訪問調査 志摩市民病院@三重 [Day2]
2日目スタート
この日のスケジュールはこんな感じ。
研修室で研修生たちと先生のカンファレンスから1日がスタート
担当患者さんが入れば情報の共有をしたり、その日の目標を共有したりします。
ベッドコントロールの後は、研修室でプロジェクターを使って回診
入院されている患者さんについて情報共有を行ないます。
あ、ベッドコントロールというのは、その日の入退院や様々な予定などを多職種で集まって共有する時間です。
今日何しよう…
2日目は特にインタビューの予定もなく、スケジュールが決まっていなかったので、カンファレンスの時にいらっしゃった先生に「何か見学できそうなものあったら(ピッチで)呼んでください!」とめちゃくちゃざっくりしたお願いをしたところ、午前中に内視鏡の検査があるから見る?とおっしゃってくださいました。
前回来た時には内視鏡に使う機械を見せていただいたくらいで、実際の検査を見る機会はなかったので、人生初の内視鏡検査の見学です。
今回は2人の患者さんの検査を見学させていただきました。
内視鏡の検査を見学
1人目の患者さんは男性で、経口内視鏡を使っての検査
2人目の患者さんは女性で、経鼻内視鏡を使っての検査
まず見学させていただいた1人目の方の検査を見ながら、「あ〜だいたい今胃に入ったくらいかな…?」「ここは十二指腸っぽい」とか頭の中で自分が知る限りの人間の体を思い浮かべながら考えていました。
学校の授業でもちろん解剖は勉強するし、ご献体の解剖も経験してある程度のことは知ってるのですが
どちらかというと、その器官の組織とか細胞レベルの内容や、生化学に関連するような機能や機構の勉強の方に重点を置くので、もうちょっとマクロなというか、胃の中がどうなっているのか、みたいなことをちゃんと知りませんでした。(まああの、ただの勉強不足です笑)
例を挙げると、十二指腸の形と長さ(大きさ?)。
1人目の方の検査が終わった後、先生から「何見てるかわかった?」と聞かれたので、「まあ、どの辺なのかは大体、多分…(自信ない)」と答えると、
撮影した画像を指して、
先生「じゃあこれは?」
私「えーーーっと、胃の、下の方、、ですか?」
先生「ん?具体的にどこ?笑」
私「十二指腸入る手前の…」
先生「ちょっと絵かいてみて」
かきかき…
先生「十二指腸そんなん?」
私「え、違うんですか。。」
確かに、十二指腸っていうくらいだから結構長いですよね。
(画像は書き直した後。この1/3くらいの長さだと思ってました。)
私の中で十二指腸というと、
"胃と小腸を繋ぐところ"で、"ファーター乳頭"を学校の先生がめちゃくちゃ強調してたな。っていうイメージしかなかったんです。
気をつけようとは思っていたけど、実質的な勉強できてないとこまだまだ多そうだなあと反省できる機会になりました。
というわけで、すぐ側にあった本を使ってその場で確認
こんな風に勉強できたらいいのに、と毎度思いますが、現場でとなると多少jの基礎知識は無いと難しいですよね。こういうのって印象に残るから忘れにくいし、(うわ〜勉強不足や〜)と思いつつ楽しく勉強できるからとても好きです。
ピロリ菌の検査
続けてピロリ菌の話に。
これは細菌学で確実に勉強してるはずの内容ですが、私の頭に出てきたのは"Helicobacter Pylori"と"胃がんになるリスクが高い"…😅
知識の装備が少なすぎる😱
2人目の患者さんの検査が続けてあったので、
ピロリ菌に感染しているか、除菌ができたか、それぞれの検査について思い浮かぶものをできるだけ書いてみて、という課題(?)が。
頭の中の知っている検査をかき集めて書いてみました。
これは、概ね合ってました(わーい笑)
ただ、尿素呼気試験は完全に抜けていて、なんか聞いたこともない気さえしました。絶対聞いたことあるはずなんですけどね…
ピロリ菌のウレアーゼ活性をすっかり忘れていたので、改めて復習するいい機会になりました。
志摩市民病院の先生たちは、忙しい中でも、いつも学ぶ機会・考える機会を与えてくださるんですよね。学生が"この病院の実習環境がすごくいい"という理由の一つがこれなんじゃないかなあと感じます。
CART
そのあとは、NP実習生の方がCARTをすると教えてくださったので、見学に行くことに。
CARTって初めてここで知ったんですが、ざっくりいうと
