【声援】を送れる事の喜び
今から遡る事数年前、未曾有の新型ウイルスが全世界に広がり、我々の生活様式に少なからずの変化を齎した。
それは食事や会話などの身の回りの事から、仕事や会社など、社会での出来事にまで及んだ。
また、それは普段私たちが生きる糧としている「趣味」や「生き甲斐」にまで影響する事になる。
小学生に上がる前から、サッカー観戦に毎週のようにスタジアムへと足を運び、週末は愛するクラブに声援を送る日々を送り続けてきた筆者自身にとって、「飛沫の飛来を抑える為、スタジアムでの声援は禁止」とされる決定を下された際は、致し方ない気持ちもありつつ、もどかしい日々を送っていた。
それと同じように、声優やVTuber等のイベントに関しても、リアルなイベントはほぼほぼ開催不可となり、リモート等と呼ばれるようなインターネット上での配信がメインコンテンツになりつつあった。
時を同じくして、この時期より少し前から配信や動画を追うようになっていた、自分にとっての初めての「推し」の活動にもその影響は及んだ。
当時開催となるはずだった彼女自身初のバースデーイベントが、開催日直前になって開催中止となってしまった。
この配信で初お披露目となった名取さなの楽曲「PINK,ALL,PINK!」は、コール&レスポンスの掛け合いが特徴的な一曲。これを会場で出来ていたら……この曲を全力でコール出来たら……。
あの日あの時のあの感情は、未だに拭えないままでいた。
時は流れ、2024年3月7日。
中止を乗り越え、初の誕生日イベントの開催と相成った21年、円熟味を増した22年、5年間の集大成となった23年と時を重ね、チネチッタ全館貸し切りという最大規模での開催となった、4度目となる「さなのばくたん。」の開催日である。
前年のイベントは「集大成」という事もあり、エモーショナルで、感動的で、情緒も感情も心の底から揺さぶられた。
何度も何度もアーカイブを観返しては、その度に深いため息を付き、余韻に浸っていたことを思い出す。
それから一変して、今回のばくたん。に関しては、名取本人からこんな投稿がなされていた。
「上等だ、かかってこいやっ」と息を巻く。
只でさえ「一緒にいて楽しい」存在からこうも言われてしまっては、昂る気持ちを抑える事の方が難儀である。
何より、今回の「ばくたん。」には、皆が心待ちにしていた物が解禁される事も、その昂りを止められない一つの要因になっていた。
待ちに待った、声援の解禁である。
遂に、やっと、ようやくこの日が来たのだ。
あの日出せなかったコール、文字でしか伝えられなかった「誕生日おめでとう!」を、「ありがとう!」を、やっと直接、声に出して伝えることが出来るのだ。
念願叶った2024年3月7日、純粋なワクワク感が脳内を駆け巡る。
会場内は文字通り「貸切状態」となっており、チッタデッラ全体で名取さなの楽曲や撮り下ろし音声等が延々と流れていた。
歴代のポスターが並ぶその光景は、それだけで過去を思い返せる代物だった。
「あの時はこうだったよね」「やっぱり去年が忘れられない」
筆者もひとつひとつを目にして、当時を振り返っていた。
ひとしきり場内を回り、楽しみ、物販も調達したところで、いよいよ会場内へと足を運ぶ。
色とりどり、それでいて華やかで個性的なフラワースタンドや楽屋花たちに彩られた通路を抜け、いよいよ始まるばくたん。に心を躍らせながら席に着いた。
もう最初から「全力で声を出す」そう決めていた。
なんてったって4年も待ったんだ。我慢し続けてきたんだ。
誕生日当日なのに、「おめでとう」って言えない歯がゆさ。
いつも頑張っている名取に「ありがとう」と伝えられないもどかしさ。
こうしてテキストに記しているだけでは伝えられないもう一押しを、
今日、全部出すんだ。
あぁ。
声援が届く事って、こんなにも楽しくて、嬉しくて、最高なんだ。
この時間の幸福度を一生胸の中にしまって、いつでも思い起こせたら幸せなんだろうな。
2曲続けてお誕生日ソングを歌って、「次の曲は何だろな」と、何の身構えも無かった自分は、1秒後に頭を抱える事となる。
事前に「あの曲」は、一番最初、もしくはアンコールで歌唱されるとばかり思いこんでいたからだ。
一番最初じゃないのなら、きっとアンコールだろう。
そんな気の抜けた自分を、イントロが許さなかった。
本当の意味で「あの日」のリベンジの機会がやってきた。
溢れ零れる感情を止める事は出来なかった。だけども、そうもしていていられない。
あの日にできなかった事、するんでしょう?
人生において、やりたかった事の一つが達成された瞬間。
それも、何年も夢見て、何年も待ち焦がれて、やっと実現できた事。
願って、憧れて、その夢が達成されたとき。
それって、とっても。
うれしい、たのしい。
最高だ!
うおれ!!!!!!!!!!!!!!!
うおらんきゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
今ここで!!!!うおらんきゃ!!!!!!!
いつ!!!!!!!!!!!!!!うおるんじゃい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
名取いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ハイこっから堅っ苦しい文体や~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~めったっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!スクショと一緒に振り返っていくやつ、やりま~~~~~~~~す!!!!!!!!w
大団円。そう言わざるを得ない2024年のばくたん。は、こうして幕を閉じた。
ライブイベントの発表には度肝を抜かされ、「歌は苦手」と言っていた過去の名取を振り返ると、本当に成長しているんだな、と思い感慨深くなる。
「インターネットで一番幸せな時間」
これからも名取さなと過ごす時間が、そうでありますように。
次の日の予定の為、少し足早に会場に背を向ける。
幸せそうな彼女の歌が流れて止まないその道は、きっとリアルな世界までも幸せに満ち溢れさせてくれるのだろう。
2024年3月7日、雪辱を果たし、新たな一歩を踏み出す事になったこの日。
何度でもいつまでも振り返れる思い出を仕舞い込んで、一歩一歩を踏みしめた。
お嬢様部、こういうイベント毎で毎回やらされるのかな……
おわり。