天国に旅立ったスターたち➃~漫才師・内海桂子さん~
構成作家という仕事をして15年以上になります。これまで多くの著名な方々とご一緒する機会に恵まれてきました。中には、残念ながらその後、天国へと旅立たれた方もいらっしゃいます。
スターというのは、実際に会ってみると独特の印象をこちらに与えるものです。何かがキラリと違います。そこで、今回も僕の心に素敵な印象を残した“天国のスター”の思い出を綴ります。今回で最終回、おつきあいくだい。
今回は、2020年8月に亡くなられた女性漫才師・内海桂子師匠。
24歳下の旦那さん(元マネージャーさん)と一緒に、仲睦まじくラジオ局のスタジオに現れた桂子師匠。
僕が仕事をさせていただいたとき、既に御年90歳を超えていましたが、まったく年齢を感じさせない巧みな話術は、スタッフ一同「さすが!」と思わず声を合わせてしまったほどです。
生放送なのに台本や段取りなど関係なく、言いたいことを言い、気分のままいきなり都々逸を歌う。
こんなことを若手がやったら、番組が混乱してしまいます。
が、桂子師匠は違います。
それらのすべてが見事に面白い!
だから、誰も文句など言いません。
あっぱれなんです。
つくづく「大御所ってすごいなぁ」と感心させられました。
長きにわたって鍛え上げられた芸人さんというのは、その場の空気を自在に操る魔法のようなものをお持ちです。
また、トークの端々に感じる“芸事”に対する厳しさも印象に残っています。
それは、後輩に対してだけではなく、自分自身に対しても。
この世界で長く活躍し続けるためには、自分に厳しくなければならない。
そんなメッセージを後輩たちに伝えている気がしました。
というか、自分も見習わなくては!
そして、時間いっぱいしゃべり倒し、意気揚々とご帰宅されていく桂子師匠の後ろ姿。
今、思い出しても、かっこよかったなぁ……。
桂子師匠、楽しいトークと素敵な都々逸、ありがとうございました。
そちらで久々に好江師匠と漫才されていますか?
天国のみなさんを楽しませてあげてください。
というわけで、全4回でお届けした天国のスターたちの思い出、いかがでしたか?
この仕事をしていると一期一会の中でも、スターというのは強烈に僕らの記憶に何かを刻んでいく人たちだと知りました。
そしてそれは僕らの中で永遠に輝いていく。まさに星。
今夜の空にも、多くのスターが瞬いています。
見上げて、思い出してみては。
また機会がありましたら、お会いしましょう!
(おわり)
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