今回は時間の関係もあって、腹水を抜く"腹水穿刺"部分だけの見学になりました。そもそも腹水自体見たことがなかったので、そんな色してるんだ…という発見から始まり、(患者さんも「へえそんな色しとんねや。」とおっしゃっていました😅)1L,2L,3L…と溜まっていく腹水を見ながら、体の中にこんなに水が溜まるんだという驚き。
腹水穿刺後、少し楽になったような患者さんの様子を見て少し安心しました。
救急の見学
お昼ご飯の後すぐに、救急車が到着するという連絡があったので、見学させてもらいにいきました。
患者さんの主訴を聞いて、どんな鑑別があげられるか医学生と本を見ながら一緒に(?)考えてみました。
検査値や検査結果の画像を見て鑑別をあげることはこれまでしたことがあったものの、患者さんの主訴「ここが痛い」とか「こんなふうに痛い」みたいなことを聞いてどんな疾患が考えられるか考える事はほとんど経験がなかったので、1個か2個しか思い浮かばなかったり…。悔しい〜😅と思いつつ…笑
今度来る時までにちょっとは勉強してこようと思いました。
MAの方へのインタビュー
今回の訪問調査で2人目にインタビューをさせたいただいたのはMA(メディカルアシスタント)をされている方。回診の時にカルテの記入をするなど、患者さんとも多職種のスタッフとも距離が近い☘️
検査室にも一時期いらっしゃったそうで、病院の様々なスタッフの方とコミュニケーションをとる機会がある立場から見た臨床検査技師についてお話をしてくださいました。
臨床検査技師の方に話を聞くことはもちろんすごく意味がありますが、他の職種から見た臨床検査技師、というのもとても興味深く、自分たちでは気づくことのできない視点をたくさん与えてくださいます。
検査室の中にいるとどうしても院内のことは分かりづらいし、もっと検査室の外に出て多職種連携の中にどんどん入り込んでいったら活躍できる場所はたくさんある、と改めて感じる時間になりました。
病院の規模や来られる患者さんのニーズによって、臨床検査技師も働き方を新しくしていくことが必要だし、そうしていきたいなと思いました。
MSWの方へのインタビュー
この日ラストは、MSW(医療ソーシャルワーカー)の方へのインタビューでした。MSWは、患者さんの抱える課題や必要なサポートに対して病院や医療施設、行政などとも連携しながら調整を行ったりするお仕事です。
インタビューの中でキーワードになったのは
"重層的支援"
病院にやってくる患者さんをはじめとして、どんな人にも言えることかもしれませんが、それぞれが抱える問題は1つだけではなく、1つの領域だけでもありません。
例えば、とある病気にかかった患者さんがいるとして
その病気を治すだけで患者さんの持つ問題が解決するわけではありません。
病気の背景には経済的な問題があるかもしれないし、受けるべき支援を受けられていなかったり、精神的な問題、家族や周りの人との問題などなど…
問題が重なり合っていると、それを解決する制度や受けるべき支援も重なり合っています。これが重層的支援。
こうなると、やはり医療の分野も飛び越えた多職種連携が必須です。
それぞれの立場から患者さんにとって何が必要か、何を必要としているのか情報を共有しながら、よりよい支援を提供していきます。
ここに、臨床検査技師ももっと深く関われるのではないかと感じました。
病院の外、地域の中でも活躍できる場所はきっとたくさんあります。
診療報酬などの問題もまだまだありますが、訪問検査/在宅検査をやってもいいし、市民講座や青空エコーとか?
2日目終了
1日の初めには何しようかな〜という状態だったにも関わらず、大充実の1日になりました。
家に帰ってから軽くご飯を食べて、速攻で寝落ち(笑)
この日色んな見学をする中で、よく分からなくて「調べとこ!」と思ったことをメモしておいたものの、結局1つも調べられないまま寝てしまったのでした、、😅
ということで次回は折り返し地点の3日目
気がついたら志摩への訪問調査からもう3週間が経ってしまっていてびっくりしました😳
今から1週間もすれば最後の訪問調査の病院へ行く日がやってくるので、今のうちにやれることはやっておかないとな…!と思っています😤
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