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いまさらなので、コッソリと3分で、おさらい【建設業と運送業の2024年問題】

建設業と運送業の2024年問題とは?

2024年4月1日から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されました。
この規制は、2019年から順次適用されてきた「働き方改革関連法」の一環であり、建設業と運送業に大きな影響を与えることが予想されています。
この法律は、長時間労働の是正や労働環境の改善を目的としており、特に建設業と運送業に大きな影響を与えることが予想されています。

従業員については、負担軽減というメリットがありますが、企業サイドの経営層にとっては、業務改善や人材確保が急務となる等、短期的なデメリットがあると言われています。
結果として、その対応に追われて現場が混乱する、負担が増える可能性がありますが、それでも残業が制限されているため、会社一丸となって、様々な課題の解決を目指して、各社に大きな業務改革が求められています。

何が起こると言われて、何が起きたのか?

2024年問題の要因は複数ありますが、主要部分を中心に説明していきます。

  1. 時間外労働の上限規制:罰則付きで月45時間、年360時間の上限が設けられます。

  2. 特別条項を適用しても、年720時間以内、月100時間未満、2~6ヶ月の平均が月80時間以内という厳しい制限があります。

  3. 中小企業割増賃金率の引き上げ:月60時間を超える時間外労働に対する割増率が25%から50%に引き上げられます。

建設業界の対応と課題

建設業界では、以下のような対応策が取られています。

  1. 労働時間の短縮:効率的な作業計画やIT技術の導入により、労働時間の短縮を図っています。例えば、建設現場での作業を効率化するために、ドローンや3Dモデルを活用しています。その他にも、各社DX化を目指して新たなシステムを導入したり、各IT企業が提供するアプリやICTツールを導入したり、また外部委託先を増やすなどの対応があります。

  2. 人材確保と育成:転職市場は活発ですが、以前として売り手市場なので、各社とも採用に力を入れています。それでも一部の企業を除いては、人事採用に苦戦している企業が多いと感じます。正社員採用ができない、間に合わない等の理由により、派遣社員や契約社員に頼る事で一時的には解決出来てたとしても、長期的な人材不足の解消には繋がらないケースもあります。また、会社よっては、外国人労働者の受け入れや、若手の育成プログラムを強化しています。特に、技能実習制度を活用して、外国人労働者の技術向上を図っている業種もあります。

  3. 労働環境の改善:働きやすい環境を整えるための福利厚生の充実や、現場の安全対策を強化しています。例えば、現場での安全教育を徹底し、労働者の健康管理を行っています。

  4. 作業の効率化:プレハブ工法やモジュール工法の導入により、現場での作業時間を短縮し、効率化を図っています。

  5. 技術革新の推進:新しい建設技術や材料の導入により、作業の効率化と品質向上を目指しています。例えば、高性能な建設機械や環境に優しい建材の使用が進められています。

しかし、それでも建設業界が直面している主な困難は以下の通りです。

  1. 慢性的な人手不足:従業員の高齢化は進み続け、少子高齢化により、若手労働者の確保が難しくなっています。特に、現場作業員の高齢化が進んでおり、若手の育成が急務ですが、一般的な建設業界は、不人気な傾向が続いています。

  2. 相次ぐコスト増加:資材や光熱費、家賃などなど、あらゆる物の値段が上がり続けています。そして、時間外労働の制限や割増賃金率の引き上げにより、人件費が増大しています。これにより、結果として建設コストが上昇し、利益率が低下する可能性があります。

  3. 長時間労働の是正:他の業界に比べてIT化が遅れており、DX化の波が来ても、未だに非効率な働き方が目立つ業界だと言われている建設業界。また、長時間労働が常態化していたため、業務改革を強行しないと、新しい規制に適応するのが難しい状況です。特に、工期の短縮が求められるプロジェクトでは、労働時間の管理が課題となっています。

運送業界の対応と課題

運送業界も同様に、2024年問題に直面しています。特にトラックドライバーの労働時間に関する規制が厳しくなり、以下のような影響が予想されています。

  1. 労働時間の上限規制:トラックドライバーの年間の時間外労働時間が960時間に制限されます。これにより、一人当たりの走行距離が短くなり、長距離輸送が難しくなる可能性があります。

