子熊猫とモスキート音
子熊猫は居酒屋でバイトしている。
なんてことない、常連さんの多い実家のような居酒屋。昨夜は客が少なかった。だが少ないなりに、癖の強い客が来るのはお約束。
今日は店内でモスキート音をかました人間がいた。
子熊猫は実家の古いテレビから流れる電波の音(キーーーーンという音がする)を聞き分け、テレビの消し忘れがないか確認していたほどに耳がいい。そして子熊猫は耳はまだそれなりに衰えていなかったらしく、まあうるさいと感じた。
携帯から好んでモスキートかます人間がどこにいるというのだろうか。
そも、モスキートとはなんぞや。
調べてみると、「蚊が発する不快な羽音」の名称からきているそうな。子熊猫だって蚊は嫌いだ。夏の夜にあの羽音で目覚めた夜がいくつあっただろうか。醒めてしまった夢は、きっと甘かったに違いない。
若人にむけて「近寄るな」の意で発せられているなんてわれわれを何だとおもっているのよ!
(威嚇のポーズ)
今日も居酒屋だ。出稼ぎに行ってきます。
2023/02/05
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