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付属品ハックが、高級機械式腕時計"ロレックス・クラブ"を制する。

高級機械式腕時計の裏世界で長らく最強のブランドに鎮座しているのは三大雲上ブランドなどではなく紛れもなくロレックスです。資産価値の面でブレが少なく、安定したブランドコントロール力が世界の富豪から絶大な信頼を得ています。

その裏世界"ロレックス・クラブ"。その鉄の結束の中心には、ある権威付けを行う研究者グループが存在します。この権威者グループは一部の特権パトロン(ロレックス社自身という説もあります。)に支えられ研究を行い、価格を左右するレアモデル情報を探し決定します。そしてそれは一部の特権パトロンたちと共に既成事実化されていきます。その告知方法にはオークションがよく使われています。アートと全く同じ手法が用いられています。
しかし、その権威者グループが価格差をつくるレアポイントには過去の歴史から次のことが分かっています。

♛レアモデルに必要な権威付けポイント

 ・個体の状態 (パーツ交換履歴・文字盤の状態・年式の整合性など)
 ・年式(レアモデルに該当するマイナーチェンジなど)
 ・文字盤の種類(人気色や特殊なものなど)
 ・市場の流通量(新製品発表・映画着用などで需要増など)
 ⭕付属品の有無(個体年代と一致したギャランティー・箱・説明書など)

これらを見ると、その権威付け後に価格高騰したものを結局買わなくてはいけないのか…と思われるかもしれませんがよく見てください!個体依存でどうしようもない…事もないのです❗

我々庶民にも、付属品を揃えるというハック出来るポイントが残されていたのです!つまり、安い個体の購入後でもまだ価値を高める事が可能ということです。

しかしこの価値を向上させるほどの年式までしっかり体系立った付属品の情報はネットでは希少な情報です。実際、探してみてください、全く使い物にならない概要情報しかヒットしないでしょう。なぜなのか?ハックしてみました。

♛実は、どこも言うほど情報を持っていない。

いろんな中古腕時計店でヒアリングしてみましたが、その結果、かなりマニアックなお店であっても実は付属品の情報はほとんど持っていない事が判明しました。私が調べた中で年代毎にデータベースをもっていたのは中古ロレックス時計業界の雄「クオーク」さんだけでした。しかし、その情報は社外秘ファイルで管理されており未公開情報で見せてもらえないファイルでした。他のお店では店主・スタッフの頭の中にある、雑誌の受け売りだけの、お粗末な状態です。

♛しかし、この付属品は金になる。

繰り返しになりますが、実は本体と違って、付属品の知識データベースは体系が未だ確立されていません。
その原因は、販売国によって、付属品情報が異なるからです。
しかも、付属品はその国々で作っているものも存在したようです。
それがどこまでスイス支給・自国調達の線引きも判明していません。
私が調べた限りですと、

🔵旧ボックス
自国調達もしくは、外部(工場がいくつか存在?)生産でスイスから支給?
🔵旧パスケース=自国調達?ローカライズ冊子=自国調達?
🔵プライスタグ=外部(工場がいくつか存在?)生産でスイスから支給?

非公開企業ロレックスのこれら情報を、体系立てる事自体が不可能に近い状況なのです。
世界のコミュニティーでは旧ボックスの裏面にあるコードを解読しようという試みのスレッドが立ち上がっていましたが、結局判明していませんでした。

しかし、オークションや高額商品の条件にこの年代一致の付属品が掟として存在します。廃盤から間もない個体ならほとんど影響ありませんが、長期間保有するなら、本体の次に重要なのは付属品なのです。

♛付属品の価値は、なんと300万円⁉実際調べてみました。

一番資産価値の高いモデル「デイトナ」を年代毎に付属品有り無しで価格比較してみました。※現行デイトナの付属品なしは今は逆に数が少ないので、旧デイトナのRef.116520で比較してみます。
最も弾数が溢れている2009年のAPHダイヤルで比較しました。(余談ですが、このAPHダイヤルは全くレアではないので間違えないようにしましょう。むしろ、この年代の白文字盤に至っては、APHダイヤルの方が製造数が多かったと言う事まで分かってきています。高く売るためのガセネタにのらないようにお気をつけ下さい!)

❶一つ前のデイトナRef.116520白のAPHダイヤル

🔻付属品一切なし

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🔻付属品完品

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この時代の付属品はまだまだ流通量も豊富で簡単に入手が可能です。そのため、約40万円差の最も大きな要因は、世界に一枚しかない「ギャランティーの価値」と言っても差し支えありません。それでも40万円の差です!絶対無くさないようにしましょう。「保証期間が終わったから捨てよう。」なんてもっての外ですよ!

❷Ref.6263 ビッグレッド

🔻付属品なし
磨きは少ない方で、時代相応のポリッシュ具合と言った感じです。悪くない個体だと思います。

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🔻付属品完品
なんと、ギャランティーだけではなく、修理明細などまで揃った非常に珍しい個体ですが、磨きはオーバーポリッシュ気味で、王冠は消えかかっています。

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この2つ、なんと!付属品があるだけで、約300万円もの差があるのです!にも関わらず、注目度は付属品有りの方が倍近くアクセスされています!はじめにお伝えしたロレックス権威付けポイントを裏付ける決定的データです。

これを見て、“じゃ付属品なしのものを買って、揃えれば良いじゃない?

そう思った方もいるでしょう。しかし、実は手巻きデイトナの付属品は現在、手に入れようにも物が全くないし、さまざまな壁が存在します。そのため価値が向上する程の揃え方は非常に困難です。

具体的にまとめると、付属品は手に入れるにはこれだけの壁が存在します。

●手に入れるべき、正確な付属品類を把握できているか?
●所有個体の年代に合っているか?
(※これを研究・把握しているお店が日本に存在しない。フリをしているお店は多数あり注意🚨)
●その付属品全てに巡り会えるか?
(※運良く巡り会えても、この手巻きデイトナタツノオトシゴBOXだけで、ン十万円します。)
●その付属品は偽物・偽装品かを見抜けるか?
(最近ヤフオクメルカリですごい増えましたよ…だからショップのにも紛れ込んで付属品としてセットされてます。)

♛付属品で価格差が開くのは、アンティークモデルだけの理由

これだけ現行とアンティークで付属品の有無の評価が異なる理由は、購入者層・動機の違いです。

現行品(一般の方 > コレクター)
このモデルが気に入っているので、身につけて楽しみたい!だから本体さえ有れば付属品なんて不要!その分安くて良い!
👉付属品の価値が低い

アンティーク・ビンテージ(一般の方 < 富豪/ コレクター)
コレクションの資産性を維持するため、本体だけじゃなく当時の付属品も何が何でも必要!
👉付属品の価値が高い

これを見て気づきましたか?

付属品完備現行品の長期保有戦略、実は庶民が高級機械式腕時計"ロレックスクラブ"の連中と戦える唯一の武器です。富豪と庶民が平等に与えらるものは、「時間」なのですからね。

だからガチマニアは、連中が血眼になって探す前に早めに所有し長期コレクションするのです。(ライバルが増えるから絶対お金のことは口にしないし、嫌がるのはその為です。)

その理由が見えてきた方は今自分のコレクションに足りないものを早目に棚卸し、将来に備えましょう。

【コラム:ロレックス緑ボックス裏の謎の数字コードは何を指す?】

私が推理しているのが、「生産工場の管理番号説」です。

これら生産工場の不良ロットを管理するために、付与されたコードである可能性が高いと考えております。同時期・同型の箱でもこのコードが違っていることが分かっています。

しかし、そうなると本当にロレックス社以外の人には分からないでしょう。

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