#80 メメント・モリ2
今日亡くなってしまった人は、昨日、まさか明日自分が命を終えるとは思っていなかっただろう。
また、全ての人は明日亡くなるとは思っていないだろう。
どんなに長患いしている人であっても。
しかし人間は生まれた時から目の前に暖簾を垂らして(見えるのはほんの足下だけである)切り立った崖に向って歩いているようなものだ。
崖の果てがいつ訪れるのかは分からない。
ということは人間は明日死ぬと言えるのではないか。
少なくともそう意識しておくべきことのように私には思える。
「メメント・モリ」
(死を意識せよ)
マハトマ・ガンジーも言っている。
「明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい」
しかし「明日」というものは現実にはなく、人の頭の中にしかない。明日になればそれは今日なのだから、「明日」は永遠にやって来ず、もっと厳密にいえば「今日、このあと死ぬ」ということなのだろう。
起こることは全て「今日」である。
ガンジー翁の言っていることは、もうすぐ貴方の崖は終わるけれど、歩みを緩めることなく進み、そこを踏み越える瞬間まで学びの姿勢を崩すなということだと思う。
(拙い解説なぞ無くとも、誰もがそう理解しているとは思う)
正に「人間は死ぬまで生きている」ということだ。
それでも。だから。
再びこの言葉を。
「Life goes on」
人生は続くのだ。
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