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「創造」する前に「想像」してみよう。


CMに込めた、過不足なきメッセージ

 こんにちは。新潟市を拠点に、建築デザインと不動産業を展開するReeL株式会社の代表を務める想像する建築家・弦巻大輔です。

 企業理念は「今の資源で未来の宝を作る」。これからの時代における都市部のリノベーションの重要性を伝えるために、noteを始めて3回目。今回は、僕たちが主に新潟ローカルでオンエアしている、テレビCMに込めた思いをお伝えしたいと思います。Youtubeでもご覧いただけるので、ぜひ。

https://www.youtube.com/watch?v=k_QSkeYo9QE
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不動産には、秘められたチカラがある。
才能を再発見し、
価値を再構築するために、
建築家は潜在能力を、再起動する。
想像する建築。ReeL。
「創造とは、想像だ。」
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 このCMを通して、僕たちが一番伝えたいメッセージは、
「創造=クリエーション」の前に、「想像=イマジネーション」が必要であるということ。

 何年後、何十年後にどうなっているかという「想像」がないまま、「創造」すること自体が目的化すると、痛々しいものができて、陳腐化するのも早い。未来の資源を前借りしているにも関わらず、早々とゴミになってしまう。実際、「創造」に溺れている建築デザイナーは、少なくないと思います。だからこそ、強いメッセージを、あえて発信しようと思ったところもあります。

 「創造」する前に、「想像」してみよう。それは今、本当に作る必要があるのか。100年後、その土地は、その建築はどうなっているのか。すでに世界人口をカバーするだけの“箱”はあるはずなのに、「ない」と感じるなら、活かせていないだけではないか。だからこそ、「想像」し、「潜在能力を、再起動する」なんです。

 2024年4月にオープンした、マンションリノベーションの常設モデルルーム「Vintage01」は、まさに高い潜在力がある中古物件を、デザインで再起動したもの。未来を「想像」したからこそ、これからは市街地に住む方がいいと考え、中古物件をリノベーションするという「創造」に動いたわけです。僕たちが軸に置いているのは、これ以上、街の範囲を広げないように、市街地に住むこと。無理に新築を建ててローン返済に苦しむくらいなら、程々の予算でリノベーションにするという選択肢もアリだということは、第1回からお伝えしている通りです。予算がたくさんある方は、高性能の新築住宅をぜひ、建てていただければと思います。
 しかし一般的な収入の方々が家を建てようとしたときに、新築にこだわると、どうしても郊外になってしまうので、街が広がってしまう。それは絶対に避けたいんです。


Vintage01 改装前
Vintage01 改装後


Vintage01 改装前
Vintage01 改装後


Vintage01 改装前
Vintage01 改装後

「価値が変わらない土地」 「徐々に価値が減る土地」 「価値がなくなる土地」

いま日本の土地は、3つの区分に分かれ始めています。

①     価値が変わらない土地
②     徐々に価値が減る土地
③     価値がなくなる土地

この中で今、新築の家が立つところは、多くは②と③なんです。ちょっと怖いですね・・・
これから人口が減少して少子高齢化が進むにつれ、交通や電気・ガス・水道といったインフラ整備、全てのエリアにはいずれ行き届かなくなる可能性もあります。実際、すでに県立病院は、多くが赤字で人手不足になっています。郊外は一世代住んだら、資産価値がなくなると思った方がいい。そこは誰も責任を取ってくれないので、買うならその覚悟を持って買わないといけないと思います。

 全国的にも、未来を見越した都市計画は策定されています。新潟市でも、人口減少に適応した都市計画が進められています。ただ、現段階では、その縛りが弱いと思います。行政も、政治家も、そこまで踏み込んだことができる状況ではない。②や③のエリアに住んでいる議員さんもいますし、そこを基盤にしている方々もいるわけですから。

 また、民間側も、そうした都市計画をビジネスに落とし込めていないという現状もあります。これまでのビジネスモデルに依存しているから、新築を売ろうと差別化を図り、郊外化とオーバースペック化が進んでしまう。それは果たして、本当にユーザーが望んでいることなのか。僕たちみたいに「都市部への回帰をビジネスチャンスに変えていこうぜ」というところは、なかなかないのかなと思います。

 もちろん新築よりも、リノベーションの方が手間はかかりますし、難しい面もあるとは思います。もともとの物件のどういった潜在能力を活かして価値を見出し、それを再構築するか。建築家としてさまざまな可能性を「想像」し、新たな価値を「創造」する。そこはReeLの強みでもあります。

 だからこそ、「①価値が変わらない土地」に住むためなら、新築にこだわらなくてもいいじゃん、と言いたい。そのために、僕らは予算を抑える工夫として、リノベーションという選択肢を提案しています。

「今だけ、ここだけ、私だけ」から、「未来も、あそこも、あなたも」へ。

 こんなことを言っていると、周りの方々には、奇人変人と思われているかもしれません。でも、「確かにそうかもな」と思い始めてもらえるのは、もう時間の問題だと思っています。そのために、引き続き、こうして「『創造』する前に、『想像』してください」と発信して、共感してくれる人をちょっとずつ増やしていくことが大事だと思っています。

 ただ、想像するといっても「今だけ、ここだけ、私だけ」みたいな人もたくさんいますし、世界の分断はそこに起因している気もするんですよね。現在だけ、自分の国だけを見ているところから。そうではなくて、「未来の世代のことも、ちょっと想像してみませんか?」と。なんなら、人間以外のことも想像した方がいい。ほかの場所についても。「今だけ、ここだけ、私だけ」から、「未来も、あそこも、あなたも」と、想像する範囲を広げてみる。それができてこそ、創造性は広がると思います。

 僕たちが動き始めたのは、シンプルに危機感があるからです。「このままいくと、本当にまずいな」という思いだけ。未来への危機感。でも、会社経営のポイントって、そこだと思うんです。何らかの社会課題を解決したいという思いが、経営への意欲を駆り立てていると思うので。その課題解決意識と、自分の得意なことが結びついたときに、ようやく「今の資源で未来の宝を作る」と経営理念を言語化することができましたし、何か道が開けたなと思いました。

 未来から前借りしている資源をどう有効に使うか。今の時代こそ、「想像」を最大限に働かせて、アクションを起こしていかなければいけないと思います。


ReeL名称の由来

Re-discover     不動産の潜在力を再発見する
Re-build           不動産の価値を再構築する
Re-fine for your Life    我々の生活を洗練させる


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