【ジャズは多種多様①】誕生からモダンジャズまで 反骨精神と解放への憧れ
ジャズが誕生するのは1900年代初頭のアメリカニューオリンズと言うのが定説だ。それまでのクラシック音楽との決定的な違いは即興演奏にある。ジャズの歴史はここ百年ちょっとなのだが、この間に急激に進化していく。ジャズのジャンルは時代の変遷とともに新種が生まれてくるが、それ以前のジャンルも取って代わられるのではなく、廃れずに残っていく。
〇1910代 「デキシーランドジャズ」
ジャズはここからスタートする。当時まだまだ差別が蔓延る黒人コミュニティで、マーチングバンドのようなビッグバンドスタイルで、ラグタイムやブルースを取り込んだ、集団即興演奏楽団として台頭。
トランペット(コルネット)やトロンボーン、クラリネットが活躍。
ニューオリンズの歓楽街閉鎖に伴い、演奏者はシカゴへと移る。
〇1930代 「スイングジャズ」
世界大恐慌によりアメリカは癒しを求め、ラジオやレコードの普及もあり、ビッグバンドによるダンスミュージック、スイングジャズが大流行。
ベイシー、エリントン、ベニーグッドマン、グレンミラー等が人気。
ラジオ、レコード等の時間制限のため、アドリブよりアンサンブルが重視。
〇1940年代後半 モダンジャズの時代 ビバップの誕生
スイングジャズに物足りなさを感じたミュージシャン達は、コード進行に沿った複雑なアドリブを追求するようになる。このビバップの登場で、ジャズは大衆音楽から芸術へと進化したと評する面もある。チャリーパーカーやディジーガレスビーがセッションで生み出したとされる。
この後、白人寄りでメロディアスなクールジャズ(しかし創始者はマイルスデイビス)、その傾向の音楽で西海岸で流行ったウエストコーストジャズ、それを軟弱とする黒人中心で東海岸で発生したハードバップなど多様化。
この辺のジャンル分けは諸説あり、有名な演奏者も一気に増えるので、マイルスとコルトレーンだけ挙げておく。
また、ジャズは世界に広がり、ラテンジャズ アフロキューバン、ブラジリアンジャズなどラテンのリズムも取り込んだ。
またラテン系だけでなく、ファンクやソウルとも結びつく。
〇1950年代後半 モードジャズ
1959年にマイルスの「カインドオブブルー」がリリースされる。コード進行にとらわれない、コードがあまり変わらないバッキングに乗せてより自由に即興演奏するスタイルが登場。これによりコード進行からの脱却を図る。
〇1960年代半ば フリージャズ
そしてとうとう旋法(モード)や調性までも気にしないフリージャズなるものも出てくる。絶叫ホーンやピアノの拳引きとか演奏方法も凄い。
お洒落なレストランでは流せない音楽だと個人的には思う。
オーネットコールマンが有名だが、私はあまり聞いていない。
この辺りまでがモダンジャズと言われている。
(ジャンルの定義は諸説あり、フリーはモダンジャズではないという説も)
特にモダンジャズは、常に今までの踏襲に飽き足らず、新たなメソッドを探り続けていて、反骨精神に満ち、自由や解放への憧れを感じる。
【REG's Diary たぶれ落窪草紙 2月16日(金)】