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20.解答/ロレックスデイトナ アイボリーダイヤル化プロジェクト

2022年3月11日
すこし、真面目な話をします。

東日本大震災から11年が経ちました。まだまだ復興も、原発の廃炉作業も課題は山積しています。
また、コロナウイルスパンデミックが収束を見せない中、ウクライナ問題も長期化を避けられない状況となり、私個人としては、祈ることしかできない歯がゆさを日々実感します。これらの悲劇で亡くなられた方、ご遺族に対して心よりご冥福をお祈りいたします。
ただ、やれることを、一歩でも少しづつでもやっていきたいと思います。以下をクリックするだけで僅か10円ですが復興の力に繋がります。記事をご覧頂く前にぜひご協力をお願いいたします。(YAHOO!の「検索はチカラになる。」の画面が表示されYAHOO!から東北支援のための10円が寄付されます。)

使いみちのない or 消失間近のTポイントで、1円からわずか数クリックで寄付ができます。

また、使いみちのない or 消失間近のTポイントでも寄付ができます。ウクライナへの支援もできる方はこちらからぜひご協力ください。※国連UNHCRの公式支援窓口への寄付です。間違いなく支援を求める方へ届ける事ができます。寄付をする方は、ぜひ寄付・支援先もご覧頂き、便乗非営利団体へ寄付しないようくれぐれもご注意ください。

ここから本編です。

冒頭、シリアスな話から入りましたが、切り替えていきますね!

前回は、ロレックスの凄さをどこまでマニアックに知っているか?その理解度クイズを出していました。答えは分かりましたか?

ロレックスファンなら、これくらい知っとけ〜⌚️では解答編いってみます!

Q2.ロレックスが高価で加工性の悪いスーパーステンレス904Lを採用したのはどんな意味あるのか?

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正解です。
👉A. オイスターケースというブランドのアイデンティティをより高めるため。これはハッキリ言って、猟奇的です。

ただ少しだけ錆びにくい、その理由だけで、これほど膨大なコストを積み上げたのです。(※もちろん、磨く事で美しさが際立つ審美性も採用理由の一つ)

つまり、哲学である「パーペチュアル」を体現するために、他メーカーからは考えられないコストをかけて1985年から採用したのです。

だから他社は採用しないし、ためらうのです。そこまで性能差がないのに、ロレックス以外のブランドが膨大なコスト増を受け入れるには理由に乏しいのです。ロレックスだけがブランドのコンセプトの強化のために、垂直統合型の規模の経済をフルに活かしきり、バリュープライスで圧倒的な仕上げ精度で製品化を実現しました。

ロレックスは実用時計としてこれまで、特に海水や汗といった劣悪環境に対して立ち向かってきた時計メーカーです。

904Lスチールはその名が表す通りオイスタースチールです。つまり、耐蝕性を僅かでも高める事が出来るステンレスを選択したに過ぎません。
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(※補足)ステンレスが全て錆びないと思っている方は多いですが、実は錆ます!簡単にステンレスが錆びない仕組みをお伝えすると、
「常に表面部分が錆びている状態に作り上げた合金」だからです。
専門用語で言うと、不動態皮膜と言う見えない膜で、鉄と酸素が触れないように常に覆われている為なんです。
しかし、この膜に強度はない為外部の化学的要因で弱まったり削られたりします。その際、汗や海水が浸蝕すればもちろんステンレスであっても錆びます。
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つまり、この不動態皮膜をより強力に作り上げる合金が904Lスチールです。その皮膜を強化するために鉄分を減らしモリブデンの他にもクロム、ニッケル、銅など高価な素材を316Lより多く配合する必要があるため、当然素材自体は高価になってしまいます。ただ素材特性的に316Lと比べ圧倒的な錆びないかか?というと、実はそこまで差はないと言われています。316Lも最強に錆びにくいステンレスとして開発された素材だからです。
つまりロレックスは過剰に上を目指したに過ぎません。

また、904Lは316Lと比較しても硬度に大きな変化はないのですが、引っ張り強度は316Lより大きく高まってしまいます。それが冷間鍛造をする上で加工性が悪くなるようです。つまり、歩留まりが悪化する。つまり量産する時により時間が掛かってしまう。これがコスト高の最も大きな要因であるようです。

ロレックスがミドルケースには早い段階で採用していたのに、ベルトへの採用が遅かったのは、恐らくこの加工性の悪さが原因でしょう。

恐らく、●バ●スは
加工・製造が大変!▶︎素材が硬いから(と勘違い)▶︎傷がつきにくいはず!
と脳内変換したかもしれませんね😂

ただその引張り強さに関しても
316L=480以上 N/mm2
904L=490以上 N/mm2
と2倍もない…どこから2倍硬い!としたのか全く分かりませんが…

Q3. 現在、素晴らしい最新技術が溢れていますがロレックスは頑なに、硬化皮膜などのコーティング系をしないのでしょうか?(もちろん技術力がないわけじゃないですよ笑)

