『枯葉の謌』
アスファルトの隅に
吹き寄せられた街路樹の落ち葉を踏みしめながら
夕暮れの街を歩く
足の裏に感じるその温かく柔らかい感触は
落ち葉が
風雨に晒され
揉まれて柔らかくなっていたからだけではなくて
きっと少し前まで
生きていたからだろう
優しさや
愛なんてものは
本当はこんな風に
気づかないうちに
届けられているものなのかもしれない
足下にそっと。
届いた愛も
届かなかった愛も
踏みしめて歩く
いつか
温かい落ち葉になるために
今
胸を張って
生きる
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