“de ja Vu” on Broadway
『de ja Vu』大阪公演が無事に千秋楽を迎えましたね🥲✨
月城さんにとっての新たなスタートとなるこのコンサートに立ち会えたこと、同じ時間を共有できたこと、本当に幸せでした。宝塚を卒業され、再び舞台に立たれる月城さんの決意と覚悟を感じるお姿に涙がとまりませんでした。
月城かなとさん1stコンサート『de ja Vu』感想兼考察の第二弾。
今回は冒頭のブロードウェイコーナーについて書いていきます。このコーナーでは名作ミュージカルの楽曲がメドレー形式で披露され、まるでニューヨークのブロードウェイに迷い込んだような時間を体験できます。
ミュージカルナンバーのセットリストは以下の通りです。
・『PIPPIN』より“Magic to Do”
・On Broadway
・『Sweet Charity』より“Big Spender”
・『Hadestown』より“Wait for Me”
このメドレーが本当に大好きで…!現地で観るたびに涙が出ます。
そんな素晴らしいメドレーについて、一曲ずつ考察を加えながら感想を書いていきます🫶
Magic to Do
なんて多幸感に満ちた時間なのでしょう…!聴いていると本当に幸せな気持ちになります。この曲に合わせてペンライトを振る時間は、舞台と客席が一体化している感覚に包まれました。その瞬間はまさに「魔法」のようで、心満たされる幸せな時間です。
歌詞もとても素敵なんです。
We've got magic to do
Just for you
We've got miracle plays to play
We've got parts to perform
Hearts to warm
Kings and things to take by storm
As we go along our way
この歌詞はまさに「これから何か素晴らしいことが始まる」というわくわく感を伝えてくれるものだと思います。これがオープニング近くに配置されている演出、すごく秀逸です。
On Broadway
月城さんがニューヨークでの旅の思い出を語られた後(ここのネタバレは控えます♡)、会場が一気に「On Broadway」の世界に包まれる瞬間。真紅の緞帳を模した布と黄金色のライトが、梅田芸術劇場という日本の地にいながらブロードウェイの煌びやかな空気を感じさせてくれます。
この真紅の緞帳と、月城さんの青燕尾との色の調和がたまらなく美しいのです。
青燕尾の美しいさばき方には退団公演での黒燕尾の群舞が重なって…胸が熱くなります。
この曲はブロードウェイらしい派手さを伴いながら月城さんの品格を引き立てています。月城さんの「上品さ」とブロードウェイの「華やかさ」の融合は、このコンサートの方向性を決定づけているように感じました。
Big Spender
「Broadway…」というウィスパーボイスの導入から始まるこの場面では、月城さんの新たな一面を見せていただけます。“Big Spender”は、ブロードウェイ特有の大胆なエネルギーを持つナンバーですが、そこに月城さんらしい上品な優雅さが加わることで、唯一無二の表現に昇華されています。
この曲、振り付けや仕草の全てがかっこいいんです!特に真紅の緞帳の前でポーズを決められると、月城さんはまさにブロードウェイのスターそのもの。月城さんの、宝塚の枠を超えた新たな魅力を感じられます。
Wait for Me
このブロードウェイコーナーのハイライトともいえるのが、Hadestownの“Wait for Me”です。なぜこの曲が選ばれたのかは、ぜひ公演を観て確かめてください(配信もあります🎞️)。
Hadestownとは、主人公が大切な人を救おうと、命がけで冥界へ向かう姿が描かれた物語です。月城さんが困ったような表情で赤いカーネーションを受け取るシーンから、自然にこの物語の世界に引き込まれて…。
舞台上を彷徨い歩きながらカーネーションを胸元に抱える姿は、まるでHadestownのポスターをそのまま再現しているかのようで、大好きな場面です。
この“Wait for Me”には、月城さん自身の人生が重なっているように感じられます。この曲は、オルフェウスが愛するエウリュディケを救うために冥界へ向かうという物語を描いていますが、その挑戦や信念のテーマが月城さんと重なるようで、心を揺さぶられました。宝塚に入団し、舞台の世界で生きることを選び、退団という大きな節目を迎えた月城さん。そしてそこから再び舞台に立つという選択をされた、その強い覚悟や決意が、この曲に滲んでいるように思いました。
オルフェウスが音楽を力に困難な道を切り開いていく姿は、宝塚を卒業され、新たな挑戦に向かわれる月城さんとリンクして見えるのです。
そして、この楽曲の「振り返らない」という条件は象徴的なものに感じられます。過去の栄光や思い出に囚われるのではなく、新しい未来に向かって進むというオルフェウスは、月城さんの姿と重なって見えました。その覚悟と意志が、この曲の中で見せる表情や仕草に表れていて、胸を打たれました。
特に印象に残ったのは、カーネーションを胸に抱えながら見せる悩ましげな表情と、その後の晴れやかな笑顔の対比です。この笑顔には、新しい未来への希望が溢れているようでした。
そして、舞台を去る際にカーネーションを翳す、決意に満ちた表情。この笑顔と決意のコントラストが、彼女の「これまで」と「これから」を象徴しているように感じました。
この“Wait for Me”は、パフォーマンスを超えて、月城さんの今の人生そのものが映し出されているようでした。宝塚での経験を経て、新しい舞台に挑む姿がこの曲を通じて強く伝わる、特別な一曲だったと思います。
彼女の人生そのものが投影されたような“Wait for Me”。
心の中に強く深く入り込んできました。
まとめ
このブロードウェイコーナーは、月城さんの持つ多面的な魅力を見せてくださいました。
宝塚的な美しさとブロードウェイの世界観を融合させたステージは、彼女の舞台人としての「新たな挑戦」と「これまでの積み重ね」の両方を感じさせるもので。
そこに「見たことがないはずなのに、あたかも経験したことがあるような感覚がする」、すなわち“de ja Vu”が生まれていると感じました。
舞台に込められた多層的な意味を紐解くほどに、月城さんの奥深さが垣間見える…考察せずにはいられない、大変贅沢なコーナーでした🍸