エクスペクテイションコントロールの活用
FRBが使っていたエクスペクテイションコントロール
この言葉、FRBが利上げの示唆するときに使っており、そこで覚えました。
単純に書くと「期待値操作」です。
以下Chat GPT先生の回答です。この中だと主にフォーワードガイダンスが一番使われていた印象です。要は、口先だけで市場の期待値をコントロールするのでとてもコスパがいい方法です(FOMCの決議とかも要らない)
利上げ局面では、実際のFFレートを上げる前に、ショックの緩和とFFレートを上げるよりも早く、実質金利を上げさせて、インフレ圧力を減らすために行っていました。
「これからめちゃくちゃ金利上げます」
→債券市場「債券価格が下がるだろうから売りポジションを大きくしないと!」→実質金利は上昇
→株式市場「金利がどんどん上がるなら、株価にはすごい逆風!グロース株や高リスク資産からは手を引いて、安全資産のポジションを多くしよう!」→株価は下落 →マイナスの資産効果により消費は減退→インフレ圧力減少
って流れですかね。
仕事や日常生活への活用
これを覚えてから、これって仕事や日常生活で使うと生きやすくなるよなーって思って意識して使うようになりました。
仕事だと「これぐらいは達成可能かな?」というラインの少し下を目標として、周囲に公言しておく。周囲の期待値をそのポイントに固定しておいた上で、目標より少しいい結果だったり、早い納期で仕事を仕上げることで、周りにはほどほどのいい印象を与えられるよね?って話です。
少しだけというのがポイントで、特に日本企業の場合、「一度できたことは次もできるはず」というバイアスが掛かりますし、「すごくいい結果を出しても、リターンはそれほど変わらない」という構造的な問題もあるので、すごく頑張って、すごくいいリターンを出すと自分の首を絞めることになりかねないって思うためです。
毎回ほどほどにいい結果を、毎回出す方が、結果として安心感があるし、評価はむしろそっちの方が高くなるんじゃないかなと思います。
実際は私はこれを実践してからの方が、無理せずとも結果として評価は上がったように感じています(コスパいい)
企業の決算にあてはめる
毎回いい決算を出すような、数少ない企業。例えばクラウドストライク $CRWD やサムサラ $IOT は経営陣がこのようなことを注意深く行っていると思われます。
米国市場におけるいい決算の定義は以下になります。
一株利益(EPS)が市場予想を上回ること
売上高が市場予想を上回ること
ガイダンスが市場予想を上回ること
すべてにおいて、市場予想と対峙することが必要になる=つまり市場予想を上げすぎてしまうと、毎回いい決算は出せないことになります。
市場予想を出すのは証券会社などのアナリストですから、彼らのリサーチの時に期待値を上げすぎないようにコントロールしていると思われます。(もちろんそれ以外の公開情報も過度な期待を煽るものではいけない)
こういったコントロールは経営陣がわかってやっている場合もあるし、上場の際に世話をした幹事証券会社からのアドバイスによって行われている場合もあるようです。(後者は特に上場直後は、口酸っぱく言われるとか)
いい決算を出し続ける企業はそれだけではない
いい決算を出せる場合、市場の期待値より↑↑の結果をコミットできるわけですから、決算企業側にガイダンスをコントロールする余地があるという点も重要です。コントロールできるから、控えめにガイダンスを出して次の決算につなげることができるって思います。
だからいい決算は癖になるっていうのでしょうね
逆に、決算内容が苦しい場合は経営陣もコントロールする余裕はないので、目いっぱいの数字を計上することになります。そうすると次回も状況が変わらない限りは目いっぱいが続き、結果、ミスする可能性が高まるのかなって思っています。