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👉A.永続性を重視するためです。
無垢素材は最新技術に比べ、メンテナンス性・信頼性に一日の長があり、その点を重視している。
これ、逆に言うと過度に商業主義的なメーカーの多くは硬質被膜などを採用する傾向があります。どんどん買い替えてもらいたいからです😂硬質被膜は新品状態を長持ちはさせますが、一度傷などが付くとメンテナンスがほぼ不可能だからです。※傷は2度と消せず、高額な再加工しか方法がない。

ロレックスは無垢材にこだわっており、他社がやるコーティング系はサファイヤ風防の表面含めて一切施しておりません(※最近はサファイヤ風防の裏面とサイクロップのみ無反射コーティングを施しています)。
硬質被膜が良いって方はいるのでしょうし、DLC・PVDで表面加工しているアフター施工している方もチラホラいらっしゃいますが、数年使用済みの物を見たことありますか?

まぁ、無惨な事になってますよ。

「硬い」は傷が付かない訳じゃありません。勘違いしている人が多く、光の反射でまあまあ、みすぼらしい感じになってます。しかも表面加工しちゃうと、一回表面を剥がさなきゃいけなくて、そのまま研磨できないんですよね。
(※PVD皮膜は剥離が簡単なので再加工可能だが、DLCはほぼ不可能。)ここは数十年スパンの長期使用を考えるとどちらが理に適っているのか良く分かりますよね。
硬化皮膜って少しでも長く新品状態を維持したいと言うニーズを満たすために採用されているのです。つまり使い捨て・一定サイクルで買い替えさせる事が目的でもあります。金銭的悩みのない富裕層にとってはメリットですが、庶民には高級時計をポンポン買い換えるなんて不可能ですよね。
ここにメーカーのスタンスがよく現れています。
ロレックス傘下のチューダーでも採用していることから、この2ブランドの方向性は大きく違う事がよく分かりますね。※この件、深堀り動画を配信しますよ〜

サファイヤの反射防止コーティングも、裏面にやってるメーカーは設計思想が長期使用を前提としていますし、気が利いていると感じます。(グランドセイコーもそうですね、好感触!)表面にやってるメーカーはメンテナンス費を稼ぎたいのがミエミエで好きになれません。機能的には施工してあった方が良いのかもしれませんが、長期的に使っていると、すぐにコーティング剥がれがみすぼらしくて気になってしまいます。せっかく傷がつきにくいサファイヤ風防なのに…多くの人は交換してしまいます。
反射する事で時計の読み取りに支障をきたす程不便に感じるケースは日常ではありません。(そもそも、そんなに厳格な時間読み取りが死活問題となる方なら機械式はおすすめしません笑)

つまりロレックスは割れ・欠けがない限り交換は不要なのです。

つまり、ロレックスは素材(サファイヤ・ステンレス)特性を活かす哲学があり、その理由は長期的に耐久性を持たせる意味合いでそれを貫いているのです。

サファイヤは透明度が最も高い最高品質のものを使用しています。まるでそこにガラスが無いような透明感は文字盤の立体感を際立て視認性を高めます。表面にコーティングをしてしまうと、ほんの僅かにくすみます。

少しでも良いものを選び抜く姿勢はステンレスにおいても同じです。磨く事で美しさを長期に保て錆びにくい904Lをチョッパヤで導入したと理解できます。できるだけ永く使えるように、研磨する事を前提とした作り込みになっています。これらを理解すると設計思想が哲学の「パーペチュアル」で一貫していると分かりますよね。

「高価=絶対的に優れている」は危険な認識

多様性が拡大する時代において、二極認識は完全に時代錯誤となりました。この見方はむしろ今は危険ですらあります。

何が必要で何が不要か?を哲学・フィロソフィーに照らし判断するロレックスのモノづくりの姿勢に共感するかしないか?それだけです。
そこに不必要なほどのオーバースペックな素材を選定し商品価格が上がる事を納得するのか?その選択権はもちろん購入者にあります。ボッタクリと感じるなら購入を拒否することも自由です。
※ただ、ここまでこだわっていてもロレックスは年間80万本製造という規格外の規模を活かし販売価格は他社に比べ圧倒的な激安価格です!参考に平均販売価格が約7,500〜10,000CHFクラスの他ブランド製造本数をお教えします。5〜8万本で、なんと1/10以下です!つまりロレックスはそれだけ「規模の経済理論」を行使できるのです。

「前はサブマリーナは30万円で買えたからなぁ。その程度の時計でしょ。」

という昔話はそろそろやめましょう。ほんの僅かな差であっても信じられないコストを投じる、その姿勢こそロレックスが他社を圧倒し王者である理由です。
時代もロレックスも大きく変化しています。

🔴今月の定点観測。アイボリー化の進捗を確認していきましょう。

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※このPDP、スピンオフ動画になりました。YouTubeで公開中。お時間あればご覧ください。

次回予告⏩

https://note.com/ref_2021/n/nec4b2f0a74c4

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