幼児さんが「学ぶ」ということ
私が教えている英語をはじめとする語学、音楽、芸術、知育など、「幼児教育」にはたくさんの種類があり、それぞれにたくさんのメソッドがあります。
その中で、当校が大切にしている「幼児の学び」とレッスンでの取り組みや思いについて、少しお話しさせていただきたいと思います。
「家族のつながり」と「三項関係」で「すき」を育む
当校の幼児クラスでは必ず保護者様にご同伴をいただいています。一つはレッスンの内容をしっかりとご家庭に持ち帰り、復習の習慣をつけていただくためです。しかし、それだけが理由ではありません。幼児クラスで私が一番大切にしていることは「保護者とお子さんの関係性」です。
コミュニケーションの専門用語に「三項関係」というものがあります。
お母さんやお父さんが「お花がきれいね」と子どもに伝える。そうすると子どもは「お花はきれいなんだ」と認知をする。
お母さんやお父さんが「英語が好き!楽しい!」と一緒に楽しんでくれると、子どもは「英語って楽しいんだ」と認識していきます。特に第二反抗期ごろに親離れをする年齢くらいまでは、一緒に過ごしている大人の意識にこどもたちは非常に影響をされるものです。
すなわち、お母さんやお父さんたちに、レッスンの輪の中に入ってもらえないと、子どもにも「輪に入らない」という選択肢が増えて「恥ずかしいから言わない、学ばない」になってしまいます。
子どもの集中力を観察する
集中力の持続には個人差があります。
歌やリズムが好きな子、絵を書くのが好きな子、体を動かすのが好きな子、カードゲームが好きな子。それぞれの特性に出来るだけ合うようにレッスンプランを作成していますが、みんなが同じだけ、同じ集中力を持ち続けることはできません。
ご自分のお子さんがどんなことが得意で、今日はどれくらい集中できたか。次のレッスンでは何を目標にするのかを明確にしてお約束ができるようになると、園帰りのお子さんと保護者さんが、お互いストレスを減らしてレッスンに参加することができるようになります。
ここでいう「コントロール」とは、ただ大人が子どもを抑制することや思い通りにさせることではなく、事故防止や最大限に集中力を発揮することのできる「パフォーマンスコントロール」のことです。
外国語教育は10か年計画
本校のフルタイムレッスンは1回45分の年間40回レッスンです。全てお越しいただいても全部で30時間。たったの1日ちょっとに過ぎません。
お母さんお父さん。今から外国に行って1日ちょっとでどれくらい外国語を取得できますか?専門的にコツを知っている私でも流石にそれは無理です。正直な話、週に1回レッスンに来ることが語学力の向上に繋がるかといえば、全く繋がらないと思っていただいて構いません。
ではなぜお金を払ってレッスンに来るのか。私がレッスンをするのか。
先ほどもお伝えした通り、1回のレッスンがそんなに大事だとは思えません。ただ、それよりも毎日3分の復習の方が圧倒的に大切です。そのために、保護者の皆さんには私を見て、お家で私の真似を、もしくはお子さんに私のまねっこをさせて、ご家族でレッスンごっこをしてみてください。
お風呂で上がる前にレッスンで何したっけ?って思い出すだけでも十分です。レッスンにお越しいただけないご家族に「今日はこんなことをしてきたよ」と言ってくださるだけでも十分です!
英語好きな子に育てたい。
当校では3歳のこどもたちを10年間かけて「英語好き」に育てることを目標にレッスンを行なっています。
そうすれば、中学1年生の2学期で完全に「英語」が「勉強」になってしまっても、子ども自身の「すき」の気持ちがあれば自信を持って自主的に学び、興味を持ち続けてくれます。
そのためには前述の三項関係、楽しいを感じ続ける集中力のコントロール、そして、ご家庭での共通のコミュニケーションのきっかけ。この3つが大事だと思っています。
とはいえ、毎日の積み重ねってとても大変ですよね。ですが、せっかくのご縁ですので、英語が好きと思ってくれるお子さんになってもらえるよう、講師として同じ親として、どちらの立場からもサポートできたらいいなと思っていますので、何かご相談があれば遠慮なくお声がけください。
一緒に子育て、楽しみましょうね。