「㊙誰も知らないディズニーの裏側」の巻
アメリカに11年間も住んでいて、しかもロサンゼルスにも住んでいたのに、アメリカのディズニーランドとは長らく無縁だった。東京とパリには行ったことがあったのだが。甥がLAに訪ねて来たときに、連れて行くということを口実にして、アナハイムのディズニーランドに行こうかとも思ったのだが、その際には同じアナハイムで行われたWBCの日米戦を観にいくことにしたのだった。結果的には、日本で中継のテレビに私たち一行が映っていたらしいし、大塚晶文選手のサインももらえたし……でよかったのだが、ディズニーに行くチャンスはそれ以来なかった。まぁ別に、大人だし、行きたいという気持ちが強いわけではないのだが、なんとなくやり残した仕事があるような気がしていた。最終的に、2012年ごろにアナハイムには行ったのだが、その前に、フロリダの方に、しかも仕事で、初めてディズニーをたずねることになった。
2009年4月19日、オーランドー(日本語で「オーランド」とするのは、英語の発音らしくない)で行われた某国際学会への出張だった。
しかし、仕事があるから遊んでいるわけにはいかない。でもその日の筆者のミッションはNASAへの客のアテンドだけだったのだ。そして何と、その日の夕刻から客が参加するコンベンションのオープニングセレモニーが、コンベンションセンターではなく、ディズニーのエプコットセンターで行われたのだ。
事前に下調べも何もしていなかったので、エプコット・センターが何であるかも知らない有様。やきもきしながらホテルの前でシャトルバスを待ち、会場に着くころには、薄暮になっていた。
バスは駐車場に入ることはなかった。裏門のようなところから入り、何とパビリオンの裏側をすり抜け始めたのだ。下の写真は、バスの車窓からその裏側の雑然として風景を撮ったものだ。
冒頭の写真も併せてご覧いただきたい。エプコットセンターの表にそびえるエッフェル塔のレプリカが見えており、撮影場所が「裏」だとわかる。
勿論一般客が入れるところではない。我々は一般客ではないから構わないのだ。普段は見せないところを堪能、と言うと言いすぎだが、楽しませてもらった。いや別に楽しくはなかったが…。
たまたま、勤務を終えたディガーを発見。
どことなく疲れているようだ。こういう姿を子供たちに見せてはいけないのだろうが、ここは裏側だから構わない。でも、裏に回っても、着ぐるみを脱いでいないところを見ると、どこで誰が見ているかわからない(実際我々は見ていたのだから)から、室内で脱ぐという指示は徹底されているのだろう。夢を売る仕事は疲れるものだ。
建物の内部で行われた、件のオープニングセレモニーの写真はこちら。
それが一段落した後で、クライアントと一緒に場内を一周り。しかし、宝塚ファミリーランドにあった「世界をひとつ」を巨大にした感じの場内は、ディズニーらしさを余り感じない。まぁ、他のテーマパークとの差別化を図ったのだろうけど(ディズニーの中で唯一、アルコールが供されているのが、エプコットセンターだ)、ここを訪れた子供たちには不満が残るのではないだろうか。こてこてのディズニーでない分、年配者にはよいのだろうか。しかし、ディズニーに来る人は、それなりにこてこてを期待しているのだから、このエプコット・センターのコンセプトは疑問だ。
「仕事できたくせに、お前がこてこてを期待していたからだろう」と言われれば、まさにその通りなのだが。
拙ブログ『無闇にアメリカに来てはいけない』より「裏ディズニー」(2009年07月13日11:11付)に加筆修正した。
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