“de ja Vu” of La Vie en Rose
月城かなとさん1stコンサート『de ja Vu』の感想兼考察、第三弾。
今回は、Édith Piafの「La Vie en Rose」のシーンについてです。この場面では、映画のフィルムのような映像の中に、月城さんが宝塚時代に演じてきた主人公たちが次々と映し出されます。そのあと、宝塚時代の歌を三曲歌われる構成になっています。
このシーンを観ながら、どうしてピアフの「La Vie en Rose」が選ばれたんだろう、どうして映像はセピア色なのだろう、と気になっていました。そんな中、月城さんが「宝塚は竜宮城のようだった」とおっしゃっていた言葉を思い出しました。
竜宮城というと、楽しくて美しくて、夢のような場所だけど、もう戻れない非日常の世界。
宝塚の日々は、きっと月城さんにとっても、そして私たちにとっても、そんな場所だったのだと思います。
「La Vie en Rose」は「薔薇色の人生」という意味です。この曲が流れる中でセピア色のフィルムが映し出される演出は、まるでその薔薇色の日々を振り返るようで、とても切なく感じました。
宝塚で過ごした日々は、月城さんにとってまさに薔薇色の人生そのものだったのだと思います。それはもう戻らない過去のこととして、愛おしい思い出として心に飾られているのだなと感じました。
私にとってはまだまだ宝塚の記憶は新鮮で、現在進行形のような気持ちがしているけれど、いずれは月城さんにとっても、そして私たちにとっても、大切な『想い出』となっていくのだな、と、幸せな気持ちと切ない気持ちがないまぜになりました。
舞台の中でたくさんの役を演じてきた月城さん。その一瞬一瞬が、セピア色の映像として流れる様子を観ると、「薔薇色の日々」という言葉の意味が胸に迫ってきます。
過去と未来が交差するような不思議で美しい時間の中で引き起こされるのは懐かしいという気持ちだけではなくて。
この薔薇色の記憶があるから、これからもきっと大丈夫、そんな気持ちになるのです。