株主優待を狙うときに考えること(初心者向け)
1.はじめに
投資をしたいけど資金が減るのが怖いと思う人は、株主優待を狙ってみてはいかがでしょうか?
事前に収支の計算がある程度できるので安心です。
2.株主優待を貰うためにすること
銘柄ごとに必要な株数と優待内容が違いますのでYAHOO!ファイナンス等で内容を確認します。
100株以上でギフトカード1,000円分
1000株以上でギフトカード10,000円分
保有年数1年以上でさらに1,000円分
のように株数や優待内容が記載されているので内容を確認しましょう。
欲しい優待の目星が付いたらあとは期日(※1)までに買うだけです。
期日については以下記事も参照してください。
※1 この期日のことを「権利付き最終日」と言い、この日に株を持っていた人が優待を貰う権利が貰えます。
権利付き最終日が過ぎたら株は売ってしまって大丈夫です。
3.損をしないために考えること
株主優待は株を買えば貰えますが、売却時に株価が下がっていた場合マイナスになってしまいます。
通常、権利付き最終日の翌日には株価は下がります。
どうするか?
クロス取引
対策としてクロス取引というものをします。
信用取引を使って株を売から始める方法です。
売から始めるとは、例えば100円で株を売って90円になったら買い戻すことを言います。株価が下がったら利益が出るトレードです。
この取引を一緒にすることで以下のようになります。
「権利付き最終日」:株価は100円
買い:100円で100株
売り:100円で100株
「権利付き最終日」の翌日:株価は90円
買い:100円で100株 → 90円×100株で返済 = 1,000円のマイナス
売り:100円で100株 → 90円×100株で返済 = 1,000円のプラス
合計利益は±0円になります。
ただしクロス取引にも欠点があります。
それは逆日歩です。
逆日歩とは信用取引の売りをしている場合、コストがかかる場合があります。コストがいくらかかるかはその時の状況によります。
売りたい人が多くなるとどんどんコストが高くなります。
逆日歩のコストは事前に計算できないため、ギャンブルになります。
運が良ければ、逆日歩コストは0円の可能性もありますが、運が悪いと優待を貰っても割に合わないほどのコストがかかる場合もあります。
どうするか?
一般信用取引
対策として一般信用取引というものをします。
信用取引には大きく「制度信用」、「一般信用」というものが存在します。
違いはいろいろありますが、ここでは「一般信用」は逆日歩コストがかからないと覚えておいてください。
株主優待を取得するためにかかる費用の概算
株主優待を取得するためにかかる費用の概算は以下になります。
例えば楽天証券で株価1,000円、100株の優待株を取り引きした場合、
買いの手数料=0円(現物取引の手数料はゼロコースの場合は0円です)
売りの手数料=0円(信用取引の手数料はゼロコースの場合は0円です)
売りの貸株料=6円
株価1,000円×100株×1.1%÷365日×2日
一般信用の貸株料の金利は年1.1%、購入から返済まで2日として日割り計算
よって費用として6円かかることになります。
優待品が1,000円の価値がある場合、994円の利益となります。
(補足)
売買手数料が0円ではない証券会社の場合、以下を考慮すると手数料が抑えられます。
・買いの手数料
普通に現物株式を購入するよりも、信用取引で買い、当日中に現引き(品受け)をする方が手数料が安い場合が多いです。
・返済時の手数料
買いと売りの返済をそれぞれ実施すると手数料がかかりますが、現渡し(品渡し)を実施すると手数料がかからず返済できる証券会社が多いです。
・配当金について
買いには配当金が支払われます、売りでは配当落調整金と言って配当金相当の金額が引かれます。
配当金は20.315%の税金が引かれますので、以下となります。
例えば、配当金が3円の場合
買いの配当金:3円×100株=300円-300円×税率20.315=プラス239円
売りの配当落調整金:3円×100株=マイナス300円
上記より、61円マイナスになりますが、同じ特定口座で取引していれば年末に損益通算され61円は戻ってきます。
・売りの一般信用取引について
売りの一般信用取引のデメリットの1点目は、対象の銘柄が限られていることです。
全ての銘柄が一般信用売りが出来るわけではありませんので注意です。
2点目は、取引可能な数が決まっているため売の一般信用が可能な銘柄であっても必要な株数の取引が出来ない場合があります。
証券会社によって対象や残数は変わりますので、詳しくは口座開設している証券会社のHPを確認してください。
4.まとめ
株主優待を貰うためには、権利付き最終日までに株の購入(買い)とクロス取引(売り)を行います。
権利付き最終日の翌日に、買い&売りの株を返済します。
後は、株主優待が送られてくるのを待つだけです!
どの銘柄を購入するかは事前に優待内容と手数料を計算して、納得できる利益がでる銘柄を対象に取引しましょう。
株主優待を廃止する企業が増えてきていますが、まだまだお得な優待銘柄はありますので、投資を始めてみたい方はまずは株主優待をしてみてはいかがでしょうか。
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