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one day photo_27:エヴァンスとショアのイメージ

3月とんでもない額のクレジットカードの支払いを乗り切り、4月は平穏に過ごそうと思っていた矢先。疲れていて頭が回らなかったのかMastin labsというライトルームのプリセット販売に手を出してしまいしょうもないプリセットを一つ購入してしまった。89ドルでいろいろあって14000円、気が付いたときには時すでに遅し。
VSCOのプリセットが好きな僕としてはそれに近しいものが来るかと思ったら予想とは遥かに違うものが送られてきた、これはさすがに使えねぇわ、二度と買うかよ……とうなだれてしまった。
それもそうで、1万円でアレックソスのA Pound of PicturesかポールグラハムのTroubled Landが欲しかったのだ、どちらも13000円くらい。
来年の今頃にはどちらも買えなくなっている写真集だろうし、絶対的な価値がある写真集だから手に入れたかった。
ボーナスが入ったら買うことを心に決めて4月を耐えることとする、もう現像やデジタルアイテム、カメラに金を使うなんてまっぴらごめんだという気持ち。
私の本棚だって無限じゃないし、頭の中の師匠というかイメージの引き出しに入れるならいいものを仕入れたほうがいい。赤めだかである。

写真集を見ながら、僕はイメージ側の写真を撮りたいし制作するならイメージ側っていう人間だがイメージの読み方やテーマの繋げ方がわからなかった。テーマは知識や関心に起因するので、僕の場合は登山だけどただ登るのではなく社会的な側面や信仰的な部分の知識が無いとテーマを構築することは今後できないだろうと考え、いったんそちらを勉強することにした。
そして、撮影する際のルールには系譜がある、それが今回の重要なところだった。
僕はUncommon Placesが好きなのだが、この町の写真がどのような意図をもって撮影されているのかまではわからなかった(ステートメントというか説明文を見てもいまいちピンとこず……)
いくつかの解説の動画を見てもわからなかったが、写真史的な説明でアジェからアレックソスまでの系譜で、ヴァナキュラーがキーワードですよというのを聞いたときに。
あ、ウォーカーエヴァンスがやってた恐慌時代のアメリカの街の表層を撮影するのって確かにアジェの「パリのヴァナキュラー」のアメリカ版だわ……と納得した。
エヴァンスはアメリカ特有の街の景色とか風俗的な景色を感情を抜いて撮影する、それを集めてるんだよね。
で、ショアのUncommon Placesもあの時代のアメリカのヴァナキュラーを撮影している、だが撮影するときは形式にかなりのこだわりがある。(同時にライカで撮影していたトランスペアレンシーを見ると大判側滅茶苦茶ルールがしっかりしてる)
というのがわかって、Uncommon Placesのイメージの見方がようやく一つ分かった……という感じだった。

ヴァナキュラーというのが石川直樹の写真集にもあって、それは彼が冒険した先の先住民の小屋を撮影しているんだけど、あれって見直すとエヴァンスとアジェだよねというのも理解できた。冒険して世界の小屋を撮影して……っていうのがつながるからこの星の光の地図を写すにつながるんだ。地球スケールのヴァナキュラー。

僕は好きな写真の表面というか見た目がこの系譜だけど、それと同時に北井一夫の信濃遊行思い出した。あれは日本的なルポルタージュの形式で撮影されたなくなりゆく古き良き日本を残そうの視点だったか……と。
あと前田真三の里山シリーズ、あれは北井一夫よりもショア寄りだったんだわと。
撮り方としては僕はやっぱりショア、ミズラック、ホンマタカシのほうが好きだなと思う。
そうかテーマはまぁ興味だから勉強してたらなんかできるだろう。
イメージはそうかそれってやっぱり独学ではキッツいな!と思ったが、教えてくれるような人は身の回りに居ないので探そうと思った。

写真をうまくなろうって言って技術を身に着けるにしても、テーマがあって
それに対してのアプローチとしてどの手段を選ぶか、その手段に必要な技術でしかないから、テーマとアプローチの角度が無いと技術も見れないなと思う。


赤めだかを読み始めて納得、超納得。
誰を師匠とするのか、だれを選ぶのか重要だよねという下りはうなづく。
多くの人の場合は写真の先生なんていないから写真集を見るしかない、写真集を見て分析してまねるしかない。僕今までまんぜんとしか見てなかったなと思い、畠山直哉のテルリを片手に朝三脚を担いで木をとりに行った。
畠山さんは光を選んで撮影することが多い、主に高原は横から差しているので時間帯的には朝と夕方が多い傾向がある。
テルリは気候的な条件もあったのだろうが曇天も多く光が回っている、空を写す場合は空の表情が出るようにしている。
等々をチェックしながら、三脚で画面内のラインを合わせる練習、これはただの練習。
くそ、山に三脚なんて最近持ってかないけど軽量なG2雲台が欲しくなってしまった。4月になったら買うか……。(また散財しようとする)

登山ブログを書いたり、山で写真を撮っています、登山写真で気が付いた技術をひたすらつぶやきます。