“de ja Vu” 新しさがもたらす既視感


月月城かなとさん1stコンサート『de ja Vu』を観ました。
月城さんといえば、まず「美しい」という形容詞が思い浮かびます。しかし、このコンサートを観て、私の頭の中は「月城さんって、なんて面白い人なんだろう」という思いでいっぱいになりました。

ここで言う「面白さ」は、“funny”ではなく“interesting”です。  
“interesting”とは、興味をそそられる、引き込まれるような面白さのこと。その魅力にすっかり虜になりました。

彼女の持つ「interestingな面白さ」とは、一体なんだろう。  
その感覚は抽象的で、言葉にするのがとても難しい。  
それでも、どうしても言語化してみたい。

そんな気持ちから、思い切ってnoteのアカウントを作りました。  
これからはマイペースに、月城さんが創り出す舞台やコンサートについて、個人的に「面白い」と感じたポイントを深掘りし、自分なりの解釈を綴っていこうと思います✏️  



さて一つ目のnoteは、タイトル「de ja Vu」に込められた意味についての考察です。  
公演パンフレットの中には、美しい筆記体で文章が綴られた、一枚の紙が写されたページがあります。勝手ながら、その文章を書き起こしてみました(――部分は判読できなかった箇所です。書き起こしには誤りが含まれている可能性もありますが、ご了承ください)。


de ja Vu
de ja vu experience: The feelings that you have experienced something before, even enough ――(you?) have not actually seen experienced it. ―― that you.
実際に見たわけではないのに、以前に体験したことがあると感じること。(―― that you.の部分は読めなかったので割愛)

この文章は、「de ja Vu」という熟語の意味を英語で説明したものです。言葉の意味を説明していることから、英英辞典や他の辞典からの引用かもしれないと思い、検索してみました。しかし、たとえばロングマン英英辞典では、“de ja vu”の意味が異なる表現で記載されていました(“de ja vu”はフランス語由来ですが、英語圏で頻繁に使われるフランス語の熟語として辞書に載っています)。

ロングマン英英辞典の説明はこちら。
the feeling that what is happening now has happened before in exactly the same way
今起きていることが、以前にもまったく同じように起きたことがあるという感覚



英英辞典では、“de ja Vu”は「現在、現実に起きていることを、以前にも体験したことがあると錯覚する現象」として、科学的で現実的なニュアンスを含む言葉とされています。
一方で、パンフレットで語られている“de ja Vu”は、そのような現象を指しているわけではありません。「実際には体験したことがないはずのものを、まるで懐かしいもののように感じる」という、より感覚的で情緒的な意味合いが込められています。

この感覚について考えるうちに、“de ja Vu”とは、もしかしたらこういう意味になるのかも?と気がつきました。
「体験したことがあるような、懐かしくみえるようなものでも、実はそれは新しいものである」

このことに気づき、「ああ、だから“de ja Vu”なんだ」と腑に落ちました。『de ja Vu』では、私を含めたファンの方々が、月城さんと約四ヶ月ぶりに再会を果たしました。この瞬間は、本当に嬉しくて幸せなものです。

そして、今感じている「再会の嬉しさ」の中には、月城さんの歌やダンスを久しぶりに見ることができたという「懐かしさによる喜び」が大きな部分を占めています。しかし、このコンサートは月城さんが宝塚を退団して初めての舞台。その「懐かしさ」がもたらす感情は、過去の再現ではなく、月城さんが新たに創り出している「新しさ」によるものだと気づきました。

つまり、「体験したことがあるような、懐かしく見えるものでも、それは実は新しいものである」ということなのです。この感覚こそ、“de ja Vu”が持つテーマの核心を象徴しているのかもしれません。

私たちが月城さんを見ることで引き起こされる既視感は、実は「新しさ」にほかなりません。このコンサートのタイトルに込められた意味は、「懐かしさを感じさせるものがある一方で、それは過去を繰り返しているのではなく、新たなものを目にしたときに生まれる“既視感”である」ということを表しているのではないかと考えます。
反転した意味を持つ言葉 “de ja Vu”。そんな言葉をタイトルに選ぶという発想について、月城さんや周りの方々のアイデアをすごく興味深く感じました。タイトルそのものがコンサートの体験を象徴しているかのようで、思わず感嘆してしまいます。

男役時代より伸びた髪、そして女性らしい衣装。それらを身に纏い、新たな姿で私たちの前に立たれる月城さん。そのお姿に再会できた「懐かしい喜び」の中には、月城さんが試行錯誤を重ねて生み出された「新しさ」がたくさん詰まっているのだと感じ、胸がいっぱいになります。

“de ja Vu”という言葉は、本来「既視感」を意味しますが、このコンサートではむしろその真逆の「新しさそのもの」を表しているのではないでしょうか。懐かしさと新しさが重なり合うこの感覚こそ、タイトルが示す本質なのだと気づかされます。





noteのアカウントを作ろうと思ったきっかけが、この考察でした。お読みいただきありがとうございます☺️昨晩このことを考えているうちに、コンサートの曲や構成、演出についても気になることや「面白いな」と感じることがたくさんあると気づいてしまいました🪞次のnoteでは、私が勝手に「第一部」と名付けているブロードウェイミュージカルのコーナーについて書いていこうと思います。

煌びやかでクラシカルなブロードウェイの雰囲気と、月城さんの存在感があまりにも相性抜群すぎて、ここは帝劇?と何度も思ってしまいました。もしかして私、いまEndless SHOCKを観に来てる? そんな「デジャヴな体験」をしながら、このミュージカルコーナーを楽しんでいました。
『G.O.A.T』の“Sing Sing Sing”の場面も、選曲や振り付けが驚くほどEndless SHOCK感が強くてびっくりしました。それだけでなく、完成度が本当に高い。このまま月組の皆さんと一緒に帝劇で『G.O.A.T』をやりませんか!?と心の中で想いながら観ていました🧚‍♂️  

月城さん、帝劇に立ってほしい…!
個人的な願いを書いて、このnoteを閉じさせていただきます🤍



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