  2. 人手不足:ドライバー不足が深刻化し、特に長距離輸送において人材確保が難しくなります。これにより、配送の遅延や運送コストの増加が懸念されています。

  3. コスト増加:労働時間の制限により、運送コストが増加し、運賃の値上げが避けられない状況です。これにより、消費者への影響も考えられます。

  4. 効率的な運行管理:IT技術を活用して、配送ルートの最適化や運行管理の効率化を図っています。例えば、GPSを活用したリアルタイムの運行管理システムを導入しています。

  5. 労働環境の改善:ドライバーの労働環境を改善するために、休憩施設の整備や福利厚生の充実を図っています。例えば、長距離輸送の際には、適切な休憩を取るための施設を提供しています。

建設業と運送業の相互影響

建設業と運送業は密接に関連しており、運送業界の問題は建設業界にも影響を及ぼします。
例えば、建設資材の運搬が遅れることで工期が延びる可能性があります。
また、運送コストの増加は建設コストの増加にもつながります。

一般的な対応事例として

  1. 建設現場の効率化:ある建設会社では、ドローンを活用して現場の進捗状況をリアルタイムで把握し、作業の効率化を図っています。これにより、労働時間の短縮とコスト削減を実現しています。他にも、今までは電話やファックスを使用していた連絡ツールを、効率的なチャットアプリに切り替えたり、生産性を高める為にシステムやルールを変えたりと、非効率な働き方からの脱却を各社試行錯誤しています。

  2. 運送業界のIT導入:ある運送会社では、配送ルートの最適化を図るためにAIを導入しました。これにより、リアルタイムでの運行管理と、渋滞予測によって生産性を高めて、ドライバーの負担を軽減し、労働時間を削減し、効率的な配送を実現しています。

課題と今後の展望

建設業界と運送業界が抱える課題は多岐にわたりますが、特に以下の点が重要です。

  1. 生産性の向上:IT技術や自動化の導入により、生産性を向上させることが求められます。例えば、建設現場でのロボットの導入や、運送業界での自動運転技術の活用が考えられます。

  2. 労働環境の改善:働きやすい環境を整えることで、労働者の定着率を高める必要があります。例えば、フレックスタイム制度の導入や、リモートワークの推進が考えられます。

  3. 持続可能な人材確保:若手社員が長く働き続けられる環境の整備、異業種からの転職組でも活躍できる学習カリキュラムの提供、事業のコアとなる業務に関しては、派遣社員や契約社員に頼らず正社員雇用を重視することで長期的な人材リソースの確保を目指す、あとは、外国人労働者の受け入れや若手の育成を通じて、持続可能な人材確保を目指すことが重要です。例えば、技能実習制度の拡充や、職業訓練プログラムの強化などが考えられます。

建設業界と運送業界は、これらの課題に対応しながら、持続可能な成長を目指していく必要があります。
2024年問題を乗り越えるためには、業界全体での協力と革新が不可欠です。

ここまでが、2024年問題の簡単な、おさらいとなります。

とは言え、何を優先したいのか、優先出来るのかは、各企業次第です。
無理な働き方を強要できないことは、社員的にはメリットです。
ただ、経営者からすれば、利益があってこそ従業員に還元できるわけですから、ジレンマに陥ることもあるかと思います。

とてもとても難しい問題ですが、企業として、個人として、どうやって働き方を変えて、利益を出していくのか、これに関して真摯に向き合う事は、長期的にはプラスに働くと考えています。

また、経営層の皆様については、長期的な視点を持って、全社一丸となって取り組むべき課題であり、これは必ず従業員の皆様、ご家族を含めての長期的な幸せに繋がる事ですから、是非、ここは徹底的に挑戦していただきたいと切に願います。

以上、建設業界を応援するホームページ[建設のススメ]の管理者としては、読者の皆様と、少しでも、この想いと考えを共有できれば幸いです

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