米糠リカバーは米糠がすごいわけじゃない。大切なのは微生物のチームプレー。
米糠リカバーは肥料目的ではなく、微生物の活性が目的
最初の段階で虫が死滅する
米糠リカバーでは、
土に混ぜ込んだ米糠を主にカルスに含まれる麹菌が
米糠を食べることで活性化し、急激に増殖します。
麹菌が活性化する過程で、発熱と、大量のバイオガスを排出します。
土の中でいわゆる”発酵”するんです。
この発熱とバイオガスの発生で、土の温度が上がることで、
土の中の水分の大半が蒸発します。
土の中の昆虫はこの熱とバイオガス、強烈な湿気と
その後の乾燥に耐えることができずに死滅します。
まるんころんのダニーでさえ
この温度の上昇と湿度の変化に耐えることはできません。
”ぼかし”を作っているだけじゃないのか?いえ、カビも発生しません。
発酵の効果で土の中の虫がいなくなりますが、
カビが発生する可能性は残るように思います。
しかし、リフォレスターでは青カビやきのこ菌はほぼ発生しません。
実験で青黴が発生したのは柑橘を入れた時だけですが、
結果的に青黴は繁殖することなく消えてゆきました。
理由は、
リフォレスターの土にはカビ菌やキノコ菌の住処がなくなってしまうから。
繁殖するために注目するのは土の中の”インフラ”環境。
何回か前にリフォレスターの土の環境は微生物にとっての
食と住まいと移動するために必要な生活インフラが整っていると書いたのですが、
裏を返せば、カビ菌やキノコ菌にとってはその生活インフラが整っていない
ということになります。
カビ菌やきのこ菌にとってのインフラとは、植物の細胞や繊維質、
動物性の細胞壁で、柔らかい部分は食べ物で、
硬い部分は移動のための足がかりや繁殖するための棲家のようなものですが、リフォレスターではたまごの殻以外の動物性のものは入れませんので、
そもそも動物性のものはありません。
たまごの白身には硬い繊維質はないので、そのまま微生物の餌になります。
たまごの殻にしても、カビ菌やキノコ菌は食料のある硬い場所にしか付かないので、カルシウムの塊など論外で、
人間で言えば、コンクリートの壁が目の前にあったとして、
その壁だけあっても、ご飯が食べられるわけでもなければ、
雨露を凌げるわけでもない。そんな感じです。
食べ物がないって言ったて「いやいや、米糠入れてるじゃない。」
確かに米糠を入れていますし、
リカバー前には直前まで栽培していた植物の根っこだって
結構入っています。
つまり、カビ菌やキノコ菌は食料はあるんです。
でも繁殖できないその理由は、
足掛かりとなる植物繊維を膨大な数の麹菌を含むカルスの微生物たちが
ものすごい勢いで片っ端から食べてしまうので、
結果的にカビ菌やキノコ菌は、食料も、足場も棲家もなくし、
死滅してしまう。
これが米糠リカバーのカラクリです。
鶏糞入れる意味あるの?
ここで疑問があるとすれば、鶏糞ペレットの必然性です。
確かに、鶏糞ペレットに含まれる微生物は植物の繊維を食べはしません。
どちらかと言えば、生きている細胞を食べるので、
そういう意味ではカルスの微生物と競合してしまいます。
しかし、鶏糞の微生物が重要な役割を果たすのは、
リフォレスターの中の食べ物が無くなる頃なんですね。
カルスの微生物は植物繊維に対してはチートな能力を発揮しますが、
正直に言って”弱い”部類の微生物のようです。
その証拠に短時間に増えることは増えますが、餌が足りなくなったり、
野生の微生物に対しては目に見えて弱くなる。
米糠リカバーで一気に活性化して数を増やしたカルスの微生物は、
ある程度増えすぎると今度はどんどん減ってしまいます。
減るということは微細な微生物の死骸が出るということなのですが、
この死骸を鶏糞に含まれる微生物が食べてくれる。
鶏糞微生物にとって植物の繊維は食料ではなく、
土の中にあっても、インフラにはならないので
カルスの食料を侵すことはありませんし、
本来は微生物の死骸は主食ではないけれど、食べるものがなきゃ食べる。
そうして、大きな波が凪ぐように、
お互いの微生物が最適な数に落ち着き、
その後は投入する野菜くずを
最適なバランスを保ちながら分解し共存するようになるんです。
別々に単体実験しましたが、単体でも、野菜くずの分解はできますが
分解までの時間は長くなりますし、
長くなれば、野菜くずが分解される前に腐り始めてしまいます。
この結果から、米糠リカバー時には米糠と、鶏糞ペレットは必須で入れる。
というのがリフォレスターを快適に使い続ける方法ということになります。
リカバー時にカルスは入れないの?
リカバー時にカルスは入れないのかについては、
次回書かせていただきますね。
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