なぜ2海通を勧めるのか?〜GMDSSと通信士の関係②
こんにちは徒然です。noteでは船舶の通信士関係についてあれこれ書いています。前回はほとんど内容がありませんでしたね(反省…😞)、前回最後に『航行海域と保守要件、それとタイトルのGMDSSが通信士にどう関わってくるか』ということを書きましたが、そのあたりを順番に説明をしていきたいと思います。
⛴航行海域。海通の法規を勉強された方なら船舶設備について『A1海域のみを航行する船舶は〜』や『A1,A2,A3海域を航行する船舶の設備は〜』などの言葉は知っているかもしれませんね。資格を取得する前はどうしても取得が目的になってしまいますが実際この機械って何?この言葉の意味は?と、そういったことまでは手が回らないかもしれません、勉強の目的が資格取得の最優先事項である以上は仕方ないことだとは思います。
この航行海域、前回あげた航行区域とは全くの別物であることをまず覚えてください🙂非常によくある間違いで『航行区域と航行海域って言葉が違うだけて、A1は平水に相当してるんでしょ????』というものです。これは非常によくある間違いです😞、航行区域と航行海域は完全に別物です。(そもそも日本にはA1海域というものは存在しないです)
ここでそれぞれのA1,A2,A3,A4の定義について確認しましょう。船舶安全法施行規則第1条11−14項に載っています。(水域という言葉を使ってますが意味は海域と同じです)(以下e-govより抜粋、リンク↓)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=338M50000800041
10 この省令において「A1水域」とは、当該水域において海岸局との間でVHF無線電話により連絡を行うことができ、かつ、海岸局に対してVHFデジタル選択呼出装置により遭難呼出しの送信ができる水域(湖川を除く。)であつて告示で定めるもの及び千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約の締約国である外国の政府(次項において「締約国政府」という。)が定めるものをいう。
11 この省令において「A2水域」とは、当該水域において海岸局との間でMF無線電話により連絡を行うことができ、かつ、海岸局に対してMFデジタル選択呼出装置により遭難呼出しの送信ができる水域(湖川及びA1水域を除く。)であつて告示で定めるもの及び締約国政府が定めるものをいう。
12 この省令において「A3水域」とは、当該水域においてインマルサット直接印刷電信又はインマルサット無線電話により海岸地球局と連絡を行うことができる水域(湖川、A1水域及びA2水域を除く。)であつて告示で定めるものをいう。
13 この省令において「A4水域」とは、湖川、A1水域、A2水域及びA3水域以外の水域をいう。
書いてある通り、A1海域は海岸局とVHF無線電話のやりとりができる海域です。海岸局というのは主に船舶の安全航行を管理する陸上施設のことで、(主だったものでは海上保安庁が管理する海上交通センター(通称:マーチス、MARitime Traffic Information Service の頭文字、MARTIS)、他にもマーチス以外の海上保安庁施設や各地方公共団体が管理や委託しているポートラジオ、漁船には漁業無線局など種類はたくさん)その全ての海岸局でVHF無線電話でやりとりできるわけではありませんが、A1海域は船舶の無線電話としてはとても一般的なVHF無線電話で海岸局と通話やVHFのDSCが可能なエリア、になります。
実は日本に規定された海域はA2海域からで、A1海域はありません。これは日本沿岸のある海域では海岸局からの距離が遠く、VHF無線機にて通話ができないから(だそう)です(VHF無線機は20-30マイルの程しか電波が届かず、海岸局が少ない地域では海岸局同士の距離が広く、そのような海域が発生してしまうそうです。東北の日本海側の方かなという気はする…)。勘違いしてはいけないのは、『この海域でVHFが使えない』というわけではないということです。VHFで海岸局とやりとりするにはその海域だと海岸局と距離が遠すぎてVHF電波が届きませんよ、日本沿岸でもそういう海域がありますよ、ということです🙂
個人的には(いきなりA2って気持ち悪いのでそのVHFが届かない海域はA2になるとして、VHF通話可能海域はA1にしたらいいのになぁ…)などと思いますが、陸地をA1エリアで囲わないと規定できないんですかね?とにかく日本にはA1海域の規定はありません。
次にA2海域。図を見た方が早いですね。(再びJCIのサイトからです ↓)日本の国土を覆う赤線が沿海区域、その外側を覆い朝鮮半島の南側や樺太の南側までカバーしている青線がA2海域です、日本の国土をほぼすっぽりと覆っています。
日本領土でA2海域に入っていないのは小笠原群島や硫黄島、大東諸島といったところです(いや~ 1度も行った事ないですね…)。東京の竹芝客船ターミナルから小笠原海運のおがさわら丸で父島まで行けるんですか??わたし全くわかりませんが小笠原群島まで行こうと思ったら確実にA2海域の外、A3海域ということになります。無線機器としては日本語ナブテックス、これが受信できる範囲がA2であると言われています。ではA3海域の図を見てみましょう。(再びJCIのサイトから ↓)
はい、ほとんど世界地図ですね🙄このいくつもの楕円で囲っている青色の部分全てです。A4はこのA3以外の部分になります、そうなるとどこなんでしょう???極圏になってしまいますが特別な用途を持った船以外は行かないと思いますがもうわたしにはわかりません。A3範囲はインマルサットの通信可能エリアです🤗
A 1~4海域の説明が長くなりましたが、海域がどのように海技士電子通信に関係してくるのか、といいますと、A3海域のような遠くまで航行する船舶は、A2海域まで航行できる船舶に比べてより多くの無線設備が必要になってきます、その対象の無線設備は簡単にいうと3級海上無線通信士以上を持っていないと操作できません。(+船舶局無線従事者証明も必要)
ただ、無線機器の操作というだけなら無線従事者免許でOKなんですが、A3海域まで航行するような国際航海有り(他国岸壁に着岸すること)の大きな商船になると通信長職の配乗が必要になってきます。そうなると前回noteで書きましたが、通信長になるには海技士電子通信が必要です。
航行海域と国際航海の有無と総トンによって海技士電子通信の3/2/1級、どの級なら通信長ができるのかが決まってくるのですが、これにはGMDSS(世界的な船舶の遭難や安全航行についての制度)の規定が大きく関わってきます。(今回は客船や漁船についての適用は省略します、ご了承ください)
GMDSS(Global Maritime Distress and Safety System)、大まかに言えば海上での遭難の際の安全確保や安全航行そのものについての世界的制度なんですが、例えば、『この船は航行海域はA1A2A3で国際航海に従事している総トン数は20000トンの貨物船ですか、保守要件は二重化と陸上保守ですよね?保守契約書確認します〜』みたいな話が検査ではあったりします。
厳密にいえば保守要件はSOLASと電波法なんですが、めんどうなのでGMDSSということでまとめて説明します。(対象機器の操作や保守についてはGMDSSも関わるのでそういうとこで🤗)、ということで最後の方全然意味わからんぞ!!!というところだと思いますが、この辺りはまた次回😶きちんと構成を考えて投稿します😥
TKS BIBI OUT
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