(2)日本版帰化試験問題 第86問
【アメリカ市民権試験問題】
■第86問 2011年9月11日に起こった大事件は何か。
(答)テロリストがアメリカを攻撃した。
【帰化試験問題】
★第86問 平成7(1995)年3月20日に起こった大事件は何か。
(答) オウム真理教による国家転覆のテロ、オウム真理教による大量殺人
【解説】
それまでにも、オクラホマシティの連邦政府のビルが爆破されるなど、アメリカ政府を狙ったテロがなかった訳ではないが、これほどアメリカを震撼させた事件はなかった。
筆者がアメリカに移住したのは9・11の2年後だが、それ以前からアメリカにいる友人たちは「9・11以降は社会が変わった」と口を揃える。それは、居留民や移民だから尚更感じるのだと思うが、実際、犯人グループは、合法的にアメリカに入国した者が殆どだった。いくらアメリカでも、思想を細かくチェックしてビザを出す訳にはいかないが、それでも出入りする外国人への目は厳しくなる。
テロやゲリラというのは、ルール(戦時国際法)を無視した戦争だ。それを防止するのは不可能に近い。日本が支那事変に苦戦したのも、アメリカがヴェトナムで敗北したのも、相手の戦時法規を無視したやり方に対処しなければならなかったからだ。
筆者は9・11が起こったきっかけは、オウム真理教によるテロだと思っている。テロリストだって人間だ。理性が静止するやり方がある。しかし、白昼堂々と人口1千万人の首都の地下鉄で猛毒のサリンを撒く…。そんなことが許されるならば、理性も何もあったものではない。能天気な日本が狂信集団に国家転覆させられそうになったことが、テロリストの思考に歯止めを利かせなくなったのではないか。そう思うのだ。
だからそのテロ集団に、せめて破防法を適用することは重要だったのだが、時の政府はまだ微睡から覚めず、それを躊躇した。それは痛恨の極みだ。
二度とそのようなことを繰り返させないためにも、国民はこの事件を心に刻んでおくべきだと思う。