モリーとのダンスは最高さ
リトル・リチャードが天に召された。最高のシャウターでロックンローラー。そして稀代のピアニスト。50年代にゲイであることを公言し派手な化粧とグラマラスな衣装でライブをやるその姿はグラム・ロックの先駆けのようだった。ジミ・ヘンにもプリンスにも大きな影響を与えた。ジミヘンはバンドのギタリストだったしね。
僕が高校生だった80年代にすでに伝説的な存在だったし、そのころは今みたいにyoutubeも無いので、動くリトル・リチャードを観る機会も滅多になかったが、87年のテイラー・ハックフォード監督の映画『ヘイル・ヘイル・ロックンロール』にてチャック・ベリー、ボ・ディドリー、リチャードというロックンローラーキング三人の鼎談という夢のようなシーンがあって、彼らの一語一句から50年代の音楽シーンを勉強させてもらった。変な表現かもしれないけど、当時なんの情報もない鹿児島の高校生にとっては、ほんとに〝勉強した〟という感じだった。
映画では自分の曲よりパット・ブーン(お若い方ご存知でしょうか。往年の白人シンガーです)のカバーが売れたことに対しての積年の思い(恨みつらみ?)などを話すうちにどんどん興奮してくる様子は、まるで大阪のオバちゃんがスーパーの大根に文句を言ってるようで「これがロックンロール創始者の一人か」となんとも言えないな感動を覚えた記憶がある。
ツェッペリンの「Rock and Roll」のドラムイントロがリトル・リチャードの「Keep a Knockin'」へのオマージュだったと知った時も驚きと感動があったけど、あのド派手な衣装はやはりゲイであったピアニスト、リベラーチェを意識していたとか、あの独特のシャウトは当時の女性シンガーを手本にしたとか、いまだに初めて知ることが多い奥の深いミュージシャンだ。
反骨の人、自由人、セックスの権化、そして圧倒的にチャーミングだった人。
あなたのいない世界は少しつまらなくなりましたが、天国でまたチャックとボと三人で楽しく過ごしてください。
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