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大根が白いなんて誰が言った?今では定番だけど...

試せるものはなんでも試したいver.1.0


真っ白な大根の切り干し作りにハマったとはいえ
当時はまだコロナ禍1年目の冬。
そうは気安く外出できる環境ではありません。
幸い近所には農家さんの産直スタンドが数箇所あり、
ほとんどの大根はここで購入していました。

農家さんによっては青首大根だけでなく、
三浦系や聖護院大根、桜島大根、のほか、聖護院かぶ、
上半分が紫色のあやめかぶなどを販売している方もいて、
せっかくなので全種類でも超薄切り干しを作ってみました。

聖護院大根、桜島大根は大きすぎて扱いが難しく、
干すと苦味が立ってくるので、同じ白く仕上がっても切干しには向かない。
結局定番の煮物が美味しい。

カブ類は乾燥させると独特の臭みがあって、
食べれはするけれど食欲が湧くようなものにはなりませんでいた。
それに、乾き方も遅くて扱いも難しく、
結局、漬物やサラダ、煮物の方が向いていました。

そうそう、ラディッシュもやってみましたけど、
干す前に手を怪我する方が多くてやめました。

そんなある日、野菜スタンドの中に見慣れない野菜を発見します。

大根は白とは限らない

全長30センチくらいで丸々と太ったその大根は
上半分が青みがかった紫、下半分が赤みがかった紫色の…大根?

 紫大根

元来新し物、珍しい野菜が好きな私。
子供達が学生の時には、白、黄色、赤、紫のじゃがいもが売っていれば
必ず購入してカラフルジャガイモのホワイトシチューを作る。
外出先で地方の野菜や外国野菜を見つければ可能な限り買ってくる。
我が家の冬の風物詩、さつまいもの塩芋けんぴも
あれば当然白、黄色、紫が定番になるくらい。

なので、この見たこともない色の野菜を買わないわけがない!
調べてみると、今ではスーパーにも並ぶようになった紫大根で、
当時は珍しいものでした。
少なくとも私は見かけたことがなかったし、
スーパーで見かけることもありませんでした。

後にわかったことですが、
芯まで紫の種類と皮と中芯だけが紫色の2種類があり、
近所の農家さんが作られていたのは
皮と芯だけが紫色の大根でした。

中まで紫でなかったのは残念だけれど、
皮部分だけでも色があり、内側にもうっすら色があるなら
作らない理由がない。
切り干しを!

せっかくなので、
吊るし干しだけじゃなく、
細く千切りにして平干しにもしてみると
色の薄い部分も多少発色して思いのほか良い。

いろいろ干してみた

いろんな形に切ってみる

長いままでは食べづらいのはわかっているので、
細かく切ったり、型で抜いたりしてみると
これもまたカワイイ。
発色が鮮やかな皮に近い部分は
ただ干しただけとは思えない、美しさ。

色の濃い部分だけ集める

写真では表現できない、上品な藍がかった紫色で
思わず見惚れてしまいます。

新たな出会いの予感

翌週もまた紫大根を買いに野菜スタンドへ向かいましたが、
この日はすでに売り切れていて、
期待度高めのワクワク気分だっただけに、
失望感と絶望感は大きく
傷心のまま別の農家さんの産直へ足を向けます。

次の農家さんは、リタイアされた地主さんの趣味農園。
と言っても家庭菜園とは比較にならない広さの畑で
そんなに珍しいお野菜を栽培する方ではなかったんですが
その日スタンドに置かれていたのは
バーニャカウダの端っこにあるような細くて小さいものではなく
通常のニンジンと同じサイズのまっ黄色のニンジンでした。

鼻の穴から吹き出す熱い鼻息。
紅さす頬に逆立つ髪(いや、立ってませんて)。

「これ!切干しにいけるんじゃない!?」

ニンジンだけどね…


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