にイヤホンを外した。
やはり音の出ないリスクのない屁など、こくに値しない。いつも通り神経を集中して、音の出ないように細心の注意を払い、腸に溜まったガスを放出する。音は出なかった。私の勝ちだ。
この経験を通して1つ学んだことがある。「屁をこく」とは自分との戦いだ。他人に気を使うために音を出さないようにする以前に、己のプライドを守るために人は屁をすかすのだ。
なぜ私がこんなくだらないことを書いているのかと言うと、今日は何も起こらない至って平凡な1日だったからである。