理想の旅について~インドを念頭に~
もし、旅をするのなら目的なしに歩きたい。牛の写真を撮るついでに旅をするくらいが気ままでいい。そして、ゆっくり旅をしたい。
同じ宿に少なくとも三泊。なぜなら、同じ場所で何度かの同じ朝を迎えたいからだ。なぜなら、毎朝同じ部屋で起き、同じ騒音を聞き、同じ宿の従業員に軽く挨拶して外に出る。それから、毎朝同じ食堂で飯を食い、その後同じ屋台でチャイを飲みたいからだ。非日常のなかで「小さな日常」を過ごすこと。それこそ旅の醍醐味だと私は思う。
毎朝同じチャイ屋のオヤジにチャイを作ってもらう。ただそれだけのことが旅を充実させる。観光名所なんて二の次だ。寺や博物館よりも、人や街こそ興味深い。そして付け加えるならば、飯。街のなかを歩くと、毎秒々々刺激を受ける。それに疲れたら観光名所で休めばいい。
荷物はやはり身軽がいい。理想を言うと、一泊旅行くらいの小さなリュックで旅立ちたい。それから、ガイドブックは日中は持ち歩かない。もしも道が分からなければ、人に聞けばいいのだから。ガイドブック自体持って行かないのも面白いかもしれない。気ままに行ってもなんとかなるものだろう。
お土産は買わない。ぼったくられるのがオチだし、荷物が増える。なによりも、売りつけようとする土産屋に連れて行かれると体力を消費する。最初から買わないつもりで行けばいい。
写真はそこそこ撮ればいい。いや、沢山撮ってもいいか。そこら辺は好きにすればいい。
もしまた行くならもっと小さな街にも行ってみたい。もっとローカルな場所でなんとなく滞在してみたい。前回の旅で体感したが、やはり有名な観光名所や大都市ほどぼったくられやすい。英語が通じないのは困りものだが、小さな街ならそういうのは少ない。
なんて、いつになったら行けるのか分からない旅の夢想をしてみた。