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人としての熱量が大切 株式会社オーディナーレ "高口知子さん"

デザイン会社の経営をされながら、専門家の支援が届きにくい郊外の地域での事業者支援をするなど、自社の売り上げよりも大きなものを見据えて活動されている高口さんにお話を聞いてきました。

プロフィール 
出身地:熊本県球磨郡
活動地域:福岡県
経歴:コンサルティング会社に勤務後に独立し、企画・デザイン・コーディネートを柱に、「注文の取れる人、注文のとれる会社を創る」をコンセプトに株式会社オーディナーレを設立。創業者や中小企業経営者のための無料相談窓口での対応や認定専門家としても活動している。

「売り上げをつくることがクライアントとの関係づくり」

Q.どのようなキッカケや認識の変化があって郊外の地域での事業者支援を始められたのでしょうか?

高口知子さん(以下、高口) 私は熊本の球磨郡というところの専業農家の娘です。
6次産業化を国が推進してることもあり、農家さんが商品化に取り組むことが増えています。
そんな中、田舎だと事業に関わってくれる人が遠くにいることも多いです。
農家さんが商品を作ったとしても、売り方も何も知らないので、農家さんが分からないからと騙す業者もあるんです。
「ホームページを作って高額な料金を支払った」「1000本ドレッシングを作った、ジャムを作った」「ラベルを1万枚作らされた」といったことがたくさん耳に入りました。農家さんは販路を知らないのに何でそんなにたくさん在庫抱えさせてしまったんだろうなと思いました。

もちろんビジネスだから責めはしないけれども、少しでも被害に遭う人を無くしたい、止めたいと思いました。
だから、福岡市内ではなく、専門家がなかなか来てくれなくて少し困っている地域の支援をしたいと考えました。郊外の地域が良心的にフットワーク軽く色々な知恵を出してくれる人が来てくれない地域だろうと思った時に、だったら私がそう在りたいと思いました。

記者 そういった背景があったのですね。

高口 はい。それと隠れたものを見つけたいということも理由の一つです。 実際に足を運んでいなかったら、関わっていなかった事業者さんや商品がたくさんあります。
そして、関わったからには、絶対売り上げを立てたいと思います。デザイン以上に売り上げをどう作るのかということを考えているかもしれません。

記者 高口さんにとって、売り上げとはどういったものなのですか?

高口 売上を上げることは回すことです。そこで上がった売り上げは別に使えます。
また自分の会社の売上というよりも、お客様の売り上げをどうやってあげるのかということを考えています。
綺麗なデザインを作ることではなく、とにかくどうやって売上を作るかということがクライアントとの関係づくりだと思っています。

記者 関係性づくりの一つとして売上があるということですか?

高口 そうですね。依頼していただいたことに対する対価です。
頼んでいただいたからデザインで返すのだけではなく、事業者さん同士をつないだり、売上を考えるというのがうちのサービスのパッケージには含まれていると考えています。

本当に情熱を持っているのかどうか

Q.これからはAIが活躍する時代と言われていますが、AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか? 

高口 一言で言うと人としての熱量です。
AIでも気持ちがこもったサービスとみせかけることはできると思います。また、かゆいところに手が届くなんてことも、いとも簡単にできると思います。でも、やはり血の通ったこととは違います。
AIはデータから分析してあなたに必要なものを提供してくれるかもしれないけれども、その場に駆けつけて相手の温度とか顔色を見てその場で手を変えることができるのは、やはり人だなと思います。
私利私欲で行なっていたらそれはバレてしまうと思いますし、本当に情熱を持っているのかどうか、本当にその人を思ってするのかどうかだと思います。
それは伝わると思います。

私の会社もそうですが、人とつながることで事業を成りたたせることはできると思いますし、AIとかIoTは活用していけばいいと思います。

記者 人間力、人と繋がる人間関係力がより求められる時代になっていきそうですね。

高口 はい。また、日本は多言語対応の教育をすべきだと思います。グローバルなコミュニケーションで、熱のこもった多言語対応力が大事になってきます。
ホスピタリティとして、サービスとして、もっと多言語対応力は身につけるべきだと思います。 翻訳機に頼らず自分の言霊言葉でつながることです。

その力を持っているかどうかで十年後かなり差が出ると思います。例えば、何か日本がトラブルになった時に世界のあちこちから「家に来て良いよ」と何人から言ってもらえるのか、またそういう人間であるのかどうかが、ものすごく大事だと思っています。

「繋がるべきところとつながる」

Q.これから先、どんな社会や時代を作っていきたいといったイメージとかありますか?

高口 外国の方などと日常的に交わるようになっていくと思いますし、10年後はそうならないといけません。日本を飛び出して、色々な地域にそういうメンバーがいてプロジェクトを進める。繋がるべき人と繋がって、それが飛び火していくイメージです。

「じゃあ今度日本でやろう」「次はそっちに行くよ」というように日本を飛び出してプロジェクトをやっている人が増えていっていると思います。
そしてそれが共有されて知識やノウハウになれば、「日本が、日本が」ではなくて、もっと広い視点で世界を見えるようになるのではないかと思います。

そこに行き着くまでに、福岡の困ったところを助けて、つないで、底上げして、というように活動しています。

記者 色々な境界線がなくなって、良い社会になっていきそうですね。

高口 グローバルに対応できる人を育てると言ったら、 固定概念をうまく崩す付き合い方、繋がるべきところとつながることが大切になってくると思います。地域、人、人種は関係ないです。ビジネスも繋がるべきところとつながることが大切だと思います。

記者 これからの時代はより人間としてという部分が重要になってきそうですね。貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!

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高口さんの活動については、こちらから↓↓
●株式会社オーディナーレ

【編集後記】
お話を伺ってデザイン会社という枠に収まらず、我を超えた大きな視点で活動されている方だと感じました。インタビューの中でもおっしゃっていた人としての熱量や信念のようなものを感じさせていただきました。高口さんの益々のご活躍を応援しています!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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