「どこでもドライブスルー」の巻
アメリカ人は無精者だ。とにかく、何でも楽にしようと考える。テレビで宣伝されている家庭用品も、良くこんなものを考え付くなぁ、と思うものばかりだ。
便利さ(手抜き?)に対するアメリカ人の執念はすごいが、特にすごいと思うのは、ドライブスルーの充実ぶりだ。
既に紹介したように、吉野家にもドライブスルーがある。だがこれは、ファストフードチェーン店だから、日本のマクドナルドにあるものの延長線上で理解できる。
しかし、写真上(写真はいずれも2005年3月9日撮影)を見ていただきたい。これは、薬局のドライブスルーである。
日本ではちょっと理解できないが、ここでは何でも可能である。処方箋を窓口で渡すと、薬剤師が調薬して、渡してくれる。もちろん支払いもそこで行う。確かに、車の乗り降りが億劫なお年寄りにはいいかもしれない。
写真下はもっと驚きである。ATMのドライブスルーなのだ。日本と同じようなATMの機械(ただし、下ろせるのは20ドル紙幣のみ。これはどの機械も同じ)を、車に乗ったまま操作できる。アメリカでは通常、ATMは店舗の外にあるので、治安の悪い場所や夜間(24時間手数料なし)の現金引き出しは、ちょっと気をつけないといけないが、これなら車に乗ったままなので安心だ。そういう利点もある。
薬局も銀行も、ドライブスルーは24時間サービスである。ファストフードの場合には、店舗が夜10時頃に閉まっていても、ドライブスルーはOKという場所もある。これも犯罪対策だ。
因みに写真下の銀行は、東京三菱銀行系列の、ユニオン・バンク・カリフォルニアの店舗である。
余談だが、この銀行、非常にサービスが悪い。まず、他の銀行はだいたい営業時間は18時まで(土曜14時まで)だが、この銀行は16時までの店舗さえある。しかも、ドル→ドルの新札への両替を頼んだところ、口座がないとできないといわれた。米国の銀行でも、他行でがそんなことを言うところはない。
日本とアメリカを比べて、日本のほうがサービスが良いというのは、単なる神話だということが、こういうところでわかる。日系でもダメなところはあるのだ。
拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「どこでもスルー」(2005年08月15日 03:09付)に加筆修正した。