ベランダで野菜栽培に失敗した人こそ試してもらいたい、リフォレスター(その2)。
リフォレスターと名付ける前の話。
不毛の地「ベランダ」
我が家のベランダは柵の吹きさらしではなく蹴上がりのある
箱型ベランダで風は強く乾燥しがちで、
そのくせ天気が悪くなると途端に湿気が溜まりやすくなり、
真冬は極寒、真夏は灼熱、日当たりは午前中だけのわりに
夏至の前後はベランダに全く日が当たらない。
そんな環境で、生き続けている植物は2本の山椒の木だけで、
その山椒さえ、真夏と真冬の2回葉を落とし、
毎年今年は枯れるんじゃないかと心配する。そんな有様でした。
それでも緑が恋しくて、
鉢植えの花を買ったり、野菜の苗を買って、土も工夫して
こそちこそはと育ててみるものの、
日中仕事で家を空けているので、1日、2日水やりを忘れてしまったり、
予想外に気温が上がったりすると途端に株が弱って
花が咲き終わるまで、実がなる前に植物が枯れてしまう。
そんな日々を送っていました。
最初は野菜くずをどうにかして資源化したかった。
そこからリフォレスターに辿り着くまでには
人生の転機、ベランダの環境の見直しや
結構なストーリーがあり、どうしても長い話になってしまうので
それは別の機会に書かせていただくとして。
リフォレスターにつながる最大のものが、切り干し大根の制作です。
突拍子もなく、その上ここも長くなるのでいずれ書きますが、
切干大根の制作から様々な色の大根、にんじんでの切干しの作成にハマり、
最終的に、1秒で食べられる切干し野菜を製作するまでになります。
(Youtubeで「切干しプロジェクト」という名前でちょっとだけ公開しています。)
当初は1秒で食べられる切干し野菜「華切干し(花切干し)」を作る際に
どうしても出てしまう
茎の付け根や先の部分、
種類によって繊維が硬くて食べにくい皮の部分がたくさん出てしまい、
これらをただ捨てるのではなくをどうにかして何かの資源にできないか。
そうすれば、1本の大根も、切干し、サラダ、資源と余すとこなく
使いきれるのではないかと、日々悩んでいました。
まず考えたのはコンポストですが、
ベランダーにとってコンポストは問題が山積みです。
ベランダでコンポストの継続が実際の問題としては不可能に近いのは、
臭いや虫の管理が大変なことと、
作った肥料の仕上がりで、正解の状態がわかりにくいこと、
そしてその肥料を活かせる場所がないところにありました。
次に目をつけたのがキエーロですが、キエーロには黒土が必要なのだとか。
ベランダにこれ以上土は増やしたくない。
一方、ベランダで植物が育ちにくい原因は
土ではなく、環境や肥料にあると私も長年考えてきました。
そして、良い土を作るにはみみずやダンゴムシといった
昆虫や生き物の力を「必ず」借りる必要があると思い込んでもいました。
常識を疑え
「現時点で、少なくともベランダでの再生関連で参考になる方法はない。」
そう判断した私は、「そもそも」を見直すことにします。
コンポストで問題になるのは腐った臭いと虫。
腐った臭いはどこから出るのか?
→エチレンガスとか、野菜そのものが腐るから。
何で腐るのか?
→水抜けが悪いから。乾燥させれば臭いはほぼ出ない。
虫は何で発生するのか?
→腐った臭いに寄ってくるから。
腐りかけの野菜は幼虫の良い住処だから。
「そもそも、
野菜を腐らせることは肥料を作る工程として正しいのだろうか?」
その昔、自身で畑を借りていた時、当時のつれあいが
大きな緑のコンポストを置いていて、
腐敗臭と昆虫の発生でご近所に迷惑をかけていて、
やめてほしいと何度も頼んだという経験がありました。
その時もこの違和感は感じていたけれど、
腐ったものは土に溶けやすくなっているだけで、
正しい肥料と呼べるのだろうか?
昆虫も分解者というけれど、ただのえさやりになっていないだろうかと。
電動のコンポスターでは速乾とEM菌で肥料化させる方式が
確立されているようだけれど….。
それは結局何用の何肥料なんだろう?
迷ったら原点に戻れ、それが推理の鉄則
そう、ミステリー好きの鉄則。迷ったら原点に戻れ。
疑問が浮べば、それは何でもミステリー。
ミステリーなら謎の全ての原点に立ち返る必要があります。
畑、コンポスト、キエーロ、ベランダ菜園。
全ての原点とはどこなのか!
そもそも、畑はもとは何だったのか、
そこにはかつて何があったのか。
そこにあったのは、多くの場合森や林で、
その土が栄養が高く豊かだったので作物が育った。
ならば、手本とするのは森林で、
森林の仕組みをベランダで再現すればいいじゃない!