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メタル特異点「Ave Mujica」

まさに、圧巻だった。

2025年2月2日、「Ave Mujica KiLLKiSS購入者限定フリーライブ」が開催された。
私は落選のため配信にて参加。

頭の中と気持ちの整理が少しできて語彙力を取り戻しつつあるので、思うことを書き記しておく。



なんというか、開演前に確信めいたものがあったのだ。

間違いなく「伝説」と呼ばれる類のライブだった。
歌唱力や演奏力、曲目の構成、世界観の構築…全てが噛み合い、完全に空間を支配していた。

「KiLLKiSS」で開幕し「KiLLKiSS」で閉幕なんて、思い付いてもやっちゃいかんよ。
「code 'KiLLKiSS' uh...」を2回浴び、終演時のお辞儀に見惚れて、オブリビオニスに落ちた人が大量発生したのは想像に難くない。

いや、その辺の話はいい。

「特異点」とタイトルに入れたのは、少しレイヤーの異なる話をしたいからだ。

個人的に、四半世紀ほどメタルという音楽ジャンルを追ってきた。

現在の日本国内音楽シーンにおいて、メタルの市場規模は非常に限られたものであると言っていい。
知る人ぞ知る、極めてニッチな存在だ。
認めるのは悔しいが。

だからこそ、メタルを演る人達は

  • 如何にして外側の人間に自分たちの音楽を聴いてもらうか

を、様々なアプローチで試行錯誤している。
最終的には、

  • ジャパニーズメタル再興

の目的、目標があるはずだ。

この文脈に関して、Ave Mujicaが特異点と成りうる可能性を感じている。

Ave Mujicaは「バンドリ」コンテンツから生まれたメタルバンドである。
Ave Mujica以前にも様々なバンドが生まれており、一定の成功を収めているようだ。

この下地が非常に強力で、時間と財力を備えた大量のオタクを、自然な形でメタルに触れさせた。
つまり、これまで試行錯誤してきた初回アプローチの壁を容易く突破しているのだ。
しかも太客である。

一方、アニメは第6話を前にして、目を離せない展開の連続である。
今期アニメの中でも屈指の話題性を提供している。

リアルバンドとアニメが融合し、コンテンツの持つ優位性を最大限に発揮している状態。
それが今だ。

結果として、メタルリスナーが爆発的に増加する要素を多分に含んでおり、展開次第では時代が変わる。
そう思わせるだけの説得力が、このバンドにはある。

Ave Mujicaがアニメ終了後にバンド活動を継続するのかは不明だ。
コンテンツに閉じた活動だけでは勿体ないと感じているし、長期的に外側へアプローチしてほしいとも思っている。

だが、終わりが見えているからこその美しさもある。

どのような選択肢でも、追いかけて行く覚悟は決めた。

声優に楽器をやらせるなんて、楽器ができる人に声優をやらせるなんて、歪だ。
その意見は理解できるし、自分も初めはそちら側だった。

でもね、そんなことがどうでも良くなるくらい、どうしようもないレベルで「メタル」なんですよ。
認めるしかない。

あなたも、この世界を共に見届けませんか。


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