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「極薄切り干し」に第2の勢力が登場。そして、新たな大根が仲間入り。
黄色い人参
近所の農家スタンドで見つけた
通常のニンジンサイズの真っ黄色の人参。
オレンジ以外の人参があることは知っていました。
それはオシャレな店のバーニャカウダに添えられたり
フランス料理の添え物としての
細長くミニサイズのエモい人参だけで、
まさか、オレンジのニンジンサイズでも
鮮やかな真っ黄色の品種があるなんて想像もしてない衝撃です。
ニンジンの切り干しはあまり聞いたことがないし、
切り干した人参がおいしいとは限らない。
フリーズドライはよく見かけるけども、
そもそも大根と同じやり方で、同じようにできるんかい?
ふと不安がよぎりはするけど、
そんなものは未知の期待値の前では霧と同じ。
「やってやれないことはない!」
大根の超薄切り干しと同じように
皮の部分も切り干そうとしましたが、人参の皮は繊維が短いらしく
竹串に通そうとするとパリッと割れてしまって使い物になりません。
しかし、一皮剥いた内側はしっとりときめ細かい肉質で
大根よりも滑らかに、素直に竹串に通ります。
さすがに芯の部分はしっとりとはいかず、
多少の硬さがあるものの、それでも大根の皮に近い硬さで安定しています。
干してみると、鮮やかな黄色の短冊が太陽の日差しを浴びて
ほんのり透け感を持って風に揺れるはなかなか美しい。
大根は肉よりも優先
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黄色人参の干し上がりを楽しみにしながら
いつものスーパーに週末の買い出しに出かけると、
入り口側に地方の野菜をディスプレイした特設コーナーができていました。
コロナの影響で、地方の農家さんを支援するプロジェクトの一環で
スーパーでは主に東北の野菜が並べられていました。
いつもながら変わった野菜が大好きな私は吸い寄せられるように
その棚へ向かうのですが、そこで見慣れないものを見つけます。
丸っこくて緑色のそれは「紅芯大根」。
これまで丸大根は抱えるサイズの
「聖護院大根」や「桜島大根」を知っていましたが
手に乗るサイズの丸大根は初めてです。
大根なのに、緑色。しかも名前が「紅芯」とは?
名前に「紅」が入っているから内側は赤っぽいのかな?
芯が紅だろうが、そうでなかろうが、
とりあえず「大根」ならば買わないわけにはいきません。
このサイズで500円近いというのはちょっと罪悪感があるけれど、
そこは好奇心に勝てない。
しかも「大根」である以上「切り干し」にしないわけにはいかない。
もはや、「やらねばならぬ!」の使命感。
更に隣にはこれも見たことがない赤い「紅大根」が!
これもそこそこ良いお値段!だけどもぉ….。買います!
今夜の鶏の唐揚げ、はもも肉はやめて胸肉で我慢だ。
バーニャカウダでは定番のやつだった
自宅に帰ってネットで検索すると
紅芯大根と紅くるりは当時出回り出した品種で、
まだメジャーとは言い難く、おしゃれな洋食店か
当時流行り始めていたバーニャカウダに数切れ添えられる
ちょっと高級な野菜だとわかりました。
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どちらも、火を通すより
主に色を楽しむために生色でサラダか、
ピクルスや漬物として楽しむ大根のようです。
私が作りたいのはそのどちらでもない
切干しなんですが。😊
干してみると紅芯大根と紅くるりはどちらも同じ
紅く仕上がりましたが、
色は紅くるりの方が濃く鮮やかに干し上がりました。
黄色人参も更に色がはっきりして、
葉との境目の緑の部分を残したので
この緑がいい味出してる!
切干してみると、大根よりにんじんの方が
ほの甘くてそのままでも美味しい。
扱いという意味でも、大根より水分が少ない分いい感じ。
ただ、干し上がりはちょっと硬い。
でもにんじん、すごいな。
白色大根と紫大根の切り干しと並べてみると、
おいしそうより、キレイ😍。
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普通すぎて画像を撮ってなかった普通のニンジンも加えて
細かく切って合わせると、
小花のようで更にかわいい!エモい!
人参の緑がいいアクセントになっています!
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ここまでカワイイと、どう食べたらいいだろう。
作ったはいいものの、食べ方までは考えていなかった。
小腹も空いたので、卵雑炊でも作ろっか。
白飯は冷凍しているので、これを解凍して
鶏ガラスープベース、お酒と塩で味を整えたシンプルなお粥を作り、
溶き卵を回し入れる。
そこに先に刻んだネギをちらし、
切干しをパラパラ。……..もう、カワイイっ!
切干しは水分を含んですぐ食べられるけど、
水分を含んでも膨らみません。
食感はたくあんをかじった時の音が「大きなぽりぽり」だとすれば、
水分を含んだ切干しは「小さなぽりぽり」という感じで
人参は味がはっきりしているけれど、
大根はそこまでもなく、時々噛む食感がちょっと面白い。
つまり、味は卵粥で、
目と食感が美味しい。
そんな不思議なものになりました。
これはこれでかなり満足。
新章は有給休暇と共に
思いがけず、エモいものを作り出してしまった私。
しかし、満足するより新しい好奇心に囚われるようになりました。
大根とは、白、紫、紅色しかないのか?
人参は、黄色とオレンジしかないのか?
この答えを出すには、あの場所に行ってみるしかない。
一つ前の東京の台所。築地市場に。