子熊猫と恋愛Ⅲ
子熊猫の恋愛には暗雲が立ち込めている。
子熊猫ごときに恋愛はまだ早すぎた。アプリなんぞに手を出すべきではなかった。アプリの先に、孤独の寂しさを埋める相手をもとめるべきではなかった(前回も書きましたが)。
相手は関東在住(こちらは地方住み)、年上、社会人。きっかけはアプリで、数回食事に行った。現在連絡はそれほどない。返事がこない、つまりもうこれは詰みです。返事はまめにしてくれるヒトだったからです。恋愛をして、自分が「恋している自分は最強だ」と思い込める幸せな脳細胞をもつ種類の子熊猫なのだと気づけた。それが今回の収穫と思うことにする。
でもこれは最強を目指している子熊猫にとってまずい事態だ。恋愛ばかりをもとめる哺乳類になってしまう。別に恋愛に生き、燃え、それを生きがいにしているヒトを否定するつもりはない。子熊猫がこの生き方を選択しないというだけだ。一匹の子熊猫として土を踏みしめなければこの先苦しいのは自分自身なのかもしれないと思ったのだ。
子熊猫には理想とする愛の出会いかたや育みかたがある。なんの気なしに生きているところに並走するようにして運命のヒトが現れ、そのまま並走を続けるように互いに生を全うするというものである。言うなれば、マラソン中に「あれずっと一緒に走ってるな」という感覚にさせるヒトと出会うようなもの。登山中に、歩調や呼吸の波やペースが合うもの同士が出会うようなもの。そのように出会い、気づいたらこんな場所まで来てたね、ハイタッチ!くらい。自分で書いていてその浅さに辟易しているがこれ以上の価値観をまだ構築できていないし、これ以外の語彙力もない(青いな自分…)。
今回の恋愛は、子熊猫が合わせにいってしまった。そして結果として相手や自分自身を疲れさせてしまった。恋愛たのしー!くらいでやめられる(やめておく)バカになるべきだったのかもしれない。花は美しく咲き誇っているときに摘んでしまうのがいいのかもしれない。でも傷つかなければわからないことだってあるし、ヒトはそうやって深みを増していく生き物だろうとも思う。今こんなに苦しくて、「もう恋愛なんてしない」と思ってもまた懲りずに恋人がいる世界線を想像してしまうんだな。みつを。
というか、ヒトに恋したのがいけなかった。もっと、木とか、物とかに恋すべきだよ。そしてこんなに考える暇があるのがいけないよな。もっと忙しくしたらいいよ?ほかに何かやること探すべきだよ???
今後の課題は、
1.「〇〇のときの自分は最強」の、「〇〇」をもっとたくさん見つける
2.だれかに頼らずとも脳の空腹を満たせる哺乳類に進化する
3.孤独だと感じる環境に身を置かないこと
4.孤独をだれかや恋愛で埋めようとしないこと
1については、自分のポテンシャルを信じて各方面へ触手を伸ばしてみるしかない。もっと強くなれるはずという期待も込めた。2は恋愛に貪欲すぎた自分を変えたいから。3と4は、今のままでは孤独に耐えられないから、耐えられるようになるまで忙しくしたり植物やモノへ愛情を注いだりしてみるために。恋人という存在以外の依存先を増やしてみる。恋愛ばかりをもとめて生きるのをやめてみる。
みんなどうして、「この人と生きたい」と思うヒトをみつけられるんだろう。今日はここまで。
2023/04/07
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