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愛とためらいの哲学

#愛とためらいの哲学

#岸見一郎

出版社: #PHP研究所


なぜ、あなたの愛は幸福をもたらさないのか……。どれほど幸せな恋であろうとも、嫉妬や依存、失恋など、様々な要因により一転して苦しいものになってしまう。思うようにならない他者と生きるなか、幸福な愛とは、どうすれば実現が可能なのだろうか。大切なのは「いかに愛されるか」ではなく、「いかに愛するか」を学ぶことであると著者はいう。愛とは能力であり、技術であるというのだ。では、私たちはいかに人を愛するべきなのか。人を愛するというのは、そもそもどういうことなのか。アドラー、フロム、三木清など、多くの賢人たちの智恵を手掛かりに、アドラー研究の第一人者であり、ギリシア哲学を専門とする著者が語る、待望の恋愛論。

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恋愛関係が他よりも難しいのは、それは2人の課題だからです。わたしたちは一人で成し遂げることができる課題、あるいは、多人数で成し遂げる課題については教育を受けてきましたが、二人で行う課題については何も教えられてこなかったのです。個人的な恋愛のことは誰からも教わらなくてよいという人は、恋は「落ちる」ものだと考えているのです。


「怒りは人と人を離す感情である」

怒る人は相手に何かしてほしいことがある時に、それを相手にさせるために怒るのです。つまり、相手に何かをさせることが怒ることの目的であり、怒りをそのための手段として使っているのです。相手の言動で傷つき、腹が立ったのであれば「今のあなたの言い方で傷ついた」といればいいのです。そのことを伝えるために、怒りの感情を込める必要はありません。



人には強制できないことが二つあります。尊敬と愛です。


フロムは、尊敬とは「愛する人が、私のためにではなく、その人自身のために、その人なりのやり方で、成長していってほしいと願う」ことでもあるといっています。


「愛」という名詞は、愛するという活動を抽象したものにすぎないのに、人間から切り離されて実体化されてしまったと指摘しています(「生きるということ」)。「愛する」という行為があるだけなのに、それとは別に「愛」というものがあるかのように考えることが問題なのです。自分にしか関心がない人は、愛する人には自分の願うように成長してほしいと思うでしょう。


愛の関係も、基本的には他の仕事や交友の関係と同じです。

よい関係を築くため

1、尊敬 ありのままのあなたを尊敬する

2、信頼 無条件で信じる

3、協力 協力して幸福になる

4、目標 目標を一致させる


未来は予測できないが、だからこそ生きる価値があるのです。

自分とは違った考え方、感じ方があると知ることは、人生を豊かにします。


私たちは愛の経験を通じて何を学ぶのでしょうか。それは、人は一人では生きられず、他者との繋がりの中で生きているということです。それを知った時、愛する二人は「私」ではなく「私たち」の人生を生き始めることになるのです。今愛する人がいるのであれば、先のことを思って不安にならず、日々よい関係を築く努力をしましょう。そのような努力をすることが生きる喜びになるのですから。

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🌸:バラ

花言葉「愛」「美」

#読書記録 #萌本棚

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