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マーケティング4Pは古い。拡張マーケティング7Pを使うべき。
マーケティングの4Pよく聞いた事があると思う。
アメリカのマーケティング学者であった、エドモンド・マッカーシー (E. Jerome McCarthy)が1960年代に出版した著書「Basic Marketing: A Managerial Approach」(基本マーケティング:管理的アプローチ)の中で4Pの概念を発表した。
うろ覚えの方のために、4Pを復習しておくと、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの要素からなるマーケティング・ミックスのフレームワーク。
マッカーシーは、後の1987年にアメリカ・マーケティング協会のトレイルブレイザー賞を受賞し、マーケティング思想のリーダーの一人として評価された。
4Pは製造業時代のもの
年代からも推測できる通り、当時は製造業が中心の経済だった。
無形財であるサービス財を提供している企業はあまりなかった。
しかし実際には日本でも2000年代に入ってもよくこの4Pは提案書でよく使われていたのが実態だ。
現代ビジネスに即した「拡張マーケティング7P」
マッカーシーが発表した後の10年後、1970年にフィリップ・コトラーが書籍の中で7Pの概念を解説しており、コトラーの代表的な著書「マーケティング・マネジメント」や「マーケティング原理」で解説されたもの。
3つのPが追加された背景
1970年代以降、サービス業が急速に発展し、経済に占める割合が増加しました。従来の製造業中心の4Pでは、サービス業の特性を十分に捉えきれなくなりました。
それまでのアメリカの産業は鉄鋼業、自動車産業、化学産業、電気機器産業、航空宇宙産業などの製造業が中心で、第二次世界大戦後の経済を牽引していた。
しかし牽引していた一方で寡占状態を形成し、新しく市場に参入ができない市場になっていた。
こういった中で、生活水準が向上に伴い、物質的な豊かさだけでなく、生活の質や文化、健康、芸術などへの関心が高まりました。
この変化は当時「経済のサービス化」「脱工業化」と呼ばれアメリカの転換点となった。
発展し始めたサービス業
1970年代に発展し始めたサービス業には、以下のようなものがあった。
卸売・小売業
飲食店
金融・保険業
不動産業
ビジネスサービス(コンサルティング、広告など)
医療・福祉サービス
教育サービス
特に、1970年代には卸売・小売業、飲食店、サービス業の就業者数が大きく増加。また、1980年代以降はサービス業全般の成長が顕著になりました。
そんな時代に生まれたのが拡張マーケティング7Pだった。
拡張された3P
1.People (人)
サービスを提供する従業員や顧客との接点となる人材に焦点を当てる。
従業員のスキル、態度、顧客対応能力が重要となる。
2.Process (プロセス)
サービス提供のプロセスや業務フローを最適化することを重視する。
顧客が快適かつ効率的に購買できるようにすることが目的。
3.Physical Evidence (物的証拠)
サービスの品質を目に見える形で示す要素を指す。
施設、制服、パンフレットなど、サービスの質を可視化する要素が含まれる。
4Pと7Pの主な違い
4Pと7Pの主な違いは、7Pが4Pに3つの要素を追加している点だが、この追加された3つのPは、特にサービス業や無形商材のマーケティングに重要な要素となる。
適用範囲
4P: 主に製造業や有形商品のマーケティングに適している。
7P: サービス業や無形商材のマーケティングにより適している。
顧客視点の重視
4P: 比較的企業視点が強い。
7P: 顧客との接点や顧客体験をより重視している。
サービスの特性への対応
4P: サービスの「無形性」「同時性」「消滅性」「変動性」といった特性への対応が不十分。
7P: これらのサービス特性に対応するための要素が追加されている。
マーケティングミックスの柔軟性
4P: 比較的シンプルで基本的な要素に焦点を当てている。
7P: より多角的な視点からマーケティングミックスを構築できる。
具体的な活かし方
People (人)
サービスを提供する従業員や顧客との接点となる人材に焦点を当てる。
従業員のスキル、態度、顧客対応能力が重要となる。
もう少し噛み砕くと、販売員や営業マンなどフロントを対応している人の人気度合いと言ってよいだろう。
感じの良い販売員や営業マン、フロント対応をしている人には、人の方から集まってくる。
一方、感じの良くない人にはいくら仕事ができる人でも、客は離れていく。
フロントに据えるには、性別や年齢に関係なく「好感がもてる所作」をする人材を起用する事がポイントになる。
ウェブマーケティングでは
UIUX、ファネルの遷移設計がこれに相当する。
イメージと違うUIならその時点ですでに不一致が伴うため離脱率が上昇する。
直感的なUIでCTAも押しやすく、押した感じが良い、ファネル遷移のページ表示が軽く速い、無駄なページが間に無く、目的のものにダイレクトに到達できる。
こういうUIUXは好まれる。
Process (プロセス)
サービス提供のプロセスや業務フローを最適化することを重視する。
顧客が快適かつ効率的に購買できるようにすることが目的。
客である以上、当然対価を支払って何かを頼む。
頼む時には、このぐらいの待ち時間で、このぐらいの品質のものが手に入れられる。という期待の元、何かを頼む。
依頼した相手がこういう想像をしている以上、
待たせ過ぎれば不満になる。
品質が想像より低ければ不満になる。
これらが再来店や、再発注を途切らせる原因になる。
10人顧客が来たとしたら同じように提供できる必要がある。
それが100人でも、1000人でも1万人でも同じ事が必要になる。
これらを実現するのに定められた手順で、何分、何秒で提供できるのかが定まっている必要がある。
ウェブマーケティングでは
商品なら即時納品となる商品が多い。
ウェブマーケティングの場合は、申し込まれた事がトリガーとなって納品まで自動設定されている事が基本的に行うべき設定となる。
即時納品ではない商品の場合は、申し込み前、申込後でのスケジュール提示や、進捗ごとに通知が飛ぶなどの配慮は必要であろう。
Physical Evidence (物的証拠)
サービスの品質を目に見える形で示す要素を指す。
施設、制服、パンフレットなど、サービスの質を可視化する要素が含まれる。
見た目。身だしなみも含みます。
高級なサービスを申し込んだのに、身だしなみが整っていない、無精髭をそらずに対応するスタッフや、シャツがしわしわのスタッフが出てきた場合、品質に疑問を抱くだろう。これはその事を指す。
ウェブマーケティングでは
提供する品質とLP、ウェブサイトのデザインのトンマナの一致。
LP、ウェブサイト上の動作が問題なく動作する事。
こういう事に相当する。
いくら高品質なデザインだと言っても、男性向けの高級スーツを売っているのに、ポップな女性的なデザインだっとしたら、違和感を感じないだろうか?
「高級なスーツ」の言葉の裏や、購入する人は「イメージ」を持っている。
商品とデザインのイメージが一致していなければ行けない。
また、操作した時にCTAボタンが動かないなどの基本的な動作ができないなどのバグはあっては行けない。品質のイメージ毀損につながる。
この他、物的証拠という事で言うと「お客様の声」や「成功事例」はこれに相当する。日々これらは顧客から収集できるようにしていく必要がある。
まとめ
聞き慣れている7Pだけでもブレイクダウンしていくと、見直していくべき事は出てくる。
改善しなければ行けない数値結果が出てきた場合、すべてある程度はできているのであれば、こういった基本的な部分をブレイクダウンしていくと、些細なことが抜けている事で、成果を落としている事がある。
些細なこととは言え、ウェブは顧客との接触するもの。
接触時の印象がわるければ、当然申込み率や購入率は落ちる。
本来なら、ここからバックキャストして設計していかなければいけない事はいうまでもない。