#37 正義の味方

子供の頃、地球征服を企む悪の軍団さん達はちょっと考えたらどうなの？と思うことがあった。

いつも最後は正義の味方にやられてしまうのに、一週間経つと別の怪人がまた同じ街に現れて「フフフ・・・。」なぞとほくそ笑む。
大概にせーよと思う。
どうせ30分もすれば必殺技の餌食になるのに。

何故、正義の味方のいない国や地域から征服しようとしないのだろう。
そもそも正義の味方さんひとりで世界の平和を守るって大変過ぎるのだから。

そんな身も蓋もない感想を抱いていた少年時代であった。

時は経ち、大人になった私はそれでもやはり正義の味方について考えていた。

「仮面ライダー◯◯って沢山いるけど、どんなライダーだったら弱そうかな。そんなんで人を助けられる？悪の軍団から地球守れる？みたいな。」

ある日、家族でクルマに乗っていた時、そう問うた。
大事な問いだ。

色々出たのだが、支持を得たのが

「仮面ライダー事務職」

だった。
確かに弱そうだ。

また別の日、同じ問いをした。
「もっと弱そうなのいないかな。」

一番ウケたのが

「仮面ライダーいい人」

だった。
うむ、輪をかけて弱そうだ。

クルマは家族の大事なコミュニケーションの場なのである。

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