日本の古来からの食べ物 おにぎり
日本古来からの食べ物とはまどろっこしい表現だが、個人的には和食というとどうも懐石料理など手の込んだものをイメージしてしまうのでこんな風に書いてみた。今日のテーマはおにぎりについて。和食ではあるがざっかけない家庭の食べ物だ。
古来から日本人の胃袋を支えてきた伝統ある食べ物でもある。今や世界に発信され、健康食ブームも伴って地球上を席巻するに違いない。空前の海外からの旅行者たちも周知に一役買ってくれると思われる。おにぎり専門店は世界中に展開を始めた。
能登半島の弥生時代の遺跡から人の指の痕が残る炭化した握り飯が発見されている。稲作が伝わると日本人はもうチマキのようなおにぎりを頬張っていた模様。奈良時代に成立した常陸国風土記には「握飯」が文献に初出している。平安時代には頓食(とんじき)という蒸したもち米の大型の握り飯があった。鎌倉時代には梅干し入りのものも登場し、戦場における携行食としても広まった。海苔を巻いた現在のような形状のおにぎりは江戸中期にはあったようだ。
昭和の初期のおやつは味噌を塗ったおにぎりを食べていたと聞いたことがある。遠足のお昼は母親のおにぎりが定番だった。登山時に山頂で食べるおにぎりと水筒のお水は、渇いた体にパワーを満たしてくれた。海辺やキャンプの時もBBQのお供におにぎりはいつも控えていてくれた。やはり携行食としての役割は今でも変わりない。
いつしかコンビニが世に溢れ、ここでもおにぎりは存在感を発揮する。初めてツナマヨのおにぎりを食べた時は衝撃だった。忙しいランチにはカップ麺とおにぎりとサラダで充分だった。
単純な食べ物だが中身もいろいろバラエティに富んでいるし、焼きおにぎりにねぎ味噌、炊き込みご飯のおにぎりなんかもたまらんな。おにぎりに出汁をかけてお茶漬けにする手もある。
やはりお米の美味しさとご飯のお供を内包している機能性、携行性は古来から歴史を重ねてきた結果であり、日本人には欠かすことができない食べ物として現在までしっかり継承されてきた。
私は炊き立てのご飯にスジコを入れて溶けだしたおにぎりが大好きだ。
【REG's Diary たぶれ落窪草紙 8月2日(金)】