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初の入院が食道がん除去だった話
若い頃は病院には疎遠であった。入院したこともなく、点滴がどのようなものかさえ知らなかった。それでも年を取るにつれて血圧も高くなり、肝臓の数値(γGTP)も高くなってきたので、薬は処方されるようになった。
そんな私に例年の人間ドッグで初期の食道がんが発見される。医者から診断を受けた時も何かピンとこなかった。あまりショックを受けた覚えもない。寧ろ家族友人等、周囲の反応の方が大きかった。担当医の紹介により大病院で内視鏡によるがんの除去手術をすることが決まった。初めての入院である。
不安だったのは全身麻酔、中には目覚めることのないケースもあると聞いて一応覚悟はする。今までの日常ではありえないことで、生まれて初めて死ぬかもしれないと思った。病院側は様々な起こり得るケースを大袈裟に伝えるのだが、手術など初めての私は素直に受け止めるしかない。
入院当日は良い心持ちではないが、逃げも隠れもできない状況なので、まな板の鯉さながら大人しくするしかない、というか他に選択肢はない。
全身麻酔とは恐ろしいもので一瞬で落ちた。当然のことだろうが、気を失った後のことは全く覚えていない。気が付いた時にはすべて手術が終わり、入院病棟に戻っていた。
手術とはいえ、内視鏡で食道のがん細胞を削り取るものなので、体にそれほどダメージはない。痛みもそれほど感じることはなかった。食事は制限があり、おもゆ、おかゆ、それから徐々に米を感じられるものなっていく。
トイレも自分で行けるので、さほど入院生活に思想は無く一週間程度で退院となった。
食道がんには身に覚えがあった。前にも書いたのだが、毎晩のように焼酎を原液のまま流し込んで寝る生活が長かったので、納得の結果である。この後お酒の量は減るのだが、二年後にまた同じ手術を受けることになるので、学習成果のないダメな人間であることは認めるが、これまで自分の体にたいへんな負荷とストレスを与えてきた事を顧みるきっかけにもなった。
この後、五年間で五回の入退院を繰り返すことになるだが。
【REG's Diary たぶれ落窪草紙 2月1日(木)】