#30 春の歌
今回は2005年4月20日に発売されたスピッツの30thシングル『春の歌』を見ていきたいと思います。
元々『スーベニア』というアルバムの1曲目に入っていた曲ですが、タイアップがついたことで急遽シングルカットされたという経緯があります。
疾走感あるメロディ、突き抜けるようなサビ…
アルバムの1曲目がベストポジションというか、それこそスタートを切るのにぴったりの曲だなぁと感じています。
この曲はシンプルに「応援ソング」ですね。
”春”というワードも、そのままの意味以外に、何かの始まりを表現するのに使われるワードでもありますしね。
特にサビの歌詞が印象に残っている、という人も多いのではないでしょうか。
春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも
春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を
それぞれ1番、2番のサビですが、一度聴いたら忘れられないメロディも相まってかなり印象的なサビです。
”愛”や”希望”を夢見ている段階の、まさに今からスタートを切る瞬間に心の中で流れるファンファーレみたいな感じでしょうか。
そして誰にも邪魔されることなく走り続け、やがては目指した場所へと到達する。
これは、挑戦する人に勇気を与える歌です。
Cメロの”サル”というワードは少し異質で、一瞬「おっ?」と思うようなところだと思います。
実は、スピッツの楽曲にはたまにこの”サル”というワードが出てきます。
今までに紹介したところで言うと『裸のままで』とかに出てきていますね。
僕なりの解釈ですが、”サル”というワードには「飾らない自分」「素の自分」といった意味が込められているのでは、と考えています。
ですからこの曲で言うと、カッコつけたり自分を大きく見せようとしたりせずに、自分の力だけで道を切り開く、という決意の表れだととらえるとしっくりくるかと思います。
最後に、”君”というワードです。
”遠い空に映る君”、”君の名をなぞる”といった風に、この曲には”僕”だけでなく”君”も出てくるのですが、これは果たして誰なのでしょう?
これも僕の解釈ですが、
”遠い空に映る君”=未来の自分
”君の名をなぞる”=過去の自分を思い出す
ということかなと思っています。
つまり、「今の自分から見た未来の自分と過去の自分」ということですね。
こうやって時間軸を意識させることで、人生の中で「ここでスタートを切る」とか「ここで目標を達成する」というイベントがイメージしやすくなっているのがわかると思います。
または、人生も季節の移り変わりと同様、春もあれば夏も冬もあるといったメッセージともとれるかもしれませんね。
僕自身かなり好きな曲で、ランキングを作ったら絶対に上位に来るのは間違いない一曲です。
MVはYouTubeで見れますし、サブスクでも聴けるのでぜひ。
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