#49 メメント・モリ
「形あるものはいつか必ず無くなる。」
良く聞く言葉である。
しかし、形のないものでも無くなるだろう。
その事に気付くべきだ。
自分の一部分を占めていたと思える程親しかった人が亡くなったとする。
その喪失感は容易く想像出来る。
己の一部分がポッカリと抜け落ちているのと同じことだろう。
こんな時、人はこう言う。
「貴方と、貴方との思い出はいつまでも私の心に生き続けます。」
しかし、である。
「いつまでも」には限りがある。
「貴方」への想いや「貴方」との思い出も、そう言った本人が生きている間だけの事であり、その人が亡くなれば二人が共有していた思い出も消えて無くなってしまうのだ。
家族や親しい友人達と共有・共感した時間やそれに伴う思い出も同じ事。
いつか必ず消えてしまう。
そして二度と元に戻ることもない。
儚くも哀しく、そして寂しい。
しかしだからこそ今この瞬間、日々我々が共に創り続ける関係、事柄、または想いを愛おしく思わずにはいられない。
強くそう思う。
たとえそれが いつか無くなるものと知っていたとしても。
いや、知っているからこそ。
「Life goes on」
人生は続くのだ